清明舎

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売れ残りがあるのに、なぜ「完売御礼」? 

2007-10-11 | インポート

■住宅業界は“見栄のかたまり”
 このように、分譲マンション各社は苦労してマンションを販売している。しかし、冒頭でも触れた「繰り上げ当選」の内幕を知れば、住宅業界に対するイメージが一変するかもしれない。

 というのも、前述の理由から“鮮度の維持”が至上命題である住宅業界。たとえ未契約住戸があったとしても、平然と広告には「完売御礼」をうたう。つまり、「売れている」=「人気がある」という印象を強調したいがために、事実とは異なる情報を公表することがあるのだ。それは元をただせば、ここでいう「完売」が、いわゆる“登録完売”であることによる。ホテルにたとえれば、客室が予約で一杯(満室)になった状態を「完売」と呼んでいるようなものだ。その時点では手付金が入金されているわけでも、売買契約が締結されているわけでもない。単に、希望住戸に対して書面で購入の意思表示をしただけで、「契約」と同じ意味に扱われる。

 そのため、価格表に赤いバラが付いていたにもかかわらず、キャンセル住戸の発生という事態が実際に起こり得る。「予約」という緩い拘束力しかない登録完売ゆえの、お粗末なハプニングといえる。それどころか、中には申し込みの入っていない住戸に対して赤いバラを付けることさえある。「売りにくい住戸から客付けしたい」という自己都合的な理由が、こうした裏工作に駆り立てる動機付けになっている。「武士は食わねど高楊枝」ではないが、住宅業界はまさに“やせ我慢”あるいは“見栄のかたまり”そのものなのだ。http://sumai.nikkei.co.jp/mansion/twatch/index20071009d3000d3.html

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