2005年9月19日@小倉リーガロイヤルホテル
今回は、「朝まで生テレビ」でおなじみの同志社大学法学部教授、村田晃嗣先生の講演会に行ってきました。もう1週間前のことでややおぼろげ気味ですが、以下に僕がとりわけ関心に残った点をまとめようかと。
この講演会のきっかけは、サークルの友達が「がんばろう日本!国民協議会」という団体(僕は民主党の支援団体と捉えてますが…)で、村田先生の講演会が九州で開かれるということを教えてくれたことにあります。やはり、真剣に日本の将来を考えている人は、アンテナが広いなと改めて思ったね。
さて、村田先生の講演、題目は「日米関係と中国・朝鮮半島」というものでした。しかし、その内容は題目とはおおよそ逸れ、まずは日本の政治について話してくれました。これは僕のもうれしい誤算で、国内政治に疎い僕にとっては逆にいい機会になりましたね。
氏曰く、アメリカのカトリーナだけでなく、日本にもタイフーンがやってきたということです。すなわち、先の衆院選の結果、自民党が大勝し、一方で民主党が半壊したと。この点につき、氏はこれまでとどのように変わっていくかにつき展望されました。
一、自民党が採用した公募制という方法によって、これまでの自民党構成とはまったく背景の異なる人々が多く自民党員になったという点。それはつまり、政治に疎い人々が多く入り、自民党政治の素人化が生じる可能性がある。
この点、先の報道でも話題になった、26歳の衆議院議員、杉村太蔵氏の例を見れば微妙に納得してしまうところです(ちなみに氏のブログはhttp://sugimurataizo.net/)。一方で、既存の勢力も数多く残る中で、そう簡単に素人化という現象は生じないとは思うのですが。
二、民主党は、自民党との差異を強調するあまりに、左傾化する可能性がある。民主党は、さまざまな背景を持つ人々の集団であるため、下手すると政権交代が伸びる中で空中分解する可能性があるという。
これについては、何も言えないです。何を言えばいいかわからない…
さて、小泉外交についての氏の評価について書きます。氏は外交赤字という概念を用いて解説していました。外交赤字とは相対的で抽象的な概念だけど、ようは日本にとってマイナスの影響を及ぼしたことですかね。ならば、あまり用語を使う意味もない気がするのだけど。
氏は日米関係については肯定的評価を、それ以外の外交については否定的な評価を与えました。それぞれについての詳細を語る前に氏は小泉首相の外交姿勢についてこう評しています。
「小泉は外交を知らなかった」「外交に無関心でしかなかった」
そして、この傾向は自民党の圧勝により加速するだろうと言います。すなわち、国会の3分の2を占める大与党の元では、国会を通すことの少ない外交問題は後回しにされて、それこそ郵政民営化法案のように国内の重要問題の解決に時間を割き続けるだろうということです。これは後述するように、日本の世界における地位を考えたときには危険なことだろうと。
さて、日米関係について、小泉首相とブッシュ大統領の親密さを見ればその関係が以前よりも強化されているのは明らかです。しかし、この傾向がこのまま続くかというと微妙であると氏は言います。
すなわち、米にとっては、カトリーナ(そしてリタ)に関連する国内政治に手を追われて外部に目を向けることが困難であると、つまりはマネージメントがうまくはいかなくなり、日本への関心も低下するだろうとのことです。
一方で、日本は、米が日本に期待を寄せている多くの分野について、その期待に応えていないといいます(具体的にそれが何なのかについては述べていなかったと思うのだが)。こうした中、BSE問題などが政治問題化し、両国間の懸念事項として存在していることは危険であると言います。BSE問題ついて、米国議会は制裁措置も含めた決議をしているわけですが、こうした動きの中心となっている議員のほとんどはブッシュの年金政策(ブッシュの最重要政策のひとつ)の支持者であるということです。これらの議員たちは総じて畜産関係出身であり、故にBSE問題を押し出しているということです。ブッシュ大統領は自分の中心政策を持続するためにも、BSE問題をプッシュせざるを得ず、日本との関係が悪化する可能性は存在するということです。
さて、長くなってきました。
そして、僕も忙しくなってきました。
そんなわけで、また次回に書きます。
コメントください。
<続>
今回は、「朝まで生テレビ」でおなじみの同志社大学法学部教授、村田晃嗣先生の講演会に行ってきました。もう1週間前のことでややおぼろげ気味ですが、以下に僕がとりわけ関心に残った点をまとめようかと。
この講演会のきっかけは、サークルの友達が「がんばろう日本!国民協議会」という団体(僕は民主党の支援団体と捉えてますが…)で、村田先生の講演会が九州で開かれるということを教えてくれたことにあります。やはり、真剣に日本の将来を考えている人は、アンテナが広いなと改めて思ったね。
さて、村田先生の講演、題目は「日米関係と中国・朝鮮半島」というものでした。しかし、その内容は題目とはおおよそ逸れ、まずは日本の政治について話してくれました。これは僕のもうれしい誤算で、国内政治に疎い僕にとっては逆にいい機会になりましたね。
氏曰く、アメリカのカトリーナだけでなく、日本にもタイフーンがやってきたということです。すなわち、先の衆院選の結果、自民党が大勝し、一方で民主党が半壊したと。この点につき、氏はこれまでとどのように変わっていくかにつき展望されました。
一、自民党が採用した公募制という方法によって、これまでの自民党構成とはまったく背景の異なる人々が多く自民党員になったという点。それはつまり、政治に疎い人々が多く入り、自民党政治の素人化が生じる可能性がある。
この点、先の報道でも話題になった、26歳の衆議院議員、杉村太蔵氏の例を見れば微妙に納得してしまうところです(ちなみに氏のブログはhttp://sugimurataizo.net/)。一方で、既存の勢力も数多く残る中で、そう簡単に素人化という現象は生じないとは思うのですが。
二、民主党は、自民党との差異を強調するあまりに、左傾化する可能性がある。民主党は、さまざまな背景を持つ人々の集団であるため、下手すると政権交代が伸びる中で空中分解する可能性があるという。
これについては、何も言えないです。何を言えばいいかわからない…
さて、小泉外交についての氏の評価について書きます。氏は外交赤字という概念を用いて解説していました。外交赤字とは相対的で抽象的な概念だけど、ようは日本にとってマイナスの影響を及ぼしたことですかね。ならば、あまり用語を使う意味もない気がするのだけど。
氏は日米関係については肯定的評価を、それ以外の外交については否定的な評価を与えました。それぞれについての詳細を語る前に氏は小泉首相の外交姿勢についてこう評しています。
「小泉は外交を知らなかった」「外交に無関心でしかなかった」
そして、この傾向は自民党の圧勝により加速するだろうと言います。すなわち、国会の3分の2を占める大与党の元では、国会を通すことの少ない外交問題は後回しにされて、それこそ郵政民営化法案のように国内の重要問題の解決に時間を割き続けるだろうということです。これは後述するように、日本の世界における地位を考えたときには危険なことだろうと。
さて、日米関係について、小泉首相とブッシュ大統領の親密さを見ればその関係が以前よりも強化されているのは明らかです。しかし、この傾向がこのまま続くかというと微妙であると氏は言います。
すなわち、米にとっては、カトリーナ(そしてリタ)に関連する国内政治に手を追われて外部に目を向けることが困難であると、つまりはマネージメントがうまくはいかなくなり、日本への関心も低下するだろうとのことです。
一方で、日本は、米が日本に期待を寄せている多くの分野について、その期待に応えていないといいます(具体的にそれが何なのかについては述べていなかったと思うのだが)。こうした中、BSE問題などが政治問題化し、両国間の懸念事項として存在していることは危険であると言います。BSE問題ついて、米国議会は制裁措置も含めた決議をしているわけですが、こうした動きの中心となっている議員のほとんどはブッシュの年金政策(ブッシュの最重要政策のひとつ)の支持者であるということです。これらの議員たちは総じて畜産関係出身であり、故にBSE問題を押し出しているということです。ブッシュ大統領は自分の中心政策を持続するためにも、BSE問題をプッシュせざるを得ず、日本との関係が悪化する可能性は存在するということです。
さて、長くなってきました。
そして、僕も忙しくなってきました。
そんなわけで、また次回に書きます。
コメントください。
<続>