あいおらいと

主に、お友達への連絡用でたまに、日々を綴ったり…していたはずが、いつのまにやら作品置き場になりつつあります。

いいふうふもどきなもうそう

2012-11-22 23:36:17 | もうそうはきだし中
優しく響く彼女の声をたどると、リビングのソファで子供を膝に抱っこして、絵本を読んでいる。
こういうのっていいなあ。
しばらく眺めていたら、その光景に混ざりたくなった。少し考えて、ぎゅ、と背後から彼女と子供を抱きしめる。
しばしの沈黙の後、彼女は隣のソファをポンポンとたたいた。お許しが出たことに満足し、隣へと腰かければ、
「私が羊さんの台詞読むから、オオカミさんの台詞お願いね。」
「りょーかい。」
彼女と子供を眺めているだけで良かったのに、ちゃんと役を割り振ってくれた彼女の心遣いが嬉しくて、子供ごと彼女をぎゅっと抱きしめた。


ぐっすり眠ってしまった子供を部屋に寝かせ、リビングに戻る途中、ダイニングから何やら音聞こえてくる。
何事だろうと覗いてみれば、やかんがカタカタと音を立てていた。どうやらお茶を淹れてくれているらしい。
読み聞かせで丁度喉が渇いていたところだから、彼のさり気ない心遣いはとてもありがたい。
そんなあなたが愛おしいから。
足音を立てないようそっと近づいて、ぎゅっと抱きしめた。驚いたのも束の間どうしたの、と聞いてくるから、
「育児を手伝ってくれただんなさまへの感謝のハグ…かな?」
「それなら感謝のキスの方がいいな。」
久し振りの彼の甘えた言葉にちょっと面食らったけれど、そんな甘えられ方は嫌じゃないから、返事の代わりにそっと背伸びした。
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冬のことなど

2012-11-17 23:55:30 | つれづれ
御無沙汰しております。
気が付いたら寒い季節が到来しておりました。なんてこったい…。
ありがたいことに、冬もスペースをいただけました。

1日目 東5 ピ‐9b

というところでのんびりしている予定です。
相変わらず容赦ないペースで残業&休日出勤してますが、仕事が忙しいとか言っている場合ではありません。
折角スペースをいただけるのですから、がんばって妄想を書き連ねなくては!
…と、あれこれ妄想していたら、通りすがりの文章の神様がそっとネタを置いて行ってくださいました。


待ち合わせ場所に現れた彼女は、いつもと違ってどこか大人びて見えた。
制服姿を見慣れた目には、私服姿が新鮮に見えるのかと思ったけれど、どうもそれだけではない気がする。
じっと良く見るのは照れくさいから、気づかれないようにちらちらと観察を重ねてやっとわかった。
ほんの少しだけ、いつもより唇が紅い。
自然とは言い難い紅だから、多分何かつけているのだろう。
女の子は、ずるい。
口元に僅かの紅をさすだけで、大人の女性に変身できるのだから。

授業で使う備品を運んでいると、不意に現れた彼は何も言わずに奪い取ると教室へと歩いていく。
一人ではかかえるのが精いっぱいだったから、彼の心遣いはとてもありがたい。
重たい備品と軽々と運ぶ姿は、とても頼もしい。
ほんの数年前まではそれほど変わりなかったのに、いつの間にこんなにたくましくなったんだろう。
男の子は、ずるい。
歳を重ねるだけで、大人の男性になれるのだから。


こんな話が書けたらいいなあ、と思います。
予定は未定なので、できあがるまではどうなるかわかりませんが…。
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