ひょうごの在来種保存会

会員さんも800名を越えました。活動報告を発信します。

220116「京都の伝統野菜に学ぶ」④木下穂支子さん

2010年03月27日 | 保存会研修会
3 「京都の安全な野菜を届ける、食べる」 健康料理研究家 使い捨て時代を考える会 木下穂支子
                                   
・学校給食センターで栄養指導を行っている(管理栄養士)。正しい食事の取り方が大切であり、食べ方を学ぶ必要がある。我々は2000年、米を食べて生きてきた。食べ物に気を付けて体を健康に保ち、ピンピンコロリでいきたい。

・医食同源
 日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで病気予防しましょう。
 「身土不二」といったその土地で育った旬のものをいただくことは生命力のあるものをいただくこと。栄養価も高く味も良い。旬の素材を、春は苦み、夏は酸味、秋は辛み、冬は油ものをいただくことを心がけて一年を過ごすことが大切です。

・一物全体食
 食物は皮は剥かず、頭から尻尾まで丸ごと食べる。生命力をもった食べ物(芽の出るもの)は命を食べることである。できるだけ、玄米食のようにそのままに近い食べ方を、また、腐るものを腐る前に食べること(添加物)が大切です。 
「噛むこと」年をとると唾液が減る 健全は歯づくり
       野菜を食べる歯 8本、米を食べる歯 20本、肉を食べる歯 4本

・マゴワヤサシイ
 献立の基本・・・まめ、ごま、海草、野菜、魚、椎茸、芋
ま(豆類 豆腐や納豆でたんぱく質を。)ご(ごま ナッツなどでビタミンEなど良質な油を)わ(わかめ 海藻類でミネラルを)や(やさい たっぷり野菜を)さ(さかな 魚類も大切)し(椎茸 きのこ類にはビタミンDが豊富)い(いも 腸内環境を整える食物繊維が豊富)


220116「京都の伝統野菜に学ぶ」③岡田仁さん

2010年03月25日 | 保存会研修会


続いて

2 「京都の安全な野菜を届ける、食べる」 ㈱安全農産供給センター 岡田仁

・「使い捨て時代を考える会」
 7年前、使い捨てに象徴されるこの時代を問い直そうと、槌田劭(つちだたかし)さんが始めた古新聞の回収運動からこの活動は始まった。以来、食と農、健康、環境問題など、さまざまな活動に取り組んでいる。

・活動
 産者と消費者はともによろこび合える関係を築いていきたいと、「畑に合わせて食卓を」を呼び声に、共同購入や農場経営により、現在約1,500人の消費者会員にボックスで野菜を販売している。昨年、余った農産物の活用や会員相互の交流、更には農業後継者の育成を目的に加工場(手作り味噌)を建設した。現在、トマトピューレ、漬け物、味噌作りに手がけ、特に味噌は1.5tの大豆を仕込み、味噌4tつくって組合員に配っている。

・「縁故米運動」
 お米をつくる後継者がいない。このため、お米の生産者が維持できるよう、生産者からおコメをキロ500円で買い上げ、消費者に700円で流通させている。年間60tの取扱があり、買い支える消費者を増やそうと考えている。今、600万円の基金が集まったので、これを元にお米の後継者を増やす取組を行いたい。
「いつまでもあると思うな親とコメ」
JAS有機にしても安全をお金で買う人を助長している。安全はお金で買える。制度やルールで安全は買えるが、信頼は買えない。生産者と消費者とのつながりを大切にしていきたい。

 詳しくはホームページをご覧ください
http://www.tukaisutejidai.com/


220116「京都の伝統野菜に学ぶ」②石割照久さん

2010年03月22日 | 保存会研修会
 
 
 さて講演は今回も、「生産」「流通」「消費」分野からの3人でお願いしています。

 まずは京野菜の生産者、石割さんです。

1 「京都の伝統野菜、その新しい展開」元京都伝統野菜研究会会長 石割照久

 我が家では、チョンマゲの頃から九条水菜や壬生菜とか、米と野菜を作り続けてきた。

 日本では、弘法大師の頃から、中央アジアとかいろんな方面から入ってきた野菜を昔の人が各地で品種改良をしてきた。当時、京都は国の中心であったことから、献上品のような形で全国からいいものが集まってきていた。これらのものから優れたものが残ってきて、これが京野菜である。中には京に来てから姿かたちが変わってきたものもある。例えば、愛知の尾張大根は砲弾型であるが、京都に入ってきて丸くなり、聖護院大根になったものと思われる。

 九条ネギは昔は家毎に姿形が違った。それぞれ家や利用者のニーズであったと思われるが地域により様々な系統があった。今では浅黄と黒の2系統がメインとなって作られているが、自分のものと友人の似ているものを一緒に植えて弱くなるのを防いでいる。

 京都の伝統野菜は37品目あるが、残っているのは34品目。
 「郡(こおり)ダイコン」「東寺かぶ」「聖護院キュウリ」の3つが絶滅した。
 自分のところで採った種は、自分の性格に合っているものとなって作りやすい。

 今、我が家は妻と二人で京野菜を生産し、プロ(料理屋)向けに出荷している。有機栽培であるがJASはとってない。手間を惜しまず作っている。生産量が足りない。

 市内の農家の有志で「新京野菜の会」をつくった。行政や大学と共同で「昔の良いものを残し新しいものをつくろう」と新しい野菜を生産・提案している。
 味の濃いしっかりとした肉質の「京あかね」、ビタミン等の栄養価の高い「京てまり」、茎や葉を食べる葉物野菜の「京唐菜」、その他にも「花かぼちゃ」「京よめな」「京新菜」などいろいろ提案している。

 持続的な農業が必要である。食べる人が納得して食べるものは売れる。食べる人との信頼関係が大切である。また、「あとつぎ」をつくること、次代へ続く種である。