愛犬耳袋

 コーギー犬・アーサーとの生活と喜怒哀楽

アーサーの豪華な食事

2006年09月28日 | 愛犬の日常




 アーサーのゴハンはずっとドッグフード一筋だった。
 母犬が妊娠中食べていたというブランドを愛用し、成犬になってからも同じメーカーのものをずっと食べさせていた。
 毛艶もよく、問題も無いはずだったのだが、半年前ごろからだろうか。いやに耳垢が出やすい事に気付いた。脂っぽく、すぐに匂いがして汚れてくるのだ。そしてこの夏はかゆみが出てきたらしく、時々耳や顔を掻いていた。
 獣医の先生に相談したが、食べ物が関係しているアレルギーかもしれないが、それほど赤く酷くもないので、何とも言えない。特に薬を付けたりもしない、とか言われてしまう。
 たしかに、かきむしると言うほどでもないし、真っ赤っかに腫れているというわけでもない。良く見ていなければ気がつかないような微妙~な状況。
 オヤツを変えたり、アレルゲンになりやすい牛のオヤツを控えてみても、イマイチスッキリしなかった。

 そんな時、
「ひとつのドッグフードを食べさせ続けると、アレルギー反応が出やすい」
 という話を耳にした。この考えではドッグフードは一定の期間ごとにローテーションを組むのが良いとのこと。そういえばうちではメインのフードはずっと同じ。抜かっていた。
 フードの主原料はアレルギーが起こりにくいとされるラム肉。それで安心していたのだが、これも調べると
「アレルギーが起こりにくい言われるラム肉でも、アメリカではアレルゲンの高位にランクしている」
 という情報も出て来た。またまた抜かっていた。
 というわけで10ヶ月近く使い続けたドッグフードをガラッと変えることにした。今度はアレルギーを起こしにくいというサーモンベースのものをチョイス。



「喰いたくば、『ふせ!』」


 この食事の変更が効いた。色々な意味で効果テキメンであった。
 まず、耳の匂いが若干収まって来た。かきむしった口元の毛並みもゆるやかに収まって来た。
 しかし便の量が増えた。劇的に増えた。
 そして壮絶に匂うようになった(以後、尾籠な話が続くので苦手な方はご注意を)。
 普段散歩中アーサーがウンチをしたら、水に溶けるティッシュで包み、ビニールで包んで口を縛り、防臭ウンチバックにいれ、さらにそれを散歩バッグに入れているのだが、この4重構造を突き破って漏れるという、凄まじき臭気を放つのである。
 さらに我が家は玄関からトイレまで3歩もないほどの至近距離なのだが、マッハでトイレに流しても、かなりの時間のけぞるような匂いが玄関に残ってしまう。家族もしばらくはドアを開けられない。近寄れない。万人オフ・リミット状態。玄関なのに。

 これはちょっと尋常では無い。便の量が激増したのも、消化率が良く無いせいだろう。
 ということで、フードを再考することにしたのだが、ここでまたドッグフード・ジプシーをするのも金銭的にも、アーサーの体力的にもロスが多い。そこで一か八か、自然食にしてみるとに。
 といってもすごい物ではなく、野菜の切れっ端と肉と穀類を混ぜて食べさせる、すんごい簡単な「手作り食」というやつだ。小難しいことは分からないので、一番分かり易そうで、簡単そうな本を一冊買って来て、参考にした。





 残り野菜をぶち込んでいるのでちょっと見た目がアレだが。
 ためしにちょっと食べてみると、粉末こんぶのグルタミン酸と椎茸のグルタミン酸・グアニル酸が、相乗効果で壮絶なうまみ効果に! 早く来て!「美味しんぼ」の人!!
 
 しかし飼い主は空きっ腹の押さえにと、冷たいお稲荷さんで満腹になってるというのに……。
 感謝してくれよ、とアーサーに出してみた。
 涙を流して喜んでくれるかと思いきや、いつものドッグフードよりわずかに時間をかけ(米粒があちこち飛ぶので)、淡々と、しかしペロリと平らげた。
 コーギーは食欲犬種だからねえ。何を出しても同じですか。うれしいですか。そうですか。残されるよりマシとはいえ、張り合いが無いよ。

 と思っていたら翌日からアーサーは、キッチンに人が立つと嬉々として入り口に駆け寄るようになった(中は立ち入り禁止なので)。





 どうやら中から匂ってくる匂いのモトは、自分と無関係なものでは無いと、バッチリガッチリ悟ってしまったようだ。
「これはお前のじゃないよ」
 などと手ぶらで出て来てくる度に、恐ろしくショックな表情で、人の顔を凝視するので困る。