司馬遼太郎は、時々、露草を眺めながら、執筆していたらしい。
記念館の書斎の前庭には、露草が咲いている鉢があった。
高校生の頃、バス停から続く畦道のような小径を通って通学していた。
道端の草が朝露に濡れて輝き、緑の中で、小さな青い花がたくさん咲いていた。
近視の私の目には、その花は、私が見ようとした時だけ現れた。
~存在していても、見ようとしないと見えない~
という真実を私に教えてくれたその小さな青い花は、
今も毎朝、あちらこちらで、密やかに草むらに咲いている。
朝草を刈れば草の中に
月の匂いがのこっている
それがわたしの足をぬらし
手をぬらし心をぬらす
つゆくさのるりの色は
夢のかけらか ひいやりと
唯あおくてかなしいばかり (三谷木の実「つゆくさ」)
生物の先生から、ムラサキツユクサの話を聞いたことがある。
「放射線を浴びると、ムラサキツユクサのおしべは、突然変異を起こして変色する。
だから、全国各地の学校に植えられている」と。
今、全国の学校での、ムラサキツユクサの観測は、どうなっているのだろう。
生物の先生の話は嘘だったのだろうか。
でも、考えたら、
突然変異を起こしてしまってから、気が付いたのでは、遅いのかもしれない。
その時はきっと、人間の身体の中のムラサキツユクサも変異しているのだから。
記念館に向かう途中の公園に、ロープのジャングルジムがあった。
誰もいないので登り始めたアホな夫の写真を撮ってるうちに、どうやら、デジカメ袋を落としたらしい。
帰り道、公園の入り口の手すりのてっぺんに、その袋がかけてあった。
河内小阪には、心優しき人がいる。
記念館の書斎の前庭には、露草が咲いている鉢があった。
高校生の頃、バス停から続く畦道のような小径を通って通学していた。
道端の草が朝露に濡れて輝き、緑の中で、小さな青い花がたくさん咲いていた。
近視の私の目には、その花は、私が見ようとした時だけ現れた。
~存在していても、見ようとしないと見えない~
という真実を私に教えてくれたその小さな青い花は、
今も毎朝、あちらこちらで、密やかに草むらに咲いている。
朝草を刈れば草の中に
月の匂いがのこっている
それがわたしの足をぬらし
手をぬらし心をぬらす
つゆくさのるりの色は
夢のかけらか ひいやりと
唯あおくてかなしいばかり (三谷木の実「つゆくさ」)
生物の先生から、ムラサキツユクサの話を聞いたことがある。
「放射線を浴びると、ムラサキツユクサのおしべは、突然変異を起こして変色する。
だから、全国各地の学校に植えられている」と。
今、全国の学校での、ムラサキツユクサの観測は、どうなっているのだろう。
生物の先生の話は嘘だったのだろうか。
でも、考えたら、
突然変異を起こしてしまってから、気が付いたのでは、遅いのかもしれない。
その時はきっと、人間の身体の中のムラサキツユクサも変異しているのだから。
記念館に向かう途中の公園に、ロープのジャングルジムがあった。
誰もいないので登り始めたアホな夫の写真を撮ってるうちに、どうやら、デジカメ袋を落としたらしい。
帰り道、公園の入り口の手すりのてっぺんに、その袋がかけてあった。
河内小阪には、心優しき人がいる。