飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

読書メモ(水素プラズマ エネルギー革命)

2008-07-01 06:43:13 | 佐鳥新の教授&社長日記
本書の第2章では現在行われている様々な燃料電池の研究を要約し、最後に「これまで燃料電池時代が無理なくやってくることを紹介した。しかし、しょせん化石燃料を少し効率よく燃やすだけであって、本質的な問題解決になっていないとの指摘があろう。しからば、原子力発電、熱核融合に期待をかけることができるのだろうか。」と結んでいる。私はこの視点はとても正しいと思う。今日のNHKの朝のニュースで「このシステムはメタンガスを燃料にすることにより二酸化炭素発生量を30%減らすことができます(だから地球温暖化防止に役立ちます)」と女性のアナウンサーが話していたが、この方はメタンガスそのものが二酸化炭素の数十倍の地球温暖化を引き起こすことをご存知なのだろうか? つまり、製造プラントそのものに対して機密性の高さと生成ガスの制御性が要求される訳であり、そこを克服できるかどうかが技術革新を進める上での最大のポイントになる筈なのだ。第7章以降で紹介されるブラックライト・プロセスの成否はよくわからなかったが、しかし、このような観点から本書を読むと面白いと思う。
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書 名: 水素プラズマ エネルギー革命
執筆者: 山本 寛
出版社: 工学社


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1.エネルギーはこうして取り出される

2.ここまで進んだ燃料電池

3.馬脚を現した原発の高コスト体質

4.永遠に未来のエネルギー:熱核融合
 ・いつまでたっても実現しない熱核融合
  [Column] アメリカ政府顧問もさじを投げる熱核融合
 ・誰も責任を取らなくてすむ50年計画

5.再生可能エネルギー時代がやってくる
 ・世界のエネルギー消費の50%を再生エネルギーで
 ・無人飛行機ヘリオスが予告する太陽エネルギー時代
 ・新エネルギー法が開いた太陽電池時代
 ・本田が狙う自家製水素エネルギー時代
 ・コスト競争が加速する風力発電
 ・円論の遺産を引き継いだGE ウインド・エナジー
 ・燃料電池が拓く再生可能エネルギー時代

6.常温核融合騒動の顛末
 ・掟破りの発表が招いた常温核融合への誤解
 ・いろいろある常温核融合・低エネルギー原子転換
 ・ひそかに進む自動車メーカーの常温核融合研究
 ・公式否定後も研究を続けたアメリカ海軍
 ・オークリッジ国立研究所の超音波キャビテーションによる常温核融合
 ・再現性100%の三菱重工業の常温核融合実験
 ・そしてイスラエル企業の参入

7.現代量子力学がたとり着いたオカルトの世界

8.ミルズ博士が再構築する古典量子力学

9.ミルズ博士の仮説で説明できる浜岡原発配管爆発事故

10.ミルズ博士が拓く新エネルギー

11.政府に翻弄される原油価格

12.燃料電池か、ブラックライト・プロセスか?
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