髯仙人の気まま歌

 60代の気まま爺の気まま歌。

 こんな へんてこな 爺も おりますぞ

もどり寒

2015-02-09 09:22:47 | 短歌
 湯屋出(い)でて 剃刀創に 風寒し 
他人事でも 悪口耳にし

 まるまりし 剪り竹の秀(ほ)木枯に 
転がりゆきて 児ら嬉々と追ふ

想宙苑便り ④

2015-02-03 20:56:38 | 短歌
< 想宙苑便り> ④ー立春節
 新暦平成二十七年二月四日

(想宙苑は倉敷郊外の高台にある民家の庭です。
四季折々、二十四節気の季節の歌を5首ずつ連載
します)

 頬白に 庭の木の実も 尽きかけて 
「一筆啓上 春立ちに候」

 小雪舞ふ 庭の奥処(おくど)で 
オギャーギャオ 猫の恋歌 春呼ぶ声す

 春立つや 猫が尾を立て まだ寒き 
月照る屋根で 呼ばひ初むかな

 陽だまりの 梅ほころびて 春立ちぬ 
噂話の ひとつも恋し

 春めぐり くる日本の 宙(そら)たかく 
けふも地球を 有人船周る

(付)つくねんと ひとり炬燵に こもる冬 
つぶやくが如き 地震(なゐ)しばしなり

(付)極東の 清人(せいじん)の庭 春立ちぬ 
中近東の 戦火は止まず 

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2015-02-01 01:11:10 | 短歌
林道に ズラリ縦列 軽トラは 入会山に 草刈る爺らの

老いたれば 前を隠すの 恥もなし いやいや滑って 転ばぬやふに

「オヤジアブナイ」 爺が親爺を 入れている この山の湯も いつまで続く

常連の 爺ちゃんひとり 来ずなりぬ 途中山道 軽トラ落とし・・・

八,九十の 爺が気がつき 言ふことにゃ 「あんた遅れとるの」 わが越中褌

湯あがりの 目にさやかなる 春気配 排水溝の みどり広ごる 

歯に衣着せぬ

2015-01-30 05:45:31 | 短歌
 人質も 首相あなたも 死刑者も 
空爆犠牲者 同じきいのち

 思ふても 言ふてはならぬ 人の道 
働けざるもの 食(くら)ふべからず

 至るところ 託老所ある 平成で 
白痴放送 ぼんやり観てる


 イスラムの 人質騒動 固唾飲み 
全豪オープン 観ながら憂ふ

 脛かじる ニートの倅 はや不惑 
年金暮らしの その父は古希

 年金の 捨扶持あてに 希望なく 
迷惑ばかりの 長寿を呪ふ

 今の世の 文盲なりき ITに 
戸惑ふ老いら 卑屈に生きる

 目覚むれば 一夜のうちに しんしんと 
深く積もれり 雪は真白く  

想宙苑便り ③

2015-01-21 16:43:14 | 短歌
< 想宙苑便り> ③ー大寒節
 新暦平成二十七年一月二十日

(想宙苑は倉敷郊外の高台にある民家の庭です。
四季折々、二十四節気の季節の歌を5首ずつ連載
します)

 玉の輿 夢見るやうに 寒中に 
牡丹の花芽 日々に膨らむ

 枯れ茂み おっとどっこい フライング 
連翹ちらほら 寒中を咲く

 過ぎし日の 棘々しこと 思い出づ 
寒の陽射に 柊光る

 いそいそと 馥郁の香を 育てゐむ 
寒の日向の 沈丁の蕾

 寒風に ひゃうひゃう腕を 踊らせて 
ボケた振りして 百日紅立つ