NPO法人さなぎ達ブログ

横浜市寿地区や近隣地域を中心に社会的生きづらさを抱えている人々を対象としながら活動を行っているNPO法人です。

パワーチャージ

2011年04月05日 | 日記
山中先生(さなぎ達の理事長兼ポーラのクリニックの院長)のエッセイをお届けします。




胸 腹 股 脛 指。

むくみが全身を襲っている。
肺胞のむくみは血中酸素飽和度を下げ、皮膚へのむくみはその輝きも色も張りも奪う。
酸素吸入のチューブは残された自由を奪い、わずかな吸気量後に漏れ出る呼気の言葉は短く、もともと寡黙な男の口数は少ない。

「夏服も冬服も処分したから…。もう着ることもないから…。」

三畳ひと間に置かれた介護ベッドの端には酸素器械。
かろうじて作られた訪問診療医とナース一人分の立ち場所。
凛としてベッドに端座する男は
「大丈夫です。」
「痛くないです。」
「そこそこです。」しか発しない。
そうではないはずなのに。

往診時聞いてみた。
「花見に行きます?」
答えは、「そうですね。」

川崎さん!
出番だよ。
酸素付けて車椅子で頼むよ。

人数はどうしよう?
糖尿だけど
やっぱりだんごかな?




4月に入り、気候もようやく春らしくなってきました。
桜も、先週末から一気に咲き始め、徐々に街の色がピンク色に変わっていくのを感じます。

皆様も、楽しいお花見をして、春を満喫して下さい

桜前線は、南から北へと上っていきます。
東北にも、早く暖かい春が訪れますように




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