2歳9ヶ月になった息子は、「おともだち」の存在が大の苦手である。
内気な子であればお互いに意識しつつも適度な距離を置いて事無きを得るのだが、
相手が積極的な子であれば、それはもう一大事。
ぱっと迫って来られると、じりじり後ろに身を引きながら必死でパーソナル
スペースを確保しようとするのだけれど、いかんせん相手は逃げれば逃げるほど
追いかけてくるものだから、いよいよ追いつめられた息子はどうするかというと、
歌う。
ある時は「ことりのうた」のラスト「ぴ~ちくりぺ~」。
そして今日は突如、右手を上下にジャカジャカ動かしながら、右足でリズムを刻
んで何やら大声で気持ち良さそうに歌い始めたものだから驚いた。
まるでロックスターが乗り移ったかのような激しさで、顔をしわしわにしかめて
振り絞るように声を発して。
どうやら目の前に迫った恐怖から逃げられないと察した瞬間、息子は意識を飛ば
したようだった。そう、それを人は現実逃避と呼ぶ。
ああ、なんだか胸がずきずきするけれど、身に覚えがある。
音楽に身を委ねている間だけは、厳しい現実から逃れることができたこと。
メロディに合わせて言葉をのせて、自分の声を放った瞬間、まるで魔法のように
世界の景色が変わったこと。そうやって今まで何度も大好きな音楽に救われた。
集団がこわくて、人と密接に関わるのが苦手で、大勢の前で上手く自分を出せな
くて、でもほんとの自分を誰かに分かってほしくて、認めてほしくていつもくす
ぶった想いを胸に秘めていた。
我がバンドThe mushroom monkeyメンバー4人とも、たぶんきっとそう。
出したかったその瞬間に出せなかった悔しさや情けなさややるせなさや、きらきら
光るほんのひと握りの素敵なものやことを曲にして言葉をのせて解き放つその瞬間、
目の前に広がる景色がたしかに違って見えた。
ほんのつかの間かもしれないけれど、それはそれは奇跡的な瞬間だった。
息子よ。
まだまだ2年と9ヶ月。
あせらずじっくりいきましょう。
それでもどうしてもだめならば、大丈夫。
僕らには音楽がある。
すばらしい音楽の神さまの力をほんの少し借りながら、なんとか生き延びていこうぜ。
内気な子であればお互いに意識しつつも適度な距離を置いて事無きを得るのだが、
相手が積極的な子であれば、それはもう一大事。
ぱっと迫って来られると、じりじり後ろに身を引きながら必死でパーソナル
スペースを確保しようとするのだけれど、いかんせん相手は逃げれば逃げるほど
追いかけてくるものだから、いよいよ追いつめられた息子はどうするかというと、
歌う。
ある時は「ことりのうた」のラスト「ぴ~ちくりぺ~」。
そして今日は突如、右手を上下にジャカジャカ動かしながら、右足でリズムを刻
んで何やら大声で気持ち良さそうに歌い始めたものだから驚いた。
まるでロックスターが乗り移ったかのような激しさで、顔をしわしわにしかめて
振り絞るように声を発して。
どうやら目の前に迫った恐怖から逃げられないと察した瞬間、息子は意識を飛ば
したようだった。そう、それを人は現実逃避と呼ぶ。
ああ、なんだか胸がずきずきするけれど、身に覚えがある。
音楽に身を委ねている間だけは、厳しい現実から逃れることができたこと。
メロディに合わせて言葉をのせて、自分の声を放った瞬間、まるで魔法のように
世界の景色が変わったこと。そうやって今まで何度も大好きな音楽に救われた。
集団がこわくて、人と密接に関わるのが苦手で、大勢の前で上手く自分を出せな
くて、でもほんとの自分を誰かに分かってほしくて、認めてほしくていつもくす
ぶった想いを胸に秘めていた。
我がバンドThe mushroom monkeyメンバー4人とも、たぶんきっとそう。
出したかったその瞬間に出せなかった悔しさや情けなさややるせなさや、きらきら
光るほんのひと握りの素敵なものやことを曲にして言葉をのせて解き放つその瞬間、
目の前に広がる景色がたしかに違って見えた。
ほんのつかの間かもしれないけれど、それはそれは奇跡的な瞬間だった。
息子よ。
まだまだ2年と9ヶ月。
あせらずじっくりいきましょう。
それでもどうしてもだめならば、大丈夫。
僕らには音楽がある。
すばらしい音楽の神さまの力をほんの少し借りながら、なんとか生き延びていこうぜ。