猫ずきです

体験したことや感じたことを日記調で書いています。老若男女をとわずにわかるよう書いていますので奮って書き込みしてください。

パン屋の手紙

2013-06-19 | 読書
       

  S先輩から紹介された建築家中村 好文
  今、時の人になりつつある
  決してハデではない地味な作風ではあるが、ひとびとの心を落ち着かせてくれる
  とても温かみを感じる設計だ
  それは住まいというものが生活に密着していて肌で感じられるからだと思う

                  

  昨日、読み終わったのは最新作の往復書簡集「パン屋の手紙」
  中村 好文さんのところに北海道の真狩村のパン屋さんから一通の手紙が舞い込む
  パン屋さんのオーナーの名前は神(じん)幸紀さん
  パンを焼くかまどを構えた小屋を再生したいとの依頼を受ける

  そして完成した小屋はなんとシンプルで素敵だろう
  廃材は天井にクロスにかけて、まるで教会の十字架のよう
  マティスが壁画を描いたあのロザリオ礼拝堂のようだった
  フランスから取り寄せたかまどは大きく火力もあり、暖房効果もある

                  

  中村さんの設計したものは、愛媛の「伊丹 十三記念館」、道後温泉の「一六本舗」、奈良のホテル、
  千葉の「上総の家」、「AS IT IS」という目白の美術館そして新丸ビルのおそばやさん「石月」など

  どれもこれもおそらく心が落ち着くものであろう
  TOTOのギャラリーで見た、「LEMM HUT」の愉しかったこと
  家具も素敵、ライトも素敵、雨水をためて造ったシャワー、機能的な台所、本棚、ソファ・・・
  そして真鍮のロック
  こんな家に住みたいな

                  

  往復書簡集なのでとても読みやすく、何と言っても写真が豊富で、図面や絵ハガキなどがわかりやすい
  ひとり息子の幸太朗くんのために作ったツリーハウスも興味深々
  思わずY先輩のように北海道までFAXで注文してみたくなるようなパンの数々
  世の中には本質を知っているひとたちがいるのだなと思った
  小屋、別荘といえば、お金ができたら是非第二の故郷長野県松本に小さな小屋を造ってみたいものだ