< 想宙苑便り> ④ー立春節
新暦平成二十七年二月四日
(想宙苑は倉敷郊外の高台にある民家の庭です。
四季折々、二十四節気の季節の歌を5首ずつ連載
します)
頬白に 庭の木の実も 尽きかけて
「一筆啓上 春立ちに候」
小雪舞ふ 庭の奥処(おくど)で
オギャーギャオ 猫の恋歌 春呼ぶ声す
春立つや 猫が尾を立て まだ寒き
月照る屋根で 呼ばひ初むかな
陽だまりの 梅ほころびて 春立ちぬ
噂話の ひとつも恋し
春めぐり くる日本の 宙(そら)たかく
けふも地球を 有人船周る
(付)つくねんと ひとり炬燵に こもる冬
つぶやくが如き 地震(なゐ)しばしなり
(付)極東の 清人(せいじん)の庭 春立ちぬ
中近東の 戦火は止まず