望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

おとぎの谷間

2016-12-30 12:41:12 | 思いダイヤル
野根川源流域 海陽町船津

 山々に隔絶された陸の孤島 おとぎの懐かしさをたたえた船津集落がある
日本昔話の田舎風景 おんぶオバケの村を彷彿させる船津は村人とともにある


「静止画」 

ひとりふたりとトノグチを出入りする人影
時はここに留まりて村人は静止画
セピア色に暮れていく

けわしい渓谷に整然とある岩石は寂しい顔で男を覗く
岩石の上に男は白いベールをまとう美女との恋の夢想 
侘しい男心は固まりて静止画

杉林入り口に柑橘の果実は細々と香り
杉林の鋭い葉先を滑って雪は降り続き水墨静止画の谷間を描いた

すぼまる源流へ上り全てが静止画に写る時を拒み
渓谷の流れは留まることない動画と谷間を流れいく

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