194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/10(木) 23:37:13 ID:vMASDHLB
「キョンデレ」
中学の卒業式から数日が過ぎた。
俺は学業から解放された他のクラスメイト達と連日遊びに出かけている。
だがそこには佐々木はいない。
「キョン、勘違いしているのであれば忠告しておこう。
確かに僕たちは中学の学業は修了した。だがそれはつまり高校の学業の始まりでもあるのだよ。
ということはこの間に中学時代の復習かこれからの予習をするべきだと僕は思うのだが。」
とは佐々木の弁だ。
そんなわけで俺は今に至る。
一緒に勉強しないか、という佐々木の誘いを断った俺を誰が責められようか?
確かに罪悪感はある。が、しかしせっかく勉強の義務を解かれた身であるにもかかわらず
勉強をせねばならんのだ?どちらにせよモチベーションは10分も持たないだろう。
などと理論武装した俺は今日もチャリで友人達が待つ場所へ向かっていたのだが、
俺はここ数日、何故かチャリに違和感を感じていた。故障でもしたのか?
そう思いながらゆっくりチャリを止め、後ろを振り向い・・・
「!」
・・・あぁ、そうか。
197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/10(木) 23:41:46 ID:vMASDHLB
俺の後ろに佐々木がいないんだ。
いつも後ろに乗せていたので、居るのが当たり前だと思っていた。
いつも隣同士で話をしていたからそれが普通だと思っていた。
いつも一緒にいた。だからいつまでもこんな風にしているのだろうと思ってた。
「馬鹿野郎」
そんなわけがなかったんだ。俺と佐々木は来月から通う学校が違う。
そして俺たちが集う中学校と塾にももはや通う理由など微塵もないのだ。
そう、それはつまりそういうことであって、俺はもう佐々木と・・・。
俺はチャリを180度回転させた。
なに、待たせているアイツらだったら俺が行かなくても勝手に行っちまってるさ。
いや、一応断りのメールは入れたが。
そのまま俺は久々に全力でチャリを漕ぎ坂道を駆け上がっていった。
明日は筋肉痛かねこれは。
爆走したおかげで10数分しかかからなかった。
そいつの家に着いて俺はインターホンを押す。数十秒の間を置いてそいつが出てきた。
「やぁキョン、どうしたんだい?君は今日も彼等と」
そんなことはどうでもいい。早く後ろに乗れ。また二人乗りしよう。
「?・・・意味はわからないが、そうさせてもらおうか。くっくっ。
もちろん急に僕を誘った理由は後で話してくれるんだろうね?」
あぁもちろんだとも、親友よ。
終了です。
>>187
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