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興味深い授業と楽しい授業の授業満足度は異なるのか

2008年06月22日 | セミナー学会研究会見聞録
さてさて前回に引き続き、大学教育学会の発表からの報告です。
興味深い授業と楽しい授業の授業満足度は異なるのか
(南学 三重大学教育学部/高等教育創造開発センター)

本発表は、学生にとっての「面白い授業」とは、「興味深い」授業のことなのか、それとも「楽しい」授業のことなのか、はたまた両者に区別はないのか等々を調査し考察したものです。

私はこういう「疑問形」の発表テーマが割と好きです。その研究(発表)で証明しようと思った点が何かが明確になっており、よい発表である場合が多いからです。更にこの発表テーマは、誰でも聴いてみたいと思いますよね。日本語の「面白い」にはinterestingとfunnyの2つの要素が入っていますから、私は授業以外もで「この場合の面白い」はどっちなんだろうかとしばしば考えてしまうことがあります。

そんな事で会場も満席でした。
研究はテーマ設定が命だと改めて実感しました。

〈調査概要〉

調査は、地方国立大学1年生の後期共通科目(心理学)の受講生83人に対し学期末の授業で無記名のアンケートを行う形で実施されました。

まず、今まで履修した講義科目(演習・実践形式の科目は除く)の中で、最も「興味深かった授業」と「楽しかった授業」の科目名と担当教員名を想起させます。

次にそれぞれの科目について、科目の属性(科目分類、履修年次、クラスサイズ、自分の出席率、単位取得の可否)について質問した後、19の授業評価項目を5段階で回答させたそうです。

なお、「興味深かった授業」と「楽しかった授業」が同一だった場合は、後者の科目属性と授業評価項目の回答は省略させたそうです。

〈調査結果〉
まず、「興味深かった授業」と「楽しかった授業」で同じ科目を挙げた人が36名(44.4%)いたそうです。また科目の属性で比較した場合、「興味深い」科目では現在履修中の科目が多くなる傾向があり、「楽しい」科目では単位が取得できた科目が多かったそうです。

また、授業評価のデータからは

(1)「興味深かった授業」より「楽しかった授業」の方が、「授業内容」の因子と「授業内でのコミュニケーショ」の因子に対する評価が高い傾向が見られた。

(2)「興味深かった授業」と「楽しかった授業」を同じ科目とした学生の場合、「教員の配慮」という因子を高く評価する傾向があった。

(3)「興味深かった授業」と「楽しかった授業」を異なる科目とした学生の場合、「楽しかった授業」の評価が各因子で高くなる傾向があったとのことです。

〈考察〉
「興味深い授業」が現在履修中の科目が多かったのは、今回は1年生のみのアンケートだったため、やっと後期になって学問の興味深さに目覚めたためかもしれないと考察されていました。また、「教員の配慮」という因子を高く評価する傾向から、教員が適切なスキルを持ち授業を行えば、受講生に知的刺激を与え、そこに没頭する意欲を駆り立てることができると解釈できるのではないかと南先生はおっしゃっていました。

〈コメント〉
質問の中で「面白い授業」と「役立つ授業」の違いについて言及されていた方がいました。企業内教育では「仕事に役立つ」かどうかが大前提なので、大学での授業の「面白さ」に「役立つ」という要素がどれだけ影響しているのかは、確かに気になります。

しかし、「面白いこと」や「自分の興味関心のある事」を勉強することが奨励される期間なんて、生涯を通じて大学4年間ぐらいしかありません。あまり役立つとか、○○ができるようになるといった事で縛らなくてもよいのではと考えたりもします。

みなさんにとっての「面白い授業」とは、「興味深い」「楽しい」「役に立つ」のどれでしょうか。

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