そよかぜから-映画

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ゆれる

2006年09月09日 | 人間/社会派ドラマ

2006年 日本 119分
2006.9.9 シネツイン1
■監督 西川美和
■出演 オダギリジョー(早川 猛)  香川照之(早川 稔)  伊武雅刀(早川 勇)  新井浩文(岡島洋平)  真木よう子(川端智恵子) 蟹江敬三(早川 修) 

《story》

「あの橋を渡るまでは、兄弟でした」

東京で写真家として成功した猛は、母の一周忌で久しぶりに故郷に帰る。故郷では、兄の稔ると父親がガソリンスタンドを経営していた。そしてそこにはかつて猛が付き合っていた智恵子がパートとして働いていた。智恵子と稔は仲良く働いていて、嫉妬した猛は、智恵子を送ることを口実に、智恵子の家で関係を持ってしまう。その次の日、三人で子どもの頃に行った渓谷に出かける。智恵子は稔によそよそしく、吊り橋を渡るときに、智恵子は稔が触れたときに邪険にしてしまう。驚いた稔は反射的に智恵子を押してしまうのだが・・・・・その様子を離れた場所から猛は見ていた。
智恵子は吊り橋から落ちて、川に流されてしまう。事故か殺人か。逮捕された稔。裁判の中で、証言台に立つ猛。

◎兄の気持ちがよくわかる。何もかも押しつけられ、不器用に生きている兄。本音を語ることができず、自分の中に押し込んで、周りの人のことを考えながら生きている。結婚もできずに。弟が帰らなければ、智恵子に近づかなければ、何か変わっただろうか。智恵子と兄との関係はうまくいっただろうか。
子どもの頃にあの渓谷に行ったこと、弟は忘れていた。8mmを見て、確かにそれが本当だったことがわかったとき、兄の心の中にある真実を見たのかもしれない。弟は、今までいい顔をしながら、だれも信じていなかった。
証言台に立った弟、なぜあんな証言をしたのか。そう本当に思ったのか。最後の映像が真実だとしたら、兄はなぜ何も言わずに刑務所に入ってしまったのか。
出所した兄はどこに行こうとしていたのか。泣きながら叫ぶ弟を見たときに、笑顔で手を振った兄は、弟をどう見ているのか。
橋を渡るまでは兄弟だった・・・・いや、もしかしたら、今、この瞬間に兄弟になれたのかもしれない。兄が、今までのように何もかも受け入れていくなら。私もそうなれるだろうか。この兄はそれでも優しく生きてきたから、一生懸命に家を支えてきたから・・たとえ事故でも、殺してしまったことを自分の責任と思い、償おうとしてきたから。

公式サイト「ゆれる」


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