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いわき・うぶすな広場だより

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三春ネギを栽培して・・・いわき市総合図書館企画展開催記念講演

2010-12-22 09:15:21 | いわきの歴史

吉田先生が栽培された
「三春ネギ」です。


農業関係の本です。
総合図書館で読めます。

いわき総合図書館企画展開催記念講演会
三春ネギを栽培して

講師は
吉田 隆治先生(いわき地域学會代表幹事)

平成10年12月18日  

1)なぜ三春ネギなのか?

夏井川渓谷(いわき市の牛小川)の義父の隠居家の管理人として
H7年から週1回通い始めた。
H7年は1月には阪神淡路大地震、3月にはサリン事件の時代です。
の世帯は当時11世帯、現在は9世帯。(先生宅を入れて)
ある時、区長さんの家での朝食をいただいて、
小学生に時代のなつかしい味噌汁に出会った。
じゃがいもとねぎの味噌汁だった。(先生は常葉町出身)
なつかしい味!!
30年ぶりの味噌汁の味(当時は40代)
此のネギはとの問いに・・・三春ネギだとの答え!!
これ以降
三春ネギのルーツを探し始める。

2)文献調べ

①三春町史に「三春ネギ」がない・・・大越・船引・滝根にもない。
  常葉町史に昭和11年(1936年)に記述があった。

②文献からみたいわきと福島県内の地ネギ

☆「いわきネギ」・・・いわき市史
☆「島田ネギ」・・・福島県農業史
☆「東京ネギ」・・・東北農政局いわき統計・情報センター編「いわきのネギ」
☆「いわき一本太ネギ」・・・福島県農業史
    いわき市の平窪や好間で「東京ネギ」の千住ネギから採取や栽培を行い
  それから、

  「長ねぎ」「川中子ねぎ」の名で栽培された。
 これが、
  春まき秋冬どりの作型に適した分けつにくい一本ねぎといわれます。

☆「源吾ネギ」・・・福島県農業史
     昭和3年(1828年)に須賀川市の安藤さんが「
   合黒一本太ねぎ」から

  肉質が柔らかく香気があり食味がすぐれている栽培しやすく、
     定植時に伏せこんで植えるため、軟白部が曲がるので、
     別名「えびねぎ」を作りだす。

☆「阿久津ネギ」・・・郡山市HP

   明治30年(1897年)ごろ武田さんが富山の薬売りが運んできた「加賀ネギ群」の
  種をまいて 栽培したのが始まりで、
  これから阿久津地区の気候・風土に適した種を選別して
 「阿久津一本太ネギ」「郡山一本太ネギ」をして広がり、
  阿久津地区の畑の土は粘土が強く作土が少ないので少ない量で、
  ネギの白の部分を確保する技術として、

  当時では画期的な「やとい」(夏場にネギを掘りおこして斜面に植えかえる作業)をして
  ネギを曲げることによりさらに特有の柔らかさと甘み・風味のネギが誕生した。

③ネギの原産・来歴・分布と分類

☆原産地は中国で
    西へ広がったものは玉ねぎの祖先として。
  北東へ広がったものはネギの祖先に。

☆日本での分類
・加賀群
・九条群
・千住群・・・いわきのネギ 

3)聞き取り調査

①「いわきネギ」と「三春ネギ」の違い

 「千住一本太ネギ」の合柄(葉の緑色が濃くもなく淡くもない中間)
   →「東京ネギ」→「川中子ネギ」→「いわきネギ」=「いわき一本太ネギ」
   「いわき一本太ネギ」は春まき秋・冬どりで、冬も地上部は枯れない。
 三春ネギは秋まき秋どりで、冬は地上部が涸れる。
 どちらも風には弱い。

②現在の「いわきネギ」は別品種!!

  農協で一括出荷するようになりネギの品種が別物になった。
   農協の指定する規格
  ・・・「白根は長く、見栄えのいいもの」「白根の長さは何セン チ」となり、
   機械で定植や風対策で、かたい品種が求められるようになり、
 太くてかたい、テカテカしたものが主流になり、
  昔からの「いわき一本ネギ」は自家消費に追いやられたと。
  しかし
 今のネギは鍋には最高ですよ。
 

)結論:

「三春ネギ」は
      阿久津曲がりネギ」につながり「加賀群」に分類される。
      加賀群は冬、地上が涸れる・夏場に「やとい」をするので。

4)最後に

☆種の来る道がある

・・・いろいろな道が想定され、人間が介在し歴史的なつながりも生まれる。

☆種は文化財でもある

☆「自産自消」から「地産地消」へ

  自分で作り自分で食べる→栽培する人を増やす努力→「地産地消」へ
   このような考えで、できることをコツコツやることにより
   昔からの種が残っていくのではないか
   貴重で、大きな力になってくるのではないか。

と結ばれました。


吉田先生、

栽培の経験を踏まえた貴重なお話ありがとうございました。
  
  

 

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