空間設計堂blog(ブログ)

新潟県上越市大潟区の建築設計事務所のブログです。

タイムマシンにのって?2項道路となる

2008-09-25 09:21:00 | 建築関係
現在、手伝っている物件で、敷地に接する道路の巾が狭くて、市と協議になっています。

知っている方は知っていると思いますが、建物を建てる敷地は接道義務があり
その接道する道路というのは建築基準法では4m以上なければいけません。(つまり、4m以上の道路に接道していないと、その敷地は建物が建てられないのです。)

但し、建築基準法が施行された時点で4m以下の道路で特定行政庁が指定した(ここが今回一番重要なところ)道路(建築基準法第42条第2項に規定される道路 以下、略して2項道路と呼びます。)については、その道路中心線から水平距離2mの線を道路の境界線とすることとし
建てる方からすると、敷地の一部を道路として将来的に提供するような形にすれば建物が建てられるといった緩和規定があるのです。


問題の道路は昔の農道。市町村合併前の町の時代にはすでに町道とされていて、現在は市道です。長さは約45m。
しかし、現況は舗装もされず、農道(いわゆる赤道)のまま。
この道路を生活道路として自転車や徒歩で使う方はいらっしゃるでしょうが、この道路に建築基準法上の接道義務が生じそうなのは
今回の建築主さんだけという状況なのです。
ちなみに今回の物件では、敷地が広いので、問題となっている道路以外のところで接道はできています。

合併前の町役場(現在は区総合事務所)に確認したところ、2項道路の指定は受けておず、また将来的にそこを4m巾の道路として舗装整備するようなことは市町村合併後の財政では難しく、地元からはせめて現在の道路巾で舗装だけでもと要望がきているそうなのですが、それも難しい状況であるとのことでした。

区総合事務所との話しで2項道路でないと聞いていたので、その道路は基準法上の道路ではないとし
確認をまとめて、本庁へ確認を提出に行きました。
すると、その道路が2項道路の可能性があるからと、協議することになったのです。
つまり、昔の町時代では指定していなかったが、合併後市になったから審査して、2項道路か決めるということなのです

道路のある区域は昭和48年10月30日に都市計画区域になり、その時点でこの道路がどういう状況だったかを審査するとのこと。
市では法務局へ行って、公正図を見たり、現地確認したり、昔の航空写真を見たりして判断するとのこと。
約2週間かかると言われましたが、3週間経った今、現在も結論はないままだったのです。

業を煮やして、本日電話で審査状況を確認。担当者の方は月曜には上へ決裁を仰ぐようにしたとのこと。ただ、決裁をする上司が遅い夏休みかなにかで休んでおり、今日は状況が進まないとのことでした。
ただ、上へ上げた内容としては、昭和48年時点でこの道路にからむ住宅は2軒あり(1軒は今回の建築主さん。実は他1軒はすでに現在はありません。その土地を今回の建築主さんが買っているのです。)、2項道路としないと、(今はなき)住宅が建築できないということになるので、2項道路とするという判断としたそうです。
審査側はあくまで、現況の状況でなく、昭和48年当時の状況で指定しないといけないようなのです。(確かに法だけを考えるとそうなのでしょう。)

もし、決裁がそのように下りてきても、計画建物の位置に関しては影響ありません。ただ、確認に添付する図面の法的内容が変わるので多少の作業が生じるくらいです。
でも、腑に落ちない。
将来的に整備もされないであろう、農道のために、形上は敷地の一部を道路として提供するようにしておかないといけないのです。

昭和48年と言えば、私はまだ小学校に上がるか上がらないかの頃。
市の審査の方は更に私より年若です。(まったく記憶もない頃でしょう。)
あいまいな公正図や建物が米粒くらいの航空写真を見て、頭をひねったのでしょう。

でも、とにかく審査に時間がかかりすぎ。また決裁する人が不在でも、業務が滞らなくなるシステムを市はもっていないのでしょうか?

タイムマシンがあって、現地をつぶさに見て来られたら、もっと早くに審査できたのかなぁ?なんてバカなことを考えてしまいます。(民間の仕事ではスピードも大事なんですよ。)
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我が家、気長~に、塗装中。4...7回の表の攻撃といったところか

2008-09-22 13:22:31 | インポート
我が家、気長~に、塗装中。まだまだ続いております。
野球の試合でいうと、7回の表の攻撃が始まったくらいの進み具合といったら良いでしょうか。



写真は我が家の東面。車庫が取り付いているところ。
先週の日曜に義父さんが、足場を掛け替えてくれて
先日の土曜に一塗りしてみたところです。

手前の袖壁部も塗って、更に2度目を塗らないといけません。
そうすれば、あとは我が家の正面の1階部分のみとなります。(正面の2階部は前に塗っておいたのです。)

まだまだ、先は長いかな?土日の天候次第といったところですね。(昨日の日曜はあいにくの雨でした...。)

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企業の責任(追記2)

2008-09-19 11:09:00 | 趣味その他
今日、我が家の電子レンジが修理されました。




サンヨー製のもので、1ヶ月程前にリコールが新聞にでていたものです。

毎日使う電子レンジなので、修理に数日かかるとイヤだなと考え、またリコールの対象のような使い方は普段しないので
今まで連絡していませんでした。

先日、サンヨーのHPから連絡をとって、(割とすぐに)一昨日、電話連絡がきました。


とりあえずの電話連絡では、混んでいて対応が遅くなるかもしれないとのこと。
その間、問題になったグリル系の使い方は止めてくださいとのことでした。

実をいうとパンをトーストするのもダメだったみたい。
我が家ではリコールが出た後も、パンをトーストしていました。

対応してもらうのは遅くなるのか、と思っていたら、昨日、電話連絡がきました。
今度は地元のサンヨーさんの支店、若しくは代理店のようなところから。
今日(つまり昨日)にも直しに行きたいとのこと。
私は仕事があったので、今日、直してもらう約束をして、先程、直してもらった次第です。

こちらが考えていたより、簡単に早く対応してもらって、正直いって好印象。
大企業は違うなと思いました。


ここで、実はもうひとつ、企業がらみで最近、いや今、現在もイヤな思いをしています。
お歳暮で頂いた、ある企業のそば。先日、開けてみたら賞味期限まであと半年はあるのにもかかわらず
表面にカビが生えていたのです。

  

(右の写真でおわかりでしょうか。うっすら緑色の斑点のようなものがカビです。まったくビニール袋を開封していない状態でこうなのです。普通はいっているかなと思われる乾燥剤が入っていなかったです。)


9/10に製造元に送りましたが
今だに、代わりの品を送ってくるでもなく、連絡をくれるでもなく、なしのつぶて状態です。

この企業はこの辺では割と有名な企業。
但し今回の製品はその企業の信州工場が製造、販売元になっており
その信州工場に送ったため、対応が悪いのかもしれません。(パッケージには不良品があった場合の送り先はそちらだったのです。)

アフターケアーの良否が意外にも顧客満足に影響することは、私も身にしみています。
そばの企業さんには早くの対応をお願いしたいところです。(そろっと電話してやろうかと思ってしまいます。本社に電話した方が良いかな。)


追記1:この記事を書いて、公開した後、そばの企業さんより代替品が送られてきました。

代替品並びに、なぜカビが発生したかという検討書とお詫びの文が添えられていたのですが
こちらが不良品を送ってあげたことに対する送料の返還がありませんでした。
普通、こちらが今回の件で支払った費用は返して頂けないものなのでしょうか?

検討書によると、製造途中で機械トラブルがあり、その間製造停止状態だったときのものが、乾燥不足でカビが発生したとのことなのですが
となると、私以外にも同じようにカビの生えたそばを手にした方がいたかも。
皆さん、この件に対する企業側の対応をどう思われるでしょうか?

私も個人で仕事をしている者として、それぞれの企業さんの対応をよく見て、勉強したいと思います。


追記2:本社さんへメールで送料の件、問い合わせたところ
工場と本社との連絡が上手くいかずに、こちらが送料を負担していることを知らなかったようです。
すぐにお詫びのメールと、送料+更なるお詫びとしてのそばを送付してくれるお知らせを頂けました。

クレームを受け取る窓口と対応する窓口が別々だと、こういう行き違いは起こりうるものです。
特にクレーム関係はお客さまにしてみれば、感情が先にたっているので、迅速な対応が望まれます。窓口は1本の方が良いかも知れませんね。
本社さんの対応は素早くて、良かったです。
当初はあの企業が...と思っていましたが、今はまったく悪く思っていません。(人の良いお客さんでしょうか?私は。)

私のところは私一人事務所なので、情報が伝達されていないということが起こる可能性は少ないですが、今回の件は更にまた勉強になりました。
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久しぶりに市との仕事

2008-09-19 09:45:05 | 建築関係
昨日から、先日請け負った市の公衆トイレの改修の設計が本格的に始まりました。
といっても、昨日はまず打ち合わせ。

市側の要望の聞き取りや設計側からの質疑を回答してもらったり、現地を見て意見を摺り合わせたりと
確かに、この打ち合わせが大変大事です。

実は今回の仕事は、くみ取りのトイレを水洗化することが第一の目標で
設備的な面でクリアしなければならない問題が多くあるのです。

まず、浄化槽の算定人槽の検討が第一段階。
単純な話しではなくなっているので、ここは設備専門の設計者さんにお願いし、資料を作ってもらいます。
それから市の担当者さんにその資料を基に、関係部署にネゴしてもらわなければなりません。
とにかく浄化槽に予算が一番とられてしまいそうなので、場合によっては、建物自体を良くする方に予算がまわってこない可能性もあるのです。

とりあえず、それがクリアしないと本格的に図面は描けない状況。
(使い勝手上どうしたら良くなるかとか、陰湿な既存のトイレをどうしたら気持ちよく使えるようになるのかとか、考えてはいますけど...。とにかく掛けられる予算が決まらないとです。)
請負側の統括責任者としては、気がもめる時間がしばらく続きそうです。
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高田の町家2次調査に行ってきました。

2008-09-15 17:19:23 | 建築関係
今日、高田の町家の2次調査に行ってきました。

7月に行われた1次調査(町家の雁木部分の調査)に引き続き、2次調査は内部まで調査させて頂くものです。

今日、私が調査の手伝いをしたのは2軒。
両方とも、立派な町家でした。


1軒目は土間の通りが、雁木から続いていて、途中、増築した部分の廊下がその通りを引き次ぎ、
合わせると約50m程の通りが雁木から裏庭まで通る、立派な町家でした。
玄関から裏庭まで50m見通せるのは、私は今まで経験したことのないものでした。

2軒目のお宅は立派な吹き抜けが印象的でした。
実は吹き抜けの1階のところには天井が張ってあるので
厳密に言うと、まるまる吹き抜けである部分は少ないのですが
2階まで上がってみると、往時の吹き抜けや天窓の様子が見受けられます。
太い梁と貫等の木組みも見られ、1階に天井が張ってあるのはもったいない感じもしました。(使い勝手上、張る理由があったのでしょうけど)

調査していて感じたのは、これほど立派な町家なのですが
住まわれている方の人数が少なく、また、使われていない部屋がいっぱいあるなということでした。

住んでいる方が少ないというのは、将来的に町家を受け継ぐ方がいない状況がおこり得るということ。
使われていない部屋が多いということは、住まわれている方々の目が行き届かなくなりがちで、メンテナンスが疎かになってしまう可能性が大きいということ。

前から思っていましたが、町家を保存していくということは、そこに住まれている方達に多大な負担を与えてしまうことなのでしょう。
住まわれる方のモチベーションの維持が今後、重要になってくるでしょう。
前向きに町家に住む...なにかそんなことができるアイデアがあればいいのですが...。
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