2013年。道明寺司、誕生日企画。

2013-01-31 14:15:08 | 誕生日。
朝目が覚めて、
まだ、時刻にしては早いなと思い、
何か書こうと思って、
登場人物を眺めておりました。

はれ~?
道明寺の誕生日では、なかですか。

ってことで、つらつらと書きまして、
珍しく、連日更新ですが、up致します。


道明寺、ハッピーバースディ。









それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。








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2013年、道明寺司、誕生日企画。
~ティールームで感じる気持ち。~







なんて一日なんだろう。

俺にとっては小さい出来事さ。
だけど、こんなに胸がドキドキしてる。
お前は、いつも俺をハラハラさせる。

牧野のことを心配して、
街中を走り抜ける俺様なんて、
いままでじゃありえない。
でもま。それもいいんじゃね。
顔をそよいでいく風が心地いいから。
牧野に向かって走ると思えば、
いいってことよ。

ガードレールに、首たれてしょぼくれてる
お前を見つけた時は、焦ったぜ。
ダチを心配して、走りだそうとしてた
お前に俺は。。

「牧野。どこに行くんだ?動くなって言っただろう。」
「道明寺。だって!」
「お前のダチがどこにいるか検討がついてるから。」
「え?」

俺は、牧野の手を取って、
俺の後ろにするりと滑り込んできた車に
牧野を押し込んだ。


数分後、銀座のカフェの前に車は横付けされる。
道明寺のあとに続いて、車を降りると、
道明寺家の車の後ろには、総二郎の車が、
止まっていた。

「松岡は、総二郎が確保して、ここにいる。」

司は、そう言いながらカフェのドアを開けて、あたしを促した。

「道明寺…。ありがと。」
「惚れたか?」
「は?何言ってんの?」

あたしは、優紀の元へ近づいていく。

「優紀。」
「つくし。」

優紀の目は、大分落ち着きを取り戻していた。

「西門さん。ありがとう。」

ジィと見る西門さんとアイコンタクトしたあたしを
見て、道明寺がカフェの店員に合図した。

「ショウウインドーのケーキ、端から端まで。」
「え?」
「全部、もってこい。それから、紅茶2つとコーヒー2つ。」
「そんなに食べれるわけ無いじゃん。」
「食べれるだけ食べて、忘れろ。食べきれなかったら、
牧野と松岡の家族に土産にすればいい。
ああ。滋と桜子も呼ぶか。電話してくる。」

そう言って、電話しにいく司にの様子に
総二郎が、フッと笑った。

「つくしちゃん。司に惚れちゃった?」
「は?西門さん、何言ってんの?」

その時、類とあきらと滋と桜子が入ってきた。
皆が席につくと、立ったままの道明寺に、
西田さんが、声を掛ける。

「司様。そろそろお時間です。」
「ああ。」

「じゃ、頼むぞ。」
「ああ。」

類と総二郎は、軽く手をあげる。
それを見た司は、つくしにチラリと視線を送って、
踵を返した。
その後姿に、つくしは声をかける。

「道明寺。ありがとう。」
「礼は、お前の作った弁当でいい。」
「へ?。」
「甘い卵焼き入りだぞ。」
「う、うん。」
「じゃあな。」

手をスッと上げて、ツカツカと去っていった。



fin




Tsukasa Doumyoji Happy Birthday!
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Enough is enough!

2013-01-30 16:56:14 | 物語。
今日は、急に暖かくなったからか、
午後になって、空気が黄色くなって来ました。
数日前から、目がゴロゴロし始めているので、
花粉がそろそろ、飛び始めているのかと、
思います。
まだまだ、寒いけれど、少しずつ春は近づいて
いるんだなぁ。




今回は、短めです。






それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。







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Enough is enough!(いいかげんにしなさいよ!)







「あんたたち!いいかげんにしなさいよ!」

あたしに張り付いて取り囲んでいた、
どこぞのぼんぼん達に対して、
あたしの堪忍袋が切れた。

皆に迷惑をかけちゃいけないと思って、
今まで我慢していた。
取り囲まれても、なんとか我慢していのに。

あたしの声が、パーティー会場響いた。
一瞬、シンとした会場。
あたしは、肩で息をして、我に返る。

あ~、やっちゃった。。。。

あたしは、あたふたしながら、手を
離そうとする。

その時一番近くに居た、滋さんのSPさんが、
音もなく近寄ってきた。
あたしの手をつかんでいた手を、パンとはたいて
離して、あたしとの間に立つ。

パーティー会場に散らばっていた、
あたしの友達たちが、カツカツと音を立てて、
あたしの元まで戻ってきた。

「何かあったか?」
「牧野、どうした。」
「つくしちゃん、大丈夫か?」
「牧野?」

スッとあたしとそいつらの間に入ったのは、F4。
そんな中、何も言わずに、そいつらから3歩
引き離したのは、美作さんだった。

「牧野。ごめん。」
「美作さんが、謝ることじゃない。」

そして、近づいてきたのは、滋さんと桜子。


「牧野。やっぱり、パーティの時だけでも、
お前にもSP付ける。」
「牧野。大丈夫?」
「先輩。手が赤くなってしまってます。」
「大丈夫だから。」
「つくし、何かあってからじゃ遅いのよ?」

あたしは、ムゥと黙ってしまう。
あたしのことを囲んでいたぼんぼん達は、
真っ青になって、逃げ出していた。

「行くぞ。」

一言言って、道明寺が歩き出す。
あたしも、皆と共に会場から連れだされた。

そして、そのホテルのスイートルームで、
あたしが、気を取り直して、

「Enough is enough!(いいかげんにしなさいよ!)」

と、みんなに向かって、もう一度叫ぶのも
あと少し。
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寒い日の出来事。

2013-01-27 13:06:56 | 物語。
寒い日が続いていますが、
お変わりありませんか?
私は、元気です。

私の場合、喉元を冷やさないのが、
いいようでして、
肌さわりの良いスカーフを巻いて、
ガッチリ風邪を防御しています。




今回は、あれ?道明寺じゃなくて、
お姉さんの椿さんが、出現しました。
道明寺ごめん。(^^;;






それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。







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寒い日の出来事。







*******
美作あきら。


「寒い。」

朝から、少しずつ空気が冷えていって、
外の芝生の上は、白くなっている。

は~。と手に息をかけながら、

あたしは、誰かが歩いた靴の後を
追いながら、ラウンジに向かっていた。

ラウンジのドアを開けると、
フワリと温い空気が動いて、
あたしの頬に降りかかった。

「あ。ホットするなぁ。」
「牧野。紅茶飲む?」
「美作さん。」
「分かった。」

「おい。あきら!何が分かっただよ。」
「え?牧野の声で分かるだろ?」
「わっかんねーよ。」
「類、わかるよなぁ?」
「当たり前じゃん。」
「はぁ?」

総二郎の声が、裏返った頃、
あたしの前には、温かな湯気の立つ
ミルクティが置かれた。

「熱くしてあるから、気をつけて。」
「美作さん。ありがとう。」

「ああ。生き返る~。」

その声に、みんなが微笑んで。
自分の前にあるティーカップを手にとった。


*******
花沢類。


はー。息が白い。

授業の時の席が廊下側だから、
体が冷えてきちゃった。
ラウンジに行って、お茶のもう。

あたしは、水筒のカップに、
お茶を注ぎ、フーと息を吹きかけて、
コクリと飲み込んだ。

「はー、生き返る。」
「牧野。何飲んでるの?」

後ろから、優しい声がする。

「抹茶入り玄米茶だけど。」
「いいな。牧野の入れたお茶飲みたい。」
「いいけど。いつものうちのお茶だよ?」
「うん。飲みたい。」

あたしは、席を立って、
湯のみを持ってきた。

黙って受け取った湯のみを、
類は包み込むようにして、
手をしばし温めて、
お茶をコクリと飲んだ。

「うん。やっぱり牧野の煎れたお茶は、
美味しい。」
「そう?」

あたしは、優しい気持ちになる。


*******
西門総二郎。

あたしは、学校の廊下をブツブツ
言いながら歩いていた。

「なんで、廊下が寒くないのよ。
信じらんない!」

あたしの前に、影ができて、
あたしは、急ブレーキを掛けた。

「つくしちゃん。」
「わ。」
「わ。はねーだろ。」
「急に前に現れないでよ。」
「まあまあ。ちょっと付き合って?」
「は?あたし、用事があるんだけど。」
「用事先まで、送るからさ。」
「ちょ、ちょっと!」

あたしは、肩を抱かれて、歩き出した。
肩に置かれている手には、ちゃんと
逃げられない位の力が込められている。

あたしは、諦めて、肩の力を抜いた。。

「どこにいくの?」
「ちょっと、茶屋。」
「へ?」
「周りにいる子達と行けばいいじゃん。」
「あのな~。意見が欲しいから、牧野なの。」
「…。」

あたしは、その後、とてつもなく立派な
茶屋に行って、色々ごちそうになった。

気づいた時には、周りは真っ暗。

「!?」

冷や汗をかいているあたしに、
総二郎は、フッと微笑んで言った。

「ああ。連絡しといたから。」

「え!?」
「気が利くだろ?」
「ふんっ!」


*******
道明寺椿。


あたしは、バイトに行くために、
カツカツと歩いていた。
校門のところまで来た時、
すぃ~と前に、道明寺家の車が
止まった。

「?」
「牧野様。お乗り下さい。」
「私、バイトがありますので、
道明寺に伝えて下さい。」
「私たちが叱られます。」
「・・・。」

あたしは、ため息をついて、
道明寺の家の車に乗り込んだ。

「なんで、お迎えなんですか?」
「実は、椿様が帰国なさっておりまして。」
「椿さんが?!じゃ。時間かかりますね。
バイト先に連絡を入れさせて下さい。」
「ご心配なく。私がご連絡させて、
頂きます。」
「…。じゃ。お願いします。」
「かしこまりました。」

その時、車が、大きな門の中に入って
言った。

「え?ここって。」
「こちらのホテルのティールームに
お連れするようにと。」
「わかりました。」

ティールームに入って、
個室に案内されると、
そこには、素敵なスーツを着た、
椿が居た。

「つくしちゃん。」
「椿さん。」

挨拶ハグをして、あたしは、
椿さんの隣に座った。

「突然、迎えをいかせて、ゴメンナサイね。
今日、なんとか時間が取れたものですから。」

あたしは、前に置かれたカップに
一度目をやって、椿さんに微笑む。

「寒かったでしょう。ホットチョコレートよ。」
「わぁ。」

あたしは、フーフーとしながら、
ホットチョコレートを飲んでいく。

「そういえば、今回は道明寺は…。」
「司は、母から出された課題がまだ、
終わらなくて、今回は留守番。」
「あらら。」
「今頃、地団駄踏みながら、仕事
してるわよ。」

あたしは、想像がついて、プッと笑った。
椿さんもそれをみて、笑いながら言う。

「つくしちゃん、お茶し終わったら、
ショッピング、お付き合いしてくれる?」
あたしはにっこりとする。
それからあたしたちは、腕を組みながら、
ショッピングを楽しんだ。

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銀木犀。

2013-01-23 17:25:36 | 物語。
天候が安定していなくて、
体がどっちやねん言ってます。
これ以上は、悪くせんように、
気をつけます。



今回は、私にしては長めです。








それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。







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銀木犀~唯一の恋。







最近、あたしのことを追いかけてきて、
言い寄る後輩がいる。
嫌われるようなことを言っても、
自分の都合の良いように捉えて、
いつまでも、追いすがってくる。

仕事の合間を縫って、あたしを呼び出して、
正直、仕事に支障が出てきていて。
あたしは、仕方が無く。
専務に相談した。

「俺が、彼氏のふりしようか?」
「お気遣いありがたいですけど、
リアリティが無いと思うんです。」
「そうかな。」
「はい。困りました。」

どうしようかな…。
類か西門さんかな…。

そして、あたしはまた、追いかけられていた。
あたしは…、打ち合わせの時間が差し迫って
いるからと断っても、追いかけてきて。

「俺、牧野先輩が好きなんです。
だから、お付き合いしたいんです。
考えてみていただけませんか。」
「ですから、何度も言っているように、
好きな人がいますので、困ります。」
「いるなら、どの人か教えて下さい。
納得したら、諦めますから。」
「教えられません。それよりもあたし、
これから、打ち合わせなんです。
正直言って、佐藤君。君のせいで、
仕事に支障が出てきています。
これ以上、つきまとうなら、警察に
相談します。」

そう言って、あたしはこれ以上は、
プライベートだから言わないと、
口を噤んだ。

「もう、失礼します。
仕事が始まりますので。」

あたしは、さっさとバックを持って
あるきだした。

「牧野先輩。お昼一緒に食べましょう。」
「無理です。お昼もランチミーティングが
入っていて、迎えがきておりますので。」
「え?」

「牧野。」
「失礼します。」
「あ…。」

車の中には、この後輩が知らないであろう…、
類が乗っていた。
あたしが車に近づくと、類が出てきて、
あたしにふわりと笑う。

天使の微笑みだ。

「類。」
「牧野、遅いよ。あれが例の?」
「うん…。」
「まあいいや。行こう。出先からのあきらが、
先についてるかも。」
「そうなの?」
「うん。」

類は、見せつけるように、あたしを引き寄せて、
髪にキスをした。

「な。」
「牧野。かわいい。」

驚く後輩をそこに残し、車に乗り込んだ。


*******


行き先は、美作邸。

「あれ?」
「変更だって。」
「ええ?」
「ついでに、多分牧野がさっきの奴に
捕まってるから、拾って来てって。
何にも出来ない自分が歯痒いみたいだよ?」

いつになくよく話す類。

「ていうか、あたしとは話してるっけ。」
「牧野と話すのは苦じゃないの。
いい加減分かってよね。」
「へ?」
「何でもない。」

「あきらを頼ってもいいんじゃない?」
まあ、どいつでも?喜んで引き受けると思うけど。」
「何それ?」
「あきらに頼むのが一番、温和に終わると思うよ?」
「うん。考えてみる。」

ま。キレなければだけどね…。

******


それから3日後。
あたしは、あきらも、国内出張から戻ってきた
あきらの専務室前に居た。

コンコン。牧野です。

「はい。どうぞ。」
「失礼します。」

ドアの中に入ると、そこには、おじさまも居た。
つくしの顔を見て、二人のまゆが少し動く。

「あの…、ご相談があります。」
「あいつか?」
「はい。つきまといがひどくて。仕事に支障が
出てきてしまって。」

何やら、二人で話して、こちらを真剣な顔で向く。

社長から専務へ何か小さな箱が渡される。
それを、専務は、ポケットに入れた。

「じゃ。あとは、あきらに任せたから。
二人で、今夜にでも邸に来なさい。」
「わかりました。」

あたしは、わけも分からず、??マーク
いっぱいに、二人を交互に見て言う。

「あの。お二方。何か企んでませんか?。」

二人は、よく分かったねというように、ニッコリ。

「ねえ。牧野。牧野に選択して欲しいんだけど。」
「?」
「俺とそいつ。どっちがいい?」
「なに、突然。」

その時、社長は、隣の社長室へ入っていった。

「単刀直入に言う。牧野、そいつと俺、どっちが好き?」

あたしは、顔がポンと赤くなりつつ答える。

「そ、それはもちろん、美作さんですけど。」
「そうか。じゃ、問題ないな。俺も一途に牧野のこと
好きだし。」
「美作さん?」

「ホントは、会社でなんてしたくないんだけど。
色々あるからな。また仕切りなおすから、簡便な。」
「??」

美作さんが、向かいのソファから移動してきて、
あたしの前に膝をつく。

「牧野。」
「な、何?」
「僕と結婚を前提に付き合って下さい。」

あたしは、びっくりして固まること10秒。

「えっと。」
「牧野じゃなきゃ、ダメなんだ。
準備は整ったし。」
「え?」
「二人のことは、会社から承認も得てる。」
「二人のこと?」
「もちろん、牧野と俺のこと。タイミングを図ってた。」
「・・・。」
「牧野、返事は?」

あたしは、やっと微笑んで。

「宜しくお願いします。」

やっと、美作さんの表情が緩む。

「ああ。緊張した。」
「美作さんでも?」
「俺でもするよ。特に、牧野のことではね?」

そう言いながら、さっきの小箱を取り出して、
美作さんは、中から指輪を出す。

「あの?」
「これはね。美作家で伝わる指輪。
親父が今朝、お袋からあずかって、見ての通り、
さっき、もらったばかり。」

そう言いながら、あたしの左手をとったあきらは、
薬指に指輪を通した。
そこには、大きな一粒のダイヤがあって、
存在感を示していた。

「キレイ。」
「良かった。サイズもピッタリだな。」

あたしはそして、ギュッと抱きしめられて。
ホッとするんだ。

「いけない。席に戻らないと。」
「気づいたな。w」

「今日の夜。うちの両親の所に一緒に行ってくれる?」
「もちろん。」
「残業は無しだぞ?」

あたしは、笑いながら立ち上がった。

「その笑顔を忘れないで。
俺は、その笑顔を守るためだったら、
どんな努力も惜しまないから。」
「美作さん。あたしもだよ。」

あたしは、何かあったら、すぐに
呼ぶようにと念を押されて、
専務室を送り出された。。


*******


あたしは、左手の薬指に、婚約指輪をして、
席に戻った。
就業時間中だというのに、その足音は、
すぐにやってきた。

「先輩。」

あたしは、びくりとして、固まる。

「その指輪。なんですか?」

あたしは、深く一度ため息を着いて後ろを向く。

「今、仕事の時間だよ?」
「俺は、指輪のこと聞いているんです。」

あたしは、横に居る、梗子に小さな声で頼んだ。

「ごめん。専務呼んできてくれる?」
「分かった。」

梗子が、静かに席を離れて行った。

「・・・。」
「応えて下さいよ。」

その時、パタンとドアが空いて、後輩の
後ろに、あきらを確認する。
あたしは、あきらと瞳を合わせた。

「斉藤。」

後輩は、ビクンと大きく体をはぜさせた。

「斉藤。牧野。ちょっと専務室へ。」
「「はい。」」

あたしはすぐに、立ち上がって、専務室へ
向かう。。
すぐ後ろに、斉藤もついてきていた。
あたしは、あきらの隣に座るように言われる。

あたしが隣りに座ると、斉藤は顔がひきつった。

「斉藤君。私の好きな人を紹介します。
となりに座っている美作さんです。」
「・・・。」

しばらく唖然として黙っていた彼は、
口を開く。

「嘘だ。」
「この指輪も、美作さんから頂きました。
なので、あなたの気持ちには、こたえられません。」
「こ、このオレを振るなんて。」
「振る?あたしは、あなたに初めから断りを
入れてましたけど?」
「ふざけるな!」
「ふざけてなどいません。言うつもりはなかったのですが、
正直。。。」
「な、なんだよ。」
「正直、斉藤さんのせいで、仕事に支障が出てます。」
「俺のせいにするのかよ。」
「そうでしょう?仕事の途中、休み時間も、20分おきに
話しかけてきて、誰が集中して仕事できますか?」
「・・・。」

「こ、この間の男は!」
「斉藤さんに関係はありません。」

「牧野。誰?」
「この間、拾ってくれた類。」
「ああ。あの時か。」
「うん。」

「・・・。」
「ところで、斉藤は、ロシア語話せるよな?」
「はぁ。まあ。会話程度ですけど。」
「じゃ、こっちかな。斉藤に辞令が出てる。」
「な、なんでしょう。。」

あ。機嫌が悪い?
あきらは、つくしの頭をポンポンとしてから、
話しだした。

「シベリアとモスクワ、どちらかに異動
の話があるんだけど。」
「?!」

斉藤の顔が、引きつる。
「ああ。サウジアラビアもあったな。どれがいい?」
「あの…。左遷ですか?」
「左遷されるようなことしてるの?」
「し、していません。」

良く言うよ。

「で。どこがいい?」
「モスクワで、お願いします。」
「分かった。手続きしとく。1週間で用意して。」
「は。はい。」

あきらが、フッと笑ったのをみた。

怒らせちゃいけない人が、怒ってる?
しかも、モスクワって…。
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ラッパ水仙。

2013-01-20 10:00:00 | 物語。
今年は、少し寒く感じるから、
もう少し先かなあと思いますが、
今回は、ラッパ水仙にしました。
この花の花言葉が好きで。

物語を書くにあたって、ちょっとした
一言があって、ツツツ~ッと、
物語が、思い浮かぶのです。
それが、ラッパ水仙だったのです。





それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。







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ラッパ水仙~持って生まれた素質。








落ち込みもする。
元気になろうともする。
一生懸命生きていれば、
なんとかなるよねってこと。
なんてこと考えながら、
構内をスタスタ歩いていたんだ。

「牧野。」

あたしの名前を呼びながら、
肩に置かれた大きな手は、優しくて。

「どこに行くのかな?」
「えっと。」
「今日は、ダンスの日だよな?」
「へ?そうだったっけ?」
「なんだ。忘れてたんか。」
「・・・。」

あたしは、美作さんの怖いニコニコに
射すくまれて、
そして、いつの間にか隣を歩き出していた。
というか、強制的に?

「はぁああ。」

歩いている間も、周囲からは、
黄色い悲鳴が挙がっていて。
もう。気にしないことにしてるけどね。

そして、あたしの腰には、あたしが
逃げ出さないように、それだけの力が
込められた大きな手が置かれていた。
花壇の側を通ると、ラッパ水仙が、
開き始めていた。

「そんなに、ダンスイヤか?」
「なかなかうまくなれない自分が嫌で。」
「でも、あきらめないで最後までやり通すのが、
牧野の持って生まれた素質だろ?」
「うう。ほめられてるんだよね?」
「もちろん。」
「確かに、諦めるのはいやだけど。なんか、
嫌な予感がするんだけど。」
「そう?」

しばしの沈黙のあと、あきらが話しだす。

「じゃあそうだなぁ。牧野の前に、ご褒美を
ぶら下げようか?」
「へ?」
「今日のステップを覚えたら、
ご褒美をあげるから、何が欲しいか、
何かして欲しいことを考えておいて?」

あたしの横には、有無を言わさない、
微笑みを浮かべた美作さん。
そして、あたしの耳元で、甘く囁く。

「デートが良い?食事?それとも、買い物?」
「あの、美作さん。」
「ん?」
「周囲の目が怖いんですけど。」
「気にしない。気にしない。」
「気になるってば!」

そんな不毛な会話をしているうちに、
あたしは、美作家の車に乗せられてしまった。
はっと気づいた時には、大学は遠く後ろのほうに
なっていて、美作邸向かっていた。

「クスクス。」

あたしが何よと横をみてみると、
あきらが、またかよ~という顔をして、
笑っているあきらがいた。


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