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彼の代表作は一般的には「Harvest」ということになっているが、それは唯一にして最大のヒット曲「Heart Of Gold」が収録されているためであって、特に傑出したアルバムとは僕には思えない。寧ろ、アコースティック系であれば、このアルバムが最高傑作と思う。
1. Goin' Back
2. Comes a Time
3. Look Out for My Love
4. Lotta Love
5. Peace of Mind
6. Human Highway
7. Already One
8. Field of Opportunity
9. Motorcycle Mama
10. Four Strong Winds
1曲目の「Goin' Back」で静かに幕を開ける。漂泊の気分が横溢したこの曲が僕はいちばん好き。このアルバムでは歌詞もひたすら内省的で、曲も端整且つ静謐さを感じさせるサウンドが基調となっている。この「Goin' Back」の他にも「Peace of Mind」「Already One」あたりに特にそれを強く感じる。
「Look Out for My Love」はリンダ・ロンシュタットも取り上げた曲。「Lotta Love」は故ニコレッタ・ラーソンが華々しくデビューを飾った曲だが、ニールのバージョンはとてもシンプル。そのニコレッタ・ラーソンはバッキングボーカルとして全面的に参加しており、「Motorcycle Mama」ではかなり表に出てニールとボーカルの掛け合いを演じているが、それ以外ではグラム・パーソンズとエミルー・ハリスのように二人寄り添うようなコーラスを聴かせる。
アルバム最後を飾る「Four Strong Winds(風は激しく)」は彼にしては珍しいカバー曲。オリジナルはイアンとシルビア。明るくて爽やかな曲だが、ちょっと寂寥感があり、このアルバムを締め括るには恰好の曲。
このアルバムでニール・ヤングはひとつのけじめをつけたのか、この直後にHey Hey My My(Rust Never Sleeps)の過激路線に入って行き、その後の数年間は振幅の激しいアルバムを次々と繰り出すことになる。嵐の前の静けさ、だったのか。
涼しい風が吹き渡る初秋の高原で、一面のコスモス畑なんかに佇んでこのアルバムを聴いたら、きっと涙がポロリとこぼれちゃうだろな。そんなイメージのアルバム。
(かみ)
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