久々にプレイしたら思い切りハマってしまった。
総プレイ時間は20時間を超えている。
15時間を過ぎたあたり、進行具合で言えばサソリベイダー(中身はターキン提督)が自爆したあたりから、ようやくこのゲームの本質が見え始めたような気がする。
よって今回の記事は、『ファイナルファンタジー12』の中間レビューという位置づけにしたい。
一言で言えば「選択」だ。
これまで『ファイナルファンタジー』シリーズは、俗に言う「システム」と「ストーリー」のバランスをどう取るかでもがいてきた。
ゲームにおけるストーリーというのは、プレイヤーを束縛することに他ならない。
しかし一方で、ゲームとはプレイヤーの選択によって物語を進行させる形式でもある。
近作では、このシステムとストーリーの両立に対するスタッフの苦悩が、作品自体を息苦しいものにしていた感すらあった。
そこで『FF12』が取った解決策は「選択を迫る」というストーリーを背景に敷く、というごくシンプルなものである。
かなりの確信を持って言えるが、『FF12』は基本的にストーリーを進行させる必要がまったくないゲームなのだ。
主人公は、旅をする必要のない小僧っこである。
「いつか世界中の空を飛び回ってやる」などと言ってはいるが、要するにフリーターだ。
バイトしたり使いっぱさせられたり、そういうことだけで楽しいのが『FF12』というゲームだと思う。
コトは、作者の狙い通りに進んでいる。
メインストーリーである国の存亡をかけた戦いは、主人公=プレイヤーとはまるで関係ないかのように背景として横たわっている。
さて、おれや他のプレイヤーは、主人公とは直接関係ないように見える「国をかけた戦い」に参加するかしないのか。
危うげに力を欲するダルマスカ王女アーシェに付き合うか否かは、プレイヤーの選択に託される。
そしてその「選択を託される」ということこそが、このゲームの物語なのだ。
「ゲームは物語であり、物語はシステムである」ということにこれほど意識的な作品はなかなかない。
ゲーム性自体が物語と一致している『ファイナルファンタジー12』は、それだけでツボを押さえた意欲作だとおれは思う。
実際やってておもしろい。
常に金が足りないのは、そういう物語だからだ。
まあがんばってバイトすればお金もたまるが、そのようなリッチな物語へ向かうか否かもプレイヤー次第である。
キャラクターを育てる楽しさに身を任せるか、あるいは弱いままひぃひぃ言いながら王女さまの手助けをするのかも、プレイヤーの選択に掛かっている。
「ストーリー通りに」という強制は、ない。
プレイヤーは、『ファイナルファンタジー12』という物語を生きていかねばならない。
それだけが、このゲームの強制である。
ただし、「その物語を中止する」という最後の手段は、言うまでもなくはじめからプレイヤーの手中にあるのだが。
もうしばらく、おれはこの「与えられただけの偽りの物語」を生き続けるつもりだ。
この物語は、生きていて楽しい。
その倒錯をこそ、ファンタジーと呼ぼうではないか。
あとがき
●以上のようなことが判明して一安心。
これは、間違いなく良いゲームだから。
●もう少し補足。
例えば、「とっても強い敵が登場する」というゲーム上のストーリーに行き当たったとしよう。
でもダメなゲームの場合、実際はその敵を楽勝で倒せるくらいになっていることもあるわけだ。
そういうのは「ゲーム性とストーリーが空中分解している状態」で、ギャグ狙いでない限り失敗である。
プレイヤーは内心、「そんな弱いヤツ、さっさとやっつけちゃえばいいのに」と思ってしまう。
でも『FF12』では、「強い敵が出てきました」という強制イベント自体が存在しない(ここで言う「敵」とは、プレイヤーが実際に戦闘する相手のことね)。
明らかに倒せないような凶悪なモンスターは、そのヘンにごろごろ転がっているのだ。
そういう状況を作れば、プレイヤーは「おれもまだまだだな」と感じたりするだろう。
それが、ゲームにおける物語の作り方である。
で、さらに、そういう自由を与えておいて「その自由は他の誰かに与えられたニセモノです」というストーリーを常に張り巡らせている。
よってプレイヤーは、与えられた偽りの自由を打ち破るためにストーリーを進行させるしかなくなる。
おれもそうする。
ゲームだから仕方なくそうするんじゃなく、自分がそうしたいような気分になってくる。
まことにハイセンスなディレクションである。
●このように「ゲーム内の主人公とプレイヤー自身の立場を一致させ、ゲーム内の言葉や映像を間接的に、しかし容赦なくプレイヤー自身に浴びせかける」のが松野ゲーの本質と言えよう。
すべては、他人事ではないのだ。
●弟はすでにクリア寸前のご様子。
ヤツの画面は見ないようにしよう。
●おれはまだレベル22くらい。
●ガンビットもゴキゲンになってきました。
●アイテムと魔法の使い分けが重要、ってのがなんかイイ。
常に大量のポーションを持ち歩いて使ってるが、やっぱり不味いんだろうな。
->気が向いたらポチッと。→
総プレイ時間は20時間を超えている。
15時間を過ぎたあたり、進行具合で言えばサソリベイダー(中身はターキン提督)が自爆したあたりから、ようやくこのゲームの本質が見え始めたような気がする。
よって今回の記事は、『ファイナルファンタジー12』の中間レビューという位置づけにしたい。
一言で言えば「選択」だ。
これまで『ファイナルファンタジー』シリーズは、俗に言う「システム」と「ストーリー」のバランスをどう取るかでもがいてきた。
ゲームにおけるストーリーというのは、プレイヤーを束縛することに他ならない。
しかし一方で、ゲームとはプレイヤーの選択によって物語を進行させる形式でもある。
近作では、このシステムとストーリーの両立に対するスタッフの苦悩が、作品自体を息苦しいものにしていた感すらあった。
そこで『FF12』が取った解決策は「選択を迫る」というストーリーを背景に敷く、というごくシンプルなものである。
かなりの確信を持って言えるが、『FF12』は基本的にストーリーを進行させる必要がまったくないゲームなのだ。
主人公は、旅をする必要のない小僧っこである。
「いつか世界中の空を飛び回ってやる」などと言ってはいるが、要するにフリーターだ。
バイトしたり使いっぱさせられたり、そういうことだけで楽しいのが『FF12』というゲームだと思う。
コトは、作者の狙い通りに進んでいる。
メインストーリーである国の存亡をかけた戦いは、主人公=プレイヤーとはまるで関係ないかのように背景として横たわっている。
さて、おれや他のプレイヤーは、主人公とは直接関係ないように見える「国をかけた戦い」に参加するかしないのか。
危うげに力を欲するダルマスカ王女アーシェに付き合うか否かは、プレイヤーの選択に託される。
そしてその「選択を託される」ということこそが、このゲームの物語なのだ。
「ゲームは物語であり、物語はシステムである」ということにこれほど意識的な作品はなかなかない。
ゲーム性自体が物語と一致している『ファイナルファンタジー12』は、それだけでツボを押さえた意欲作だとおれは思う。
実際やってておもしろい。
常に金が足りないのは、そういう物語だからだ。
まあがんばってバイトすればお金もたまるが、そのようなリッチな物語へ向かうか否かもプレイヤー次第である。
キャラクターを育てる楽しさに身を任せるか、あるいは弱いままひぃひぃ言いながら王女さまの手助けをするのかも、プレイヤーの選択に掛かっている。
「ストーリー通りに」という強制は、ない。
プレイヤーは、『ファイナルファンタジー12』という物語を生きていかねばならない。
それだけが、このゲームの強制である。
ただし、「その物語を中止する」という最後の手段は、言うまでもなくはじめからプレイヤーの手中にあるのだが。
もうしばらく、おれはこの「与えられただけの偽りの物語」を生き続けるつもりだ。
この物語は、生きていて楽しい。
その倒錯をこそ、ファンタジーと呼ぼうではないか。
あとがき
●以上のようなことが判明して一安心。
これは、間違いなく良いゲームだから。
●もう少し補足。
例えば、「とっても強い敵が登場する」というゲーム上のストーリーに行き当たったとしよう。
でもダメなゲームの場合、実際はその敵を楽勝で倒せるくらいになっていることもあるわけだ。
そういうのは「ゲーム性とストーリーが空中分解している状態」で、ギャグ狙いでない限り失敗である。
プレイヤーは内心、「そんな弱いヤツ、さっさとやっつけちゃえばいいのに」と思ってしまう。
でも『FF12』では、「強い敵が出てきました」という強制イベント自体が存在しない(ここで言う「敵」とは、プレイヤーが実際に戦闘する相手のことね)。
明らかに倒せないような凶悪なモンスターは、そのヘンにごろごろ転がっているのだ。
そういう状況を作れば、プレイヤーは「おれもまだまだだな」と感じたりするだろう。
それが、ゲームにおける物語の作り方である。
で、さらに、そういう自由を与えておいて「その自由は他の誰かに与えられたニセモノです」というストーリーを常に張り巡らせている。
よってプレイヤーは、与えられた偽りの自由を打ち破るためにストーリーを進行させるしかなくなる。
おれもそうする。
ゲームだから仕方なくそうするんじゃなく、自分がそうしたいような気分になってくる。
まことにハイセンスなディレクションである。
●このように「ゲーム内の主人公とプレイヤー自身の立場を一致させ、ゲーム内の言葉や映像を間接的に、しかし容赦なくプレイヤー自身に浴びせかける」のが松野ゲーの本質と言えよう。
すべては、他人事ではないのだ。
●弟はすでにクリア寸前のご様子。
ヤツの画面は見ないようにしよう。
●おれはまだレベル22くらい。
●ガンビットもゴキゲンになってきました。
●アイテムと魔法の使い分けが重要、ってのがなんかイイ。
常に大量のポーションを持ち歩いて使ってるが、やっぱり不味いんだろうな。
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崇高な物語に見えてきました。
実際、ヘッポコプレイヤーなんで
話はなかなか進まないです。
どっちかいうと目的もなにもなかったヴァンが
ダルマスカの外の世界でモンスターに
ボコボコにされることによって
世の中そないに甘くないのよと体感する(爆)
ゲームになりつつあります、アハハハハ・・・。
ただ、無駄に経験値稼ぎやお金稼ぎをしてるんじゃなく
サブストーリーでもってレベル上げできるのが
いいですね。
(・・・道に迷って無駄な戦闘も実際してますけど。)
地図の読めない方向オンチはヘネの段階で
レベル20です。トホホ・・・
> どっちかいうと目的もなにもなかったヴァンが
> ダルマスカの外の世界でモンスターに
> ボコボコにされることによって
> 世の中そないに甘くないのよと体感する(爆)
いや、まさに正しい遊び方だと思います。笑
バイトしながら金貯めて強くなってようやく先に進めるバランスが絶妙ですね。
お互い、じっくり楽しみましょう。
トラックバックありがとうございます。
僕はレイスウォール王墓で魔神ベリアスと
暁の断片を入手するところまでプレイしました。
レベルは17ぐらいです。
装備品がすべて一長一短になってきて、キャラクターもライセンス次第で別人のようになります。
自分はオーソ\ドックスに戦士タイプ、魔法タイプなどに分けてますが、弟は全員剛力スナイパーです。笑
楽しくなってきますよ、敵も強いし。
正直このゲーム、イマイチだったんです。で、改めて考えてみると、オンラインRPGを一人でやってる感覚がダメだった気がしましす。お使いゲーム的なのはロマサガ(オンラインRPGもそうですが)に似てる感じで、どうしても比べてしまう自分がいるのでした…。(個人的にロマサガは史上最高の神ゲーなのでw)
ショボイブログなのにBMしていただいてるみたいで、ありがとうございます。
オンラインゲームってやったことないんですが、どうやらこんな感じみたいですね。
ただやはりこっちの方が束縛が大きいのでしょうし、そこをうまく話に組み込んでいる気がします。
まあ、まだ先は長いので最後までおもしろいのかは分かりませんけどね。
ロマサガは自分も好きなゲームですが、ちょっと方向性が違いますよね。
ロマサガの方がもっと素直にハマれる感じでしょうか。
でも、似てる要素も多い気はします。
累計プレイ時間は20時間超・・・
トラックバックさせていただきましたので報告致します。