日本酒の専門店です

私は大学で発酵の勉強をしました。ここでは私達の身の回りを取り囲む、日本酒をはじめとする発酵食品を楽しくご紹介したいと思います。

松茸の土瓶蒸し

2017年09月21日 01時44分22秒 | 発酵食品 日本酒を楽しむ料理

こんなに松茸沢山(大丈夫かな)

大丈夫でした。

9月いっぱいは夜会コースの中で写真の土瓶蒸しを出しています。

夜会コース 八反錦コース料理

ただ今4,580円


初めてご来店のお客様へ

2016年12月19日 02時47分24秒 | どんなお店

これからご紹介します3,500円のコースは常連客の皆様に大好評のコース料理です。


このコースは単品料理の中でもっともご注文が多かった人気料理を組み合わせた事に始まり

今年はさらに充実した年となりました。

一度私達のお店を覗いてみたかった方、是非このコースをご注文ください。
それではご紹介致します。

 

常連さんお薦め
人気料理をコースにした

お楽しみコース3,500円(税別)
1)先付け
2)旬の前菜5点盛り
3)お造り盛り合わせ
4)お取り寄せ豆腐料理
5)季節野菜の天ぷら

 

 

 

※釜めしは別注文となりました。

 


しもみやは皆が知っている魚で勝負

2016年12月16日 18時47分08秒 | どんなお店

12月16日今日から後半に突入しました。

厳しい冷え込みと、今日は風も強くて寒さが一段と応えます。

こんばんは
ひがし中野しもみやです。

私達のお店は東京都にあります。
魚は築地から仕入れています。

築地には全国から、世界から質のいい魚介が集まってきます。

もしお店が地方にあれば、その地方の魚に限定するでしょう。

さぁー困った。

東京都には飲食店も沢山あります。
悩んだ結果、
私達が普段よく知っている魚に限定してご紹介することにしました。

例えば、鯖をひとつとってもそうです。
ピンからキリまで、もちろん値段によって質も違ってきます。

質のいい鯖を、一番美味しい季節に届けたいと考えています。
どうぞお楽しみ下さい。

※写真は鯖です。
※関鯖と同じ海で捕れる豊後鯖です。

熊本大震災義援金報告(10月末現在)

2016年11月24日 18時15分17秒 | 義援金報告

2016年11月

今日は東京も早朝から雨が雪に変わりました。降り続いた雪は都心でもわずかではありましたが、しっかり積もりましたね。

そんな中でも通勤通学厳しかったと思います。今日一日暖かくして下さい。

熊本地震から半年が過ぎました。
まだまだブルーシートの屋根が多く、胸の痛む光景が続いている熊本です。
 
私達の店では震災直後から
利き酒セットや熊本の日本酒、焼酎全てを1,000円で楽しんで頂き
全額寄付する事を続けて参りました。
 
先月末現在やっと50万円を超えました。
現在も続いています。
 
ご報告です。
 
10月31日現在 502,612円となりました。
 
来年直接熊本の酒蔵へ届けたいと考えています。
これからもご協力よろしくお願い申し上げます。
 

今月22日から釜めしは“ごはんの宝石箱" 鮭とイクラに変わります

2016年11月21日 01時06分05秒 | 発酵食品 日本酒を楽しむ料理

久しぶりに書いています。

しばらくの間にこんな風に目の前で炊きあがるのを待つ、小さな釜めしが実は好評です。ひと月に1回では季節の食材を使った釜めしは紹介仕切れないと判断し、一年の24回変わります。

 

しもみやの釜めしはひと月2回

一年で24回色々と楽しめます。

休み明けの22日火曜日から鮭とイクラの釜めし(1,600円)です

 

新米も石巻の太田さんから貴重な亀の尾に続き、ササシグレも入荷しましたので、漢方薬を与えた究極の卵“極”1個=400円を使った卵かけごはんも評判ですよ。

美味しい物を食べて、明日から元気に前向きにいきませんか。


復興(常総市野村醸造)は急ピッチで進んでいます(第三弾)!

2015年11月03日 22時28分31秒 | つぶやき

 下記の内容はお客様に送信した最新内容です。

こんにちは

ひがし中野しもみやのみどりです。

義援金報告163,955円(10月30日現在)

私の作った新聞やこのメールで度々お知らせしてきました

浸水被害にあった常総市の酒蔵・野村醸造さんの最新の状況をお知らせします。

9月10日鬼怒川決壊により

もっとも被害が大きかったのが野村醸造さんでした。

男性の胸の高さまで泥水は入りました。

地元の酒蔵さん達の助けや

大勢の中学生達による泥で汚れた蔵の掃除

そして私の新聞を見て

行動に出たお客様もあります。

私も何とかしなくてはいけないと思い

こうして皆様にカンパの呼びかけや自分自信に出来る事を問いかけてきました。

それは私だけではなく

誰もが考えて自分に出来ることを自問自答したはずです。

大きな力になる事もあります。

もっとも新しい情報です。

蔵は信じられないスピードで麹室が完成したそうです。

※麹室はお酒造りの初期段階で使用するとっても大切名場所です。

※地元で応援に駆けつけていた酒蔵さんからの情報です。

大工さんが全面的に協力してくれたそうです。

杜氏さんも蔵に入っております。

杜氏さんの寝床を作ればOKと・・・・・きっと今頃は完成しているでしょう。

これで昨年に続き

今年もお酒造りができます!!!!!

大きな借金も背負ったはずです。

でも仕事が続けて出来る事は誰も共通して願うところですね。

今度の休みは予定が入っていますが

来週は駆けつけたいと思っています。

現在まで集まった義援金のご報告です。

163,955円(10月30日現在)

ありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

私の作りました新聞をお店のブログにも掲載しています。

読んで頂けると幸いです。

http://blog.goo.ne.jp/sake-shimomiya/e/5abe39d5d25d6453b8ef4f901769816a

三井住友銀行

中野坂上支店

普通 4257654

シモミヤ リュウジ


後悔しないでほしいのです!

2015年10月06日 18時30分51秒 | どんなお店

こんにちは

夏から秋へ季節の移り変わりは実に早いものですね。大型連休も全て終わり貴方は仕事に、生活に追われてていませんか。毎日忙しいと思いますがそれでいいですか?いいわけがありません。一度しかない人生を楽しんでいますか?

さて季節は秋。
美味しい物が色々浮かんできませんか?
浮かんできましたね。楽しみましたか?
実はお酒も今しか呑めないものがあるんです。
1年のうちで今が一番美味しいお酒、それが秋のお酒ひやおろしです。

この事実は酒蔵と専門家のほんの一部の人しかし知りません。まだ味わっていませんか。
ということで私達は貴方を満足させることが出来ます。

残りひと月半です!

秋の日本酒・ひやおろしを堪能する宴

  ●お楽しみコース料理3,500円
  ●炊き込みご飯プラス500円 ※単品のお値段1,200円
  ●秋酒のひやおろし3合4,200円以上

 

           合計8,200円相当が

              おひとり様7,500円(税別)
                                        
               期間限定:9月15~11月15日
                 

         ※有効期限は残りひと月半!
                                                                                 
ご予約ください。私達は貴方に秋を満喫してほしいのです。
              お電話は03-3363-7878下宮迄

 

※秋の日本酒を美味しく呑んで頂くために、手作りの発酵食品がちりばめられていますのでご注意ください!

※ひやおろしは新酒の一部を出荷せず蔵で熟成させ、コクのあるまろやかに味になったところで出荷されます。蔵にとって味がのったこのお酒は今一番呑んでほしい季節酒です!        


台風18号浸水被害酒蔵義援金お願いします(第二弾)

2015年10月01日 18時38分10秒 | つぶやき

下記の内容は9月14日定休日を使って応援に行った内容を主人に代わり書き、お客様にニュースレターとして再度詳細にお知らせした内容です。

普段取りに昼過ぎに起きた私、下宮はテレビを見入っています。何を熱心に見ているのかなとテレビの方を見ると、私の目に飛び込んできたのは土手が決壊し茶色く濁った水が家々を飲み込んでいる風景でした。


9月10日(木曜)
台風十八号は秋雨前線と一緒になり信じられない水量を一度に降らせ、許容範囲を超えた鬼怒川は決壊しました。雨台風とは言われていましたが、想像を超え未曾有の被害へ。時間を追うごとに水の流れは勢いを増し、家々の白い壁は消え屋根だけが映し出されています。「常総市」という地名が繰り返し繰り返しアナウンスされ、下宮がすぐに反応しました。
2011年の震災で栃木県茨城県も大きな被害を受けました。私達は翌年車で約10軒の被災蔵へ皆様からお預かりしていました義援金を直接届けて参りました。実はその中に今回被害を受けた蔵が数件入っていたのです。
その中で野村醸造はもっとも大きな被害を受けた事が後になってわかりました。

下宮が
「一人娘(商品名)も野村さんの所に近いよ!」
両方とも震災の時義援金を届けに行った蔵ではありませんか。私も一緒に行きましたよ。何でこういうことになるんだろう・・・。
次の日から情報は酒屋さんから酒蔵さんから入ってきました。

 

栃木県小山市にある銘酒「鳳凰美田」も水が30センチ入ってきて引渡し2週間の新品の麹室がやられてしまいました。

                                            
たかが30センチと思いますよね。

ここで麹室という表現が出て来ます。日本酒の原料は「米」「米麹」基本このふたつです。米はわかりますね。では米麹って何?米を蒸し上げて麹菌を振りかけてつきっきりで管理し、温度や湿度が上がりすぎないように面倒をみます。温度が上がりすぎたら菌が死んでしまいますから、かき混ぜて温度を下げてあげる。湿度もそのひとつです。
ここで丸二日かけて「米麹」という日本酒にとって大事な原料が麹室で出来上がります。
この新品の麹室が今回浸水した訳です。 日本酒造りの最初の工程で使用する麹室。水が入ってしまいましたので数日時間をかけて乾燥させる必要が出て来た訳です。

 

心配なのはやはり常総市の酒蔵・野村醸造。下宮は14日(月曜)
全ての予定を変更してこの常総市へ向かいました。車は少し混んではいましたがスムーズに常総市内へ入りました。殆どの家々は床下床上浸水した跡が見られ、全家庭で掃除の真っ最中でした。蔵の方へ近づくと浸水の深さはだんだんと深刻になっていくのが家々の壁を見ているとわかりました。蔵に着くと社長と奥様が一階の入り口奥にいました。社長に手伝いに来ましたと告げるとすぐに駆け寄ってきてくれました。
私達は震災以降お付き合いしている関係でした。
微々たる応援かもしれませんが、この蔵では日本酒はもちろん、地元の物を商品化し販売しています。その中で「どんと焼き」というそれはそれは美味しいおかきがあり震災の翌年からお中元にお歳暮に使ってきました。どうせお世話になった人に何かを送ろうと思うのなら自分が食べて美味しいーと思った物を使おう思ったからです。

蔵には他の酒蔵からも応援が来て泥に汚れた機材を外に運び出している所でした。様々な機械が水に浸かり修理しないと前へ進みません。大きな大きなお釜もゴロンと横になっていました。水の力です!

 

蔵はテレビで映し出された所より上流にありました。そこには長い長い年月をかけて自然の堤防が出来ていました。ところがその一部を削りソーラーパネル設置したいと申し出がありました。近所の人達がもしもの事を心配していましたが許可は下りて、一部を削りソーラーパネルは設置されました。
この時の不安は的中する事となりました。水は削り取られた堤防部分から一気に流れ込み、削り取られた幅が狭かった事で勢いを増し、酒蔵の壁に、もろぶつかって壊しました(写真1)。その水は大人の男性の胸のあたりまで来ました(写真2)。家族が無事だったことは幸いしました。
しかし、同じ常総市にあって車で5分の「一人娘」の蔵は浸水10センチで済みました。両方の蔵の土地の高さはそんなに変わらないそうですが、堤防の削られた部分の幅が狭かった事で水は勢いをつけ、運悪く近くにあった野村醸造と少し離れた所にあって水の勢いが弱かった事で幸いしたのが「一人娘」の蔵でした。

蔵人の方もその日、蔵の裏手に止めてあった車が水没し使い物にならなくなったと話してくれたそうです。奥の方にはまだ泥水が残っていましたが、社長いわくまだ水道が使えないので乾燥した泥は風に舞い上がり周辺を汚していくそうです。その為水を残しているんだと説明してくれたそうです。

現在(9月23日)ボランティアはかなり来ているそうですが、住宅の方が優先されて、こうした酒蔵等は後回しになっているのが現実。復興するにも人手が足りないそうです。そして想像を超える所まで泥は入り込んでいて人も時間も足りないのが現実で深刻な状況となっています。
この状態は震災の時も全く同じでした。全壊した酒蔵、半壊した酒蔵がありましたが、知っている大工さんでさえ手伝いたくても住宅復興を優先させられました。蔵の復興はまさに大工さん待ちの状態となったのです。そしてあの時の同じ状況になるのかもしれません。

震災で屋根が瓦が壊れた野村醸造。私達が義援金を届けたあの日、軽い瓦に一部変えて直したんだと指さしをしながら、おばあちゃんが教えてくれました。そしてうちの婿さんは本当に頑張屋さんなんですよ。感謝しています。あの言葉を思い出されました。

 

川のそばにあった蔵とそこから車で5分離れた蔵、ほんの少し離れた位置関係で被害大きく変わり深刻なものになりました。

 

彼らは小さな存在の蔵かもしれません。でも彼らが作ったお酒で私達は人生の節目節目で知らぬうちにお世話になっていたかもしれません。就職が決まった時、仕事がひとつ成功し目標を達成した時、結婚が決まった時、大切な人との再会を喜びあった時、心の距離を縮めてくれたのがそのお酒だったかもしてません。
そのお酒があった事で気持ちがほぐれて穏やかな気持ちになり、会話が弾み、心と心の距離を縮まって今があるのかもしれません。
そう思うとあの時貴方にとってそのお酒がもしなかったら、貴方の今の人生は大きく変わっていたのかもしれませんね。
貴方に人生の素晴らしさを教えてくれたあのお酒かもしれません。
銘柄なんて記憶にこそないかもしれません。お酒は脇役で静かな存在だったりする事の方が多いでしょう。でもなくてなならない存在です。
もし何処かで貴方を支えてくれたあの時のお酒だとしたら、大切な人と酌み交わしたお酒だとしたら?さあー貴方は今回どんな風に行動しますか?
今酒蔵は、貴方の力を必要としています。自分に何が出来るかしっかり考えてほしいと願っています。

私は、見て見ぬふりは出来ません。自分に出来ることを考え、まずはこうして詳細をお伝えしました。次は貴方自身が考えて行動してください。
※28日(月曜)休みを利用して続けて野村醸造を訪問する予定です。野村社長は最後にこう話したそうです。


「下宮さん新聞を書いているのなら、この事を詳細に書いて伝えてほしいのです」と。

              台風18号浸水被害まとめ
栃木県小山市 ・鳳凰美田の酒蔵 浸水30cm麹室被害
茨城県常総市 ・一人娘の蔵 浸水被害10cm
  〃        ・野村醸造  浸水被害120cm被害は深刻
宮城県川崎町 ・伯楽星の酒蔵 精米機が多少水に浸かる

振込先
三井住友銀行
中野坂上支店
普通 4257654
シモミヤ リュウジ


 写真①勢いを増した水が壁を壊す恐ろしさ

写真②水は胸のあたりまで家も蔵も全て

 

 


台風18号浸水被害酒蔵義援金お願いします。

2015年09月20日 00時52分54秒 | つぶやき

下記の内容は9月14日定休日を使って応援に行った内容を主人に代わり書き、お客様に送信した内容です。

ひがし中野しもみやです。

 
台風18号による大雨で鬼怒川が決壊しました。
今月10日・木曜日お昼の事でした。
 
今日で丁度一週間になります。
あの日、いつもの様に1時半過ぎに起きてテレビを観ていました。
 
私達は朝食の時間
時間を応ごとに家々は流されていきます。
 
屋根で助けを求める人
ヘリコプターで助ける人
 
限られた時間の中でペットのワンちゃんをはじめ皆さん救出されました。
 
「常総市」という地名に反応したのは下宮です。
茨城県常総市
 
酒蔵さんがいくつもあります。
2011年の震災で被害を受けました。
翌年皆様からお預かりしました義援金を届けてきた街です。
 
その中で最も被害が大きいのが常総市の酒蔵・野村醸造です。
小さな応援ですがお見舞い金を届けた年からずっとずっと
お中元・お歳暮にここの商品を使ってきました。http://www.tsumugibijin.co.jp/tumugino%20top.html
 
今度は蔵が浸水
今月14日定休日予定を全て変更し下宮は応援に行ってきました。
 
写真は野村社長
泥水は胸の高さまできたそうです。
 
鬼怒川の川沿いには自然に形成された丘がありました。
一部を削りソーラーパネルを設置
限界を超えた水はそこから勢いを付けて流れ込み壁も崩壊するほど・・・・・。
 
 
機械類が全て泥水に使ってしまった写真
一日も早い復興を望んでいますと社長。
 
他の蔵も浸水被害が出ています。
下の写真は銘酒・鳳凰美田の小林酒造(栃木県小山市)
 
 
皆様にお願いがあります。
私達に出来る事は呑んで応援することです。
 
正直
何をするにもお金が必要となってきます。
 
お店にはここ1年4ヶ月の間に震災蔵の為にお預かりした義援金が22万円あります。
誠に勝手な判断ですが、この中からお見舞い金として少し使わせて頂きました。
 
蔵が復興するにはまだまだ足りません。
水道も出ません。
復興が進みません。
 
晴れてくると泥が乾いて風で大変なことになるそうです。
これからです。

様々な自然災害が現実あります。
私達に出来る事を今すぐ行動に移したいと思います。
 
カンパよろしくお願い申し上げます。
 
三井住友銀行
中野坂上支店
普通 4257654
シモミヤ リュウジ
 
※殆どの蔵が2011年震災被害を受けています。
※今回は二蔵を紹介しましたが他に被害を受けた蔵は出ています。

ご協力よろしくお願い申し上げます。
 
長くなりましたが
ありがとうございます。
 
 

予約なしで楽しめるよになった炊き込みごはん誕生秘話

2015年09月17日 19時39分42秒 | しもみや新聞

このお話はお店のニュースレターとして発行されたものです。一般に公開したほうが良いからと勧められましたので、女将が特別にここに書くことにしました。

8月20日は予約なし炊き込みごはんが楽しめるようになった記念すべき日で、私はこの新聞を書いています。
初日はてんてこ舞いでした。
このお釜ごはん、本来は4合炊きの大きなお釜を使って、それも予約しないと食べることが出来ませんでした。石巻で酒米を作る専業農家・太田さんと出会ったのがきっかけになり、私達は色んな話をし、その中で幻の酒米亀の尾が実は元々飯米だった事を教わり驚きました。そのことを知る人は業界の中でも少なく、酒米として定着した亀の尾をまして食べる事が出来る店はないに等しいという話になり決まりました。

 

 生産者太田さんが知っている美味しい食べ方を伝授。それには昔から使われているお釜でした。それと浸水時間の大切さ。前日から水に浸し、しっかり給水する事でした。そういえば昔の母親達は寝る前に水に浸していた事を思いましました。そのうち炊きあがったごはんのお焦げも評判になり、電気釜にない美味しさに感動する声はよく耳にしていました。
しかし、ここ数年ごはんの予約は少なくなって私達の情熱も冷めていました。
それよりもお店の経営が危機的なところまで来て、正直それどころではありませんでした。何がどう悪いのか、考えてもさっぱりわからずふたりで苦しんでいたそんなある日、下宮が普段見ない番組をビデオにとっていました。本人は睡魔に襲われ観ることなく寝室へ。いつもの私ならここでビデオを止めるのですが、この日はひとりで観てしまったのです。
そこにゲストとして見知らぬ男性が出て来て心が奪われました。その人は私達が知っているある企業を一流企業へ短期間で成長させた人でした。
私は番組内容よりもその人に興味を持ち見入っていました。私はためらうことなくその人へ連絡を取りました。するとすぐに返事がきました。そこには的確な指示と自分に正式に依頼するとますますお店の資金繰りは厳しくなるでしょうから東中野方面へ行く際の立ち寄りますといった内容でした。 そしてすぐにご来店。色々話した最後にメニュー表を見てこういったのです。
「後ろ(メニュー)に載っているお釜ごはんは予約じゃないと食べられないんですか?これはもったいないですね。これを予約なしで当日食べられるように何とかなりませんか。これは目玉商品になること間違いなしですよ!」
私達はお客様の事を思って浸水時間にこだわりましたが、その指摘に驚きました。確かに私が客だったとしても、客としてのこだわりと提供する側のこだわりのずれはよくあることです。盲点でした。こだわる部分が違ったのです。


お客様が来ない時間や休日を使って行動開始。

 

まずは昔4合炊きのお釜を買ったかっぱ橋のお店へ行き、これの一合炊きお釜を一個購入しました。そして試し炊き。良い感じです。早速お客様数人に試食してもらいましたが、手応えはありました。
しかし、すぐにお釜に黒い大きなシミが・・・。金属たわしで力一杯擦っても取れません。それを持って購入したお店へ行き、どうしたら取れるのか尋ねてみましたが、結果は鍋のアルミと水に含まれる物質が化学反応を起こし黒いシミは取れないと云われました。さてこれではお客様に失礼にあたり使えません。振り出しに戻ってお釜を捜すところから始まりました。


落胆している訳にはいかないのでネット検索。便利な時代です。見つけたのがフッ素樹脂加工された可愛いお釜でした。これならシミも出来ないし、汚れも落ちやすいとまずは一個購入。届いた箱を開けるとまるで安い香水のような強烈なにおい、それは蓋のにおいでした。臭いのなんの強烈でした。大きな鍋に入れてグツグツ1時間煮てみましたが完全に取れません。でも蓋の内側には溝が掘ってあり沸騰してずれないような工夫がしてあります。残念な事はにおいでした。だいぶにおいも収まって来た頃、再びお客様に試し炊きしてみましたが、蓋を開けた瞬間、暖まる事でかすかににおいがわかりました。新メニュー開始の日にちも迫ってきているし、お釜はこれしかありません。このお釜に決めて数個購入。
しかし、届いた蓋はやはり強烈なにおいがしました。製造元にメールで蓋の交換を依頼。とても快く了解してくれ、すぐに届きました。
しかし、届いた蓋もまたまた強烈なにおいがしました。蓋に使っている木の素材が同じだという返事が返ってきました。先方としては今できる誠意がこれで精一杯だったようで、全て返却して頂いても良いですというメールが来ました。
蓋さえ何とかなれば他は気に入っているので、再度この蓋を持ってカッパ橋のお店へ行きました。
「何の木を使っているかわかりませんが、くさいですね!」
さすが専門店、お釜の蓋だけ単品で売っていました。救われた思いでいた。
お釜はこれで完璧。問題はまだクリア出来ていません。

 

そうです浸水時間
当日対応のためには浸水時間をどうするか、まだ問題は解決していませんでした。
それは大きな問題でした。幾ら良いお米でも給水させずに炊くと全く美味しくありません。コース料理なら前日から水に浸しておくことが可能ですが、当日対応のためにはここが問題でした。太田さんにも、そして他の方にもご意見を伺ってみました。するとにわか炊きという方法があることを教わりました。
※にわか炊きとは当日浸水して作る方法。
この方法だと当日炊きたてのごはんが食べたいという注文に対応が可能となったのです。早速この方法でまたまた数人の方に食べて頂きましたが何の問題もありませんでした。

浸水はぬるま湯に浸して15分、お釜に移し準備してカウンターで待つお客様の所へ運び、それを眺めながらお酒を楽しむというスタイルで決まりました。


しかし、問題はまだ残っていました。それはお焦げが出来ないことでした。
固形燃料を使ってご飯を炊くのですが、お焦げが出来ず綺麗に炊きあがってしまう事でした。私達のお店に来る方はお釜で炊く時に出来るお焦げを楽しみにしています。燃料も種類があり一番長い時間の燃料を使ってみましたがお焦げは出来ません。そこで最初に燃料が消えたところでカットした固形燃料を追加してみました。お焦げは見事に出来ました。追い炊きという方法です。本来お店ではガスを使ってご飯を炊きます。弱火にしたり、最後に一気に強火にしたりして、火の調節をすることでお焦げを作ります。
固形燃料はいくら時間が長くなっても、最後はろうそくの火のように弱くになってしまうことに気づき、その為お焦げは出来ないという事がわかったのです。
最初の燃料が消えたところでカットした燃料を追加して再び火を付けてお焦げを作る。
期待通りのお焦げが見事に出来ました。

この方法は白いご飯の時に採用する方法です。炊き込みご飯はお出汁や醤油が入る事でこの調味料が良い具合に焦げてお焦げが出来ます。こちらは追い炊きの必要なく炊きあがります。

浸水から蒸らしまで炊きあがるのに約1時間みてください。
炊きたてのごはんが貴方を待っています。
「白いごはんを卵かけごはんで楽しみたい」
「季節の炊き込みご飯があるといいよね。今日はどんなごはんかなって楽しみ」
「白いごはんにお味噌汁が付いてくるといいね」
「漬け物以外に旬の物がちょっと付くといいよね」
リクエストを色々頂きました。可能な限りお応えして参りたいと思います。


最後にメニュー完成に御協力頂きました皆様、本当にありがとうございました。
ここにお礼を申し上げます。

最後まで読んで頂きました事感謝申し上げます。