苦しみの尽きた場所に
幸せが待つというよ
僕はまだ探している季節はずれの向日葵
Only Human/K
http://youtu.be/Iq9qLJpzVTU
さて。
前回のネトナン物件から、次のネトナン物件へ移りメンテ作業。
今回の相手はズバリ人妻。
いつもは避けて通ってきた案件だ。
しかし、出会い系サイトには無数の人妻達がひしめいているのは周知の事。
そんな数ある人妻達から俺のところにたどり着いた今回の物件は、32歳の隣県に住む、いわゆる「昼顔」案件である。
最初は既婚者である事だけを伝えてきたのだが、絡んでいくうちに色々な家庭環境が暴かれていった。
もちろん俺も同じ環境だったがそれは伏せて彼女の話をとにかく聞き手になって過去をほじくり返していった。
不倫案件はややこしいしリスクが高い為スルーがmyルールだが、今回は確認と理解をテーマに深く絡んでいくことにした。
でもぶっちゃけ最初はどうやってセックスまで持ち込むかとかを考えていた。
以前の俺なら当然だけど、この頃から考えが変わってきていた。
それはどんな変化かははっきりわからないけど、とにかく相手の気持ちを少しでもわかりたいと思った。
さてこの不倫物件だが。
旦那も物件もお互い不倫のWの悲劇。
で、今の彼氏がなかなか相手してもらえず寂しさゆえに出会いサイトを彷徨っているらしい。
不倫期間は約一年。
なかなかである。
とにかく会って話をしたいので写メ交換をしてからしばらく経ってからアポを取り付けた。
某日。夜にアポ。
場所は俺が物件の近くまで行く。
その日、俺は仕事が押して待ち合わせに間に合わなかったけど物件は待っていてくれた。
車内で待つ物件のところに行く。
謝りながら挨拶をした。
物件の印象は写メとは良い意味で違った。
(参考画像)
水野美紀に少し似ている。
意外に清楚な感じだった。
逆に俺はチャラいとか軽いとか言われ印象は良くなかったように思う。
クルマのドアを開けて手を差し伸べた時も、いきなり手を触るとかチャラい。
てな感じでガードは堅かった。
とりあえず車に乗せてご飯へと向かう。
車内トークは物件の出会いサイトの話。
旦那が不倫した頃から始めたらしく、最初は誰かれ構わず出会い、セックスをしていたらしい。
精神が壊れていたのだ。
やがて少しづつ落ち着き、今の彼氏と出会いサイトで知り合う。
彼氏に夢中になるが、やがて構ってもらえなくなる。
何故なら彼氏には別に本当の彼女がいた。
物件は家では旦那の事でイラつき、ネット上では彼氏の事で悩み。
悪循環の生活を続けていた。
その間も出会いサイトはやっていて、セックスなしの出会いを繰り返し、たまに良いなと思う男にはカラダを許す。
俺もそんな男達の一員に過ぎない。
でも俺はその時には感じていた。
物件は俺に何を求めているか。
答えは、話を聞いてほしい
それだと思った。
とにかく今日は話を聞いてみようと。
そんなこんなでファミレスに到着。
少し物件との距離が近くなったので、俺がトークを展開することに。
次第に楽しい雰囲気になって来た頃にお店を出た。
時間もあまりないけど、まだ話足りないと思い停車して話す事に。
ここからはもっと詳しく現状について聞かせてもらった。
旦那については相当タチが悪い。
下衆な俺でも思う位だからかなりのもんだ。
ストレスで狂ったのか、何かに目覚めたのか、ただ単にアホなのか。
もう少し頭を使って、うまくやり繰りしていればこんな事にはならなかったのに。
俺ならば良いアドバイスが出来ると思った。
後は不倫相手の女性ももっとタチが悪かった。
最悪のパターンである。
ある意味キチガイだった。
こんなの相手にしてたら自分が潰れてしまうってくらいな感じで。
物件は1人で山積した問題に立ち向かい少しづつ前進していっているようだ。
「どこでどうなったらこんな事になってしまうのかがわからない。私は普通が良かったのに。」
物件がそうつぶやいたのが強烈に印象に残っている。
運命なのか…。
俺は自分の立場を隠しているのが耐え切れなくなっていた。
全てを打ち明けないと物件に対して失礼ではないかと。
でも決してそれを明かすことはしない。
それが俺のルールだから。
で、物件は孤独と闘って打ちのめされそうになった時に死を考えていたらしい。
そんな時に子供や親が支えになって乗り越えて来たという。
だからそんな存在を大切にして生きていくと話していた。
彼氏との事もあまり本気に考えずに現実を見た方がいいとアドバイスした。
俺が言ってもアレだけど。
物件の生き方を否定してはいけないから俺はとりあえず自分の思うように生きてみたら?
そんな感じでもアドバイスした。
その後は笑顔も見せてくれた。
門限の時間が近づいてきたので、物件との距離を縮めてみた。
そして、慰めのセリフと頭を撫でる。
最初は手も握れなかったが、物件は心を少し許しているように思った。
で時間になり帰るように言ったが、まだ大丈夫だから話していたいと物件は言う。
甘えながら会話をして、時折俺の首や胸に顔を埋めたり。
この時、俺に癒しを求めていたのだろう。
俺は抱きしめてギラついてしまいたくなったけど、物件の事情が頭にチラつき行動に移せなかった。
ただ甘えさせてあげればいいのだと。
そして時間が過ぎて制限時間になる。
帰ろうか。
と物件を引き離し顔を覗いた。
すると潤んだ上目づかいで今まで見せていない表情で俺を見つめていた。
とっさにもう一度抱き寄せて物件の目を見つめると、とろーんとした目つきに。
この目つきは俺がいつも女性の気持ちを解放させた時に見せる目つきだった。
そしてゆっくりとキス。
そのキスは甘くて乱れた感じがした。
本当はそのままの流れでいってしまうのだけれど。
帰ろうか。
と物件を引き離した。
やはりセックスを求めてはいないように思った。
車内で強引に流れを持っていくようなマネはしたくなかった。
物件にはもっと自分を大事にしてほしいと言う願いもあったし。
「もう大丈夫だろ?」
聞くと、物件も頷いて最後に一言。
「キスするつもりなかったのに。
甘えちゃったよ。」
ってかわいいセリフを放った。
これはなかなか普段聞けないセリフを聞けて嬉しくなった。
満足度はGETした時より上ではなかろうかと。
「また落ち着いたら会おう!」
そう言って別れた。
物件の気持ちをちょっとは知ることができたかなと思った。
頑張ってほしい。
俺も頑張って生きていこうと。
もう会うことはないにしても。
しかし、俺の下半身が疼き出してしまっていた事を物件は知っていたのかいないのか。
答えを探すまでも無く次のステージへと向かい、歩き始めるのであった。
滞在時間→4h
経費→3000円(ファミレス2000、ガソリン1000)