ベッド脇の目覚まし時計を見ると既に正午に近く、このところの最遅起き、ただでさえ、矢の如く過ぎ去る日々において、午前中の時間を奪われたようで少し悔しい。
若い頃から基本的に夜型の体質だが、今年は夏の初めくらいから、生体バイオリズムの変化というか、初老の兆候なのか、ここ数十年で最長期間、人並みに早寝早起きの暮らしが続いていた。
ここのところ、夜型体質が戻ってきて、昨夜はベッドに潜り込んだのが既に明け方。先週半ばくらいから、年末進行、前倒し締め切りの仕事をかなりのテンションで仕上げたが、零細フリーランスに仕事納めの祝杯を上げる仲間もおらず、ひとり夜更かしをご褒美とした。
しかし、特に冬場の夜型生活は、起きてしばらくするとすぐに黄昏が迫り、一日の終わりを早々に実感することで、無為に日々を過ごしているような気持になり、あまり精神衛生上よろしくないように思う。
人並みの早寝早起きをしばらくやってみて、色々と効率がいいことが多く、なにより一日が長く感じられる。それなりに年を取ってきて、成すべき事への焦燥感が強くなってきた。Time and tide wait for no man. もちっと早く起きるようにしようかな。
ところで、先々週のことになるが、アンデルセンの生徒の工作作品が提携校主催の展覧会で展示されることになり、提携校生徒達によるパフォーマンスもあるというので、会場の鶴見会館まで生徒を引き連れ、見に行った。
パフォーマンスは和太鼓、朗読劇、今風ヒップ・ホップ、バンド演奏、等あり、いずれも高校生レベルの想像を超えない出来のものであったが、見ていて懐かしく、微笑ましいものであった。
中でも、お世辞にもお上手とは言い難いロックバンドがあって、スモーク・オン・ザ・ウォーターをやるんですが、あの楽曲、世代を受け継いで不滅だなあ、と。一応、マーシャル・アンプ、モニター・スピーカーもセッティングされていて、メンバーの子達、カッコつけてモニターの上に足を乗せて演奏するんですね。カッコいいことをやろうとするとものすごくカッコ悪くなる見本のような。ギターの子がステージから客席まで下りて来ようとして、シールドが抜けちゃったり。申し訳ないけど、死ぬほど笑わせて頂いた。
我がアンデルセンの展示物は、手前味噌ですが、他校生徒の作品群の中でもひときわ輝いていたな。他校生徒作品は、正直あまり見るべきモノがなかった。高校生あたりの作品というのは、ヘタウマにもなりきれず、かといって技術的には拙いのであまり面白くない。偉そうに言うようですが。
アンデルの生徒達、たぶん、いまままで自分たちの作品が晴れやかに展示されることなどなかったと思われるので、良い機会になったのではないか。件の高校生ロックバンドをくさしていたK君、表現とはとてもとても恥ずかしいものなの。みんな、その「羞恥の川」を乗り越えて一流になるんです。その辺、わかってね。
画像はとりあえず選んだ3点。いずれも段ボール工作による恐竜、作り方の手引きは既出の工作本から拝借、教室にあったがらくた類を使用し、各自が自分のアイデアで改変を加え、各自で命名した。
画像左:H君作「エンジェルレインボーサウルス」。全高50センチくらいの大作。彼はこれを完成させるのに学期をまたいで、3か月くらいかけた。天使の輪はなんかのボトルのパーツだったかな。本人が書いたこの生物の特徴は「性格は優しく、いつも僕らや地球を見守っている。身体全体が虹のように輝き、虹を作ることが出来る」ということだ。ちゃんと天使の羽根もついている。本人も優しい性格の持ち主。
画像中:S君作「愚弄殺(ぐろうさい)」。なんとも凶暴なルックスではないか。命名センスと作品に付けられた「俶蕗刺句」の「族旗」に見られるように、彼は難しい漢字を携帯で拾ってくるのが趣味。針金で作った「move」は彼の好きなグループ名。首に巻かれたチェーン、リングは彼の私有物。写真では見えにくいがチ○コもついている。本人がつけたい、と言うので「表現の自由」の観点から許可した。
画像右:K君作「イエローハート・ツンツン恐竜」。イエローハートとは、彼が大好きなXジャパンのヒデ(故人)の愛用ギターのこと。パンク風つんつん髪は古い絵筆の穂先を切って着色したもの。片側側面には壊れたラジカセの基板やパーツがはめ込まれている。この生物の得意技は「サスティーンをきかした音で相手をメロメロにする」ということだ。