猿山政治論

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F22ラプター導入断念~日米軍事同盟蜜月終わりの始まり~

2009-08-02 03:01:26 | 国際情勢
 8月30日に米下院が次期主力戦闘機(FX)の最有力候補F22ラプターの追加調達費削除を決定したことから生産打切りが確定的となり、政府はF22の輸入を断念しました。

 米空軍は追加配備・生産継続を強く求めていたにも関わらず、追加調達費削除が認められなかった場合には拒否権の発動も辞さないとの強硬姿勢をとり続けたオバマ大統領の主張が認められた形です。

 F22については、軍事技術流出を懸念して、米国議会が対日本を含む輸出禁止措置をとっていたため、日本側からは解除の働きかけを続けて来ましたが、これによってその望みも消えることになりました。

 過去のFX選定において、属国日本がその時代時代の最新・最強戦闘機の導入することは、開発コスト回収及び対共産圏防衛の面から、米国側にむしろ歓迎されてきた歴史があります。今回のF22にしても、量産化が望ましい非常に高価な機体(米国上院では1機250億円の声も)であり、また裾野の広い関連労働者の雇用にも配慮が必要な経済情勢でもありますので、米国にとって資金力がある経済植民地の日本は、絶好の売却先のはずです(輸出先として、日本以外ではイスラエル・サウジアラビアくらいしか考えられません)。

 では、なぜ今回のFX選定において、このように様変わりしたのでしょうか?

 やはり最大の理由は、中国でしょう。それも「配慮した」とか「刺激を与えることを避けた」とかいうレベルではなく、植民地日本を「売り渡した」と捉えるべきです。

 長らく世界を牛耳ってきたユダヤ国際金融資本は、冷戦終結と前後して、その足場を米国から中国に移す準備を進めており、何れ日本を中国に「割譲」する事態も想定されているわけです(横田基地のグアム移転などは、北朝鮮問題が理由であるとの見解もあるが、本質は対中国戦略の一環と見るべき。米国が日本を核の傘から放り出すためのひとつのステップ)が、今回の金融危機をきっかけに、日本を手放す準備に取り掛かったことのひとつの表れということでしょう。

 そう考えると米国が何れ仮想敵国の身内になる日本に最新のステルス技術を売り渋るのも理解できます。

 では、日本はどう動けばよいのでしょう?

 私は、最終着地点としては自主開発を目指すべきだと思います。

 ただ、直近(もうかなりたってますが)に開発された支援戦闘機三菱F2を見ても故障が多いなど技術的成熟度はまだまだ(ステルス機となると「心神」の模型くらい)といわれており、何よりも実戦データの蓄積が決定的に不足しています。

 従って、次期FXでは、海外からの輸入となるのは間違いありませんが、自主開発を次の次の着地点とするのであれば、むしろユーロファイターが望ましいのではないでしょうか(F22はどちらにしろ手に入らないわけですし、米国より代替機として提示されているF35などは量産段階に至らず性能チェックすらままならない状況)?

 電子化の著しい最新機では、プログラムの良し悪しが決定的な性能の差を生みますが、米国製は重要な箇所はブラックボックス化されているため、その部分が故障した場合米国に送って修理してもらう必要があり、戦時運用に耐えるとは思えない状況です(自衛隊は百も承知)が、ユーロファイターは、プログラムソースコードがオープンされますので、自主開発に必要な制御技術の習得にはもって来いの機体です(あとの応用は日本が得意)。

 また、米国より突き放され独立せざるを得ない状況に追い込まれるとすると、ブラックボックス内にどんなトラップが仕掛けられているか判らない米国製戦闘機に頼るのも合理的ではないからです。

$猿山のサキヨミ$
日本の宗主国は米国から中国に変わって行く。 筆:猿山太郎


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