そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

1リットルの涙

2007年10月08日 | 人間/社会派ドラマ

2004年 日本 98分
■2007.10.7 DVD
■監督 岡村力
■出演 
   大西麻恵(木藤亜也)  かとうかずこ(木藤潮香)
   鳥居かほり(山本紘子)
   芦川よしみ(寮母のさと)
   松金よね子(パン屋のハル)  
   浜田光夫(木藤瑞生)
   森山周一郎(リハビリ室の患者)
   速水亮(入院患者)  村川敦子 松本五月

 《story》

「耐えておくれ、私の涙腺よ――
  悔しかったらやればいいじゃん。負けとったら、いかんじゃん。」

 これは実話を元にした映画である。
14歳で脊髄小脳変性症という不治の病に冒された木藤亜也。少しずつ筋肉が低下していずれすべての体の機能が働かなくなり死んでしまう。亜也は希望の東高に合格するが、足が思うように動かなくなり、転ぶことも増える。友人の力を借りて教室移動したり、時間に遅れることもあって、みんなにすまないと思っていた。ある日、転んでバスに間に合わなかった。近くの駄菓子屋のおばさんが、母親が仕事を終えて迎えに来るまで店に居てもいいと言ってくれた。しかし、学校での生活も思うようにいかず、学校側からは、これ以上他の生徒に迷惑をかけられないと訴えがあった。悲しみの中、亜也は養護学級に転校する。全寮制で自分の力で何事もするように、先生は厳しくあたる。文化祭で自分たちでやり遂げた満足感を体験する。卒業後、家にいることが多くなる。ますます体は動かなくなり、入院する。

 すっきりした仕上がり
テレビドラマを見たから、この映画があまりにすっきりし過ぎているような気がした。涙がいっぱいあふれ出たテレビドラマとちがい、淡々と彼女が病魔に冒されていく姿が・・・。「どうして病気は私を選んだの」という台詞が頭に焼き付き、そんな思いで見てきた。しかし、この台詞もなかった。もし、映画を先に見ていたらもっとちがっていたかもしれない。きっと実際の亜也さんは、もっと苦しんだだろうし、涙を流し、弱音を吐いただろうし、そんなにきれいに強く生きてきたわけじゃない。本を出し、自分が人の役に立つことをいつも考えていた。そこに生きる力を求めていた。多分映画ではそれを全面に出すのではなく、さりげなく精一杯生きている姿を出そうと思ったのだと思う。ラストも想像の中で生きていく亜也さんの姿をいつまでも残像として残そうとしていたような気がする。
テレビドラマがあまりに強烈過ぎた。家族の触れ合い、彼の存在、ひとつひとつがあまりに印象強く残されてしまった故に、映画は物足りなさを感じてしまった。


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