台湾の食べ物はおいしい、ということは日本でもよく知られるようになり、仕事で台湾を訪れる日本の芸能人なども、小籠包などの台湾グルメを味わうことを期待して台湾へやって来るのが今や恒例となっています。でも、台湾はベジタリアン天国でもある、というのをご存知でしょうか。
ベジタリアン人口が数百万人、といわれる台湾では、健康のため、環境保護や動物愛護のため、宗教など、さまざまな理由で肉を食べない人たちがたくさんいて、街中にもたくさんのベジタリアン・レストラン(素食餐廳)があり、ベジタリアン用の加工食品も売られています。
7月1日から、「包裝食品宣稱為素食之標示規定(包装食品のベジタリアン標示規定)」という法律が施行されました。この法律により、今まではただ「素食(ベジタリアン)」と表示されていたのを、5種類に細分化して表示しなければならない、ということになりました。5種類とは、以下の通りです。
(1)「全素」または「純素」(すべての動物性食品と五葷を含まない)
※ 五葷(ごくん)とは、にんにく、らっきょう、にら、長ねぎ、たまねぎ。
(2)「蛋素」(鶏卵以外の動物性食品と五葷を含まない)
(3)「奶素」(牛乳以外の動物性食品と五葷を含まない)
(4)「奶蛋素」(牛乳と鶏卵以外の動物性食品と五葷を含まない)
(5)「植物五辛素」(すべての動物性食品は含まないが、五葷は含む)
(上の写真では、左側が「純素:純植物性かつ五葷を含まない」、右側が「奶素:牛乳以外の動物性食品と五葷を含まない」もの。写真提供:CNA)
この法律により、菜食主義の人たちが、大丈夫だと思ってうっかり食べられないものを食べてしまう、ということを防げるようになりました。
ベジタリアンには、宗教的理由、特に仏教徒の人が多く、ベジタリアン・レストランでも、BGMにお経がかかっていたり、お店にお釈迦様の絵が飾られていることがよくあります。でも、中には宗教色のないベジタリアン・レストランもあります。
今回ベジタリアンについての取材に協力していただいたお店「走入非洲(Head Into Africa)」は、一見「エスニック料理のレストランかしら?」と思わせる店構えです。収益をアフリカでのボランティア活動に寄付しているこのお店は、仏教関係の人たちが運営に当たってはいますが、お店に宗教色は感じられず、お料理も中華風や西洋風、アフリカのスパイスを使ったものなど多国籍で、新しいタイプのベジタリアン・レストランです。「走入非洲」は2009台北国際フード・フェスティバルで優良店に選ばれています。
こちらは「五穀豊収」というメニューです。10種類以上の穀類と、いろいろな野菜、ナッツなど、数え切れない品目の材料が使われたチャーハンで、自然の恵みがいっぱいに感じられる一品。他にも、鍋やパスタ類などもあり、セットにすると、前菜のサラダからスープ、主菜、デザートと、フルコースのお料理をいただけます。また、アフリカの健康茶、ルイボスティーと、アフリカン・コーヒーがセルフサービスで飲み放題というところも嬉しいところ。台湾にいらっしゃいましたら、小籠包だけでなく、ぜひベジタリアン料理も味わってみてください。(尾)
「走入非洲 養生蔬食坊」11:30-14:00, 17:30-21:00(月曜定休)
台北市文山区木新路三段130号
電話:(02)2937-6178
http://tw.myblog.yahoo.com/into-africa/
*7月10日(金)の番組「文化の台湾」では、台湾の精進料理の文化をご紹介しています。
帰り(台湾→日本)の機内食がとっても美味しかったです。
さすか、素食天国だと思いました!
機内食のスペシャルミールは、追加料金もないですし、普段はベジタリアンでない方でも一度頼んでみるのもいいのではないか、と私も思います。
(一番先に持ってきてくれますしね^^ ちょっぴりVIP気分を味わえます)
航空会社によっては、ベジタリアンでも、中華風、西洋風、インド風から自分で選択できたりするところもあります。