【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

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佐々木スレ8-117 佐々木×キョン(佐々木視点ss)

2007-05-15 | 佐々木視点のss

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/16(水) 16:25:41 ID:iA/DbRfs
幻視した風景を投下

状況は各自想像して欲しい
BGMはサンボマスター「そのぬくもりに用がある」を推奨

キョン… 君はついに橋を渡ってしまったね

ならば私も

視界が、少しぼやけていた。多分少し鼻声になってもいた

頭上でふたりを見下ろしているもう一人の自分は、
この状況を面白そうに眺めているだけだ
私はどうしたらいい?普段なら三十通りでもすらすら出てくる答えが
まるで記憶喪失にかかっているかのように出口を見失っている
彼はわたしを静かに見守っている 火刑場に引き摺り出された隠れキリシタンの
ようにすべてを受け入れる眼差しで 
心臓から吐き出された血液が、熱く体中を駆け巡っているのを感じる

私はどうしたらいい?

その時、私の手は私の意思なしに動いた。私の右手は彼の右手を取っていた

「残念だよ、男女の間に紛れもない友情が存在し得ることを、身を以って証明できると
思っていたのだがね。キョン、君が一歩踏み出した以上、もうその僕のささやかな実験も
終わってしまったと同義だね で、僕はどうしたらいい?君の望みを聞かせてもらおうか
僕の出来る範囲で、君の要望に応えることはやぶさかではないが?」

私は彼に今どう見えているんだろう 多分私は今泣いている 私は空虚に続けていた

「男女間の性的な交わりを望んでいるのなら、答えはyesでもありnoでもある。そういう
行為にはそれなりに状況や心の準備を必要とするのでね」

「そんなんじゃない お前のその理屈っぽい話や、堅い鎧越しに話しかけてるような態度や
そんなの全部ひっくるめて その、なんだ 好きなのさ」

私の中の何かが音を立てて氷解していくのを感じた それは、もう何も偽らなくていいと感じた
安堵かもしれないし、自分の弱さを人に晒してしまった不安かもしれない 私は多分ぼろぼろに
泣いていた

ありがとう

そのあと自分が何を言ったか正直憶えていない。多分今まで溜め込んでいた彼への想いの一端を
暴露してしまったのだろう。今まで何度聞いても、彼は知らぬ存ぜぬを貫いている

それから何が変わったといえば、取り立てて変わったことなど無かった。携帯電話の料金プランを
変更したことと、僕という一人称が私に変わったことを除いては