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還暦おやじの洋楽日記

探偵物語 / 薬師丸ひろ子

今50代の音楽好きだったおやじ達が過去に必ずやったに違いないことは、自分の好きな曲を集めて編集し自分だけのオリジナルカセットテープを作ること。かく言う自分もそのクチで、アーティストごとのベストアルバム作りでは飽き足らず、季節ごとに聴きたくなる曲を洋楽・邦楽取り混ぜてのカセット作りに勤しんだ。最初は春夏秋冬ぐらいの区分けだったが、そのうち「これは春でも初春のほうだよな」とかどんどん細分化していった。「全体の曲調の統一感を守ること」「曲順は考え抜かれたものであること」「1本のカセットに同じアーティストの曲は入れない」「しかも片面30分づつのカセットでピッタリに終わること」を自らに課し、時には貸しレコード屋でレコード借りて20代半ば頃まで一生懸命やっていたのだが、そのうち仕事が忙しくなり面倒臭くなって全シーズン完成には至らず仕舞い。今頃の季節用のカセットの主題は「湿り気のあるマイナー調だが、その中に明るさを持った曲」で、ネッド・ドヒニーの「Sing To Me」、イーグルスの「Most Of Us Are Sad」、ブレッドの「Games Of Magic」、ルパート・ホームズの「Answering machine」なんぞを収録していた。

前置きが長くなったが、この曲もその中の一曲。いかにも大瀧詠一の曲である。作詞は松本隆で、絵画的な詞が描くのは多分どんよりとした梅雨雲に覆われた海辺の情景。でも明るさもあり、透明感のある薬師丸ひろ子の歌声も相俟って、ちょっと不思議な魅力を醸し出していた。

まだ早い夏の陽が
あとずさるわ
透明な水の底
硝子の破片(かけら)が光る
だから気をつけてね
好きよ……でもね……
たぶん……きっと……

曲のタイトルについては、映画の主題歌だからこうなっちゃったけど、中身と全然関係ないからあんまりだよね。と長年思っていたらレココレの大瀧詠一追悼特集によれば、当初のタイトルは「海のスケッチ」だったそうな。尚、大瀧詠一ご本人はこの曲を「雨のウェンズディ」の続編と位置づけていたとか。そう言えば前述のカセットには「雨のウェンズディ」も入れていたな。

(かみ)
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