さくまひろしのBlog

小浜市在住 さくまひろしの個人ブログです。

北陸新幹線の延伸ルート[小浜、京都]案

2015-08-31 17:02:13 | 日記

私のブログでも最も検索ワードの多いのが北陸新幹線若狭ルートについてですが、北陸新幹線延伸ルートの行方について、いろんな動きが出てきました。

 先の国土交通省の2016年度の概算要求額が、15年度の当初予算の4倍となる8億4500万円と敦賀−大阪間のルートの選定をする議論をスタートさせるのを受けて大幅増額となったようです。

金沢−敦賀間の2023年春開業は決定されましたが、金沢駅−福井駅間の2020年福井駅先行開業の費用については、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの(PT)の結論が出ていない為、現在のところ予算付けは見送られるようです。

与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム検討委員会(高木毅委員長)の初会合で、まず国の整備計画にある福井県小浜市を通る「小浜ルート」を検証し、他の2案も含めて議論し2年以内に結論を出すと言われました。

 敦賀−大阪間の整備に関しては、1.1973年に閣議決定している福井県小浜市、京都府亀岡市付近を通る「若狭ルート」、2.滋賀県・東海道新幹線米原駅に接続する「米原ルート」、3.琵琶湖西岸を通り京都駅に接続する「湖西ルート」の3案がこれまでは議論されてきました。

これまでに発表された関西広域連合の試算によりますと、小浜ルートは、、他の2ルートと比べて新設する線路の距離が長く、概算建設費が約9500億円と最も高いが、その一方で敦賀−新大阪の所要時間は33分と現行より42分短縮され最短です。
湖西ルートは、敦賀駅から琵琶湖西側の湖西線に沿って滋賀県高島市、大津市を通り、京都駅の東側で東海道新幹線に接続し、概算建設費は約7700億円で、所要時間は35分だが、関西などへの経済波及効果は最大とされています。
米原ルートは所要時間45分かかりますが、概算建設費は5100億円と一番安価です。 

ここに来て、JR西日本が鉄道会社として観光需要の取り組みや経済効果などで有利とした小浜市付近から南下し京都駅に接続し、京都−大阪間を「大深度地下」を利用した構想を第4案として、今後政府や自治体に提案して行くと発表しました。「米原ルート」では米原−京都−大阪間はJR東海の新幹線鉄道を借りなければならず、JR西日本にとっては減収になります。「湖西ルート」では比良山系から琵琶湖へ吹き降ろす「比叡おろし」による高架・高速鉄道への難点、実際に現在の高架のJR湖西線が強風での運転休止は頻繁で進めにくいとのことです。「若狭ルート」は敦賀−大阪間123km、総工費約9500億円とされていて、3ルートの中では距離、時間短縮の効果は一番あるのですが、総工費捻出が大きな課題となります。

第4の案でいけば敦賀−京都間は距離で約80〜90km、比良山系の西側を通る「鯖街道ルート」で強風対策を克服しています。

また、将来リニア新幹線・名古屋−大阪間のルートで「京都駅ルート」か「奈良駅ルート」かが争点になっていますが、北陸新幹線の脇ルートとして京都駅より南下して奈良方面へ延伸して、リニア新幹線駅との接続、更に奈良から西の大阪方面へ延伸して関西国際空港へ直結させることも視野に入ってくるとことです。

このJR西日本の発想は、世界観光都市「京都」と新たに「奈良」を加え、古来よりアジア大陸から「小浜」そして京へと文化が伝わった鯖街道が新幹線でつながれば、まさに日本文化のシルクロードを発信する世界有数の巨大観光エリア創りになるのではと大いに夢が広がります。

 

地図を見ると奈良市を中心とする平城京文化、京都市を中心とする平安京文化、そして『海のシルクロード』の北の玄関口「若狭小浜」は一直線で結ばれています。

 平城京、平安京が栄えた時代、大陸文化を伝える日本海側では最も近距離のルートであった「若狭小浜」には130余りの寺社仏閣や国宝級の重要文化財が多く残っています。

 若狭小浜では「京は遠おても十三里」と言われるように小浜−京都間は約70km「鯖街道」があり、奈良市と小浜市は三月の小浜・神宮寺の「お水送り」と奈良・東大寺二月堂若狭井での「お水取り」行事の縁で姉妹都市でもあります。

 「過去に学ぶより歴史に学べ」といわれますが、 北陸新幹線の延伸ルート「小浜・京都」案は大きな期待が広がります。