清明舎

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大石内蔵助は、おおいしくらのすけ、と読むと思うのですが、読みとしての(内)の字の意味はあるのでしょうか?

2016-12-17 | 日記

武士の名前は独特な読み方の多い「朝廷の官職(部署)名」を起源とするものが多いのです。さらに官職は「かみ・すけ・じょう・さかん」という4段階のレベルに分けられます。

内蔵助は、「内蔵寮(くらのりょう)」という官職の2番目に偉い位「すけ」という役職にに由来します。
(他にも治部・右京・左京・大学・兵庫・織部・~衛門・~兵衛などの名前ももともとは官職です。)

他にも例えば、浅野内匠頭(たくみのかみ)は「内匠寮(たくみのりょう)」で一番偉い「かみ」の役職にいる者~という意味ですし、吉良上野介(こうずけのすけ)も上野国の国司で2番目に偉い「すけ」の位の者ということです。

(関連)

Q:「紫式部」と「和泉式部(いずみしきぶ)」は「式部」が共通ですね?

この「式部」には役職とか、立場とか、何か意味があるのでしょうか?

A:

紫式部にしても、和泉式部にしても、これは「女房名」という宮廷女官としてのお仕事用の名前です。当時は女性の実名を知ってもいいのは親と夫だけとされていました。実名を知ると、その人の魂を支配できるとされていたからです。例外的に天皇から官位をもらうときには公文書に実名が記録されるので、後世に名前が残ったわけですね。ですから、天皇のきさきや娘に仕える女房クラスの女官は位階をもらうわけでもないので、女官としての仕事をするためのお仕事用の呼び名「女房名」しか記録に残らなかったのです。

そして、この女房名は、おおむね父親の朝廷での官職に基づいてつけられていました。式部というのは、要するに朝廷の式部省という役所のことで、紫式部にしても、和泉式部にしても、父親がこの役所の中間管理職を勤めていたので女房名に式部がつくのですね。父親が式部省に勤めている女房はたくさんいるので、紫式部の場合は著作の「源氏物語」のヒロイン、紫の上、和泉式部の場合は夫が国司として任官したのが和泉国だったことから、それぞれ頭に紫、和泉とつけたわけです。また、清少納言は父親が清原氏の出身で少納言という役職についていたのでこの女房名をつけられました。

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