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レアル・マドリー vs ASローマ 【CL07/08】

2008年03月07日 | チャンピオンズリーグ07/08
■ UEFA Champions League 2007/2008  1st Knockout Round 2nd leg
   レアル・マドリー(1-2)ローマ @サンチャゴ・ベルナベウ(マドリッド)

    ・後半28分 タディ(ローマ)
    ・後半30分 ラウル(マドリー)
    ・後半47分 ブチニッチ(ローマ)【ロスタイム】

   トータルスコア:ローマ(2-1 [4-2] 2-1)レアル・マドリー

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■ 前半の見どころは、両チームのGKのファイン・セーブ

◆ 試合プレビュー
1st legは、ホームローマが2-1で勝利しました。この試合は、レアル・マドリーのホームで行われました。レアルが勝ち上がるには、最低でも1-0とし“アウェイ・ゴール適用”という形でした。

今シーズンのシュスター体制でのレアル・マドリーの試合をまともに観るのは初めてでしたが、いきなりフォーメーションが訳分かりませんでした(苦笑)
とりあえず[4-4-2]みたいな形だと思われますが、右SHがいません。基本的に左サイド偏重のシステムでしょう。

ローマは、[4-2-3-1]。
昨シーズン準々決勝にてマンチェスターUに2nd legで1-7と大敗。今シーズンにかける思いは大きいはずです。そして、今シーズンもビッグクラブ、レアル・マドリーとの組み合わせとなりましたが、なんと1st leg勝利。

しかし、チャンピオンズリーグ(以下、CL)では、H&Aの2戦を一つの試合として考えるべきであって、まだ、半分しか終わっていない訳です。そういう意味では、最低でも0-0でも良いローマは、どのような戦いを見せるのか?昨日のACミランvsアーセナル同様、個人的には非常に楽しみにしていた一戦でした。

◆ 猛攻を仕掛けるマドリー
この試合、オランダ人(ファン・ニステルローイ、ロッベン)が欠場ということでしたが、試合全体を通して見れば、この二人の不在は多少なりともチームの攻撃面に影響を及ぼしたと思います。特に、前線はラウールを1トップのような形を基本とし、ロビーニョが自由に動き回り、左ウィング的な位置にバチスタ。そして、攻撃は左サイドを中心として行われていました。マドリーは、立ち上がりから中盤で執拗にプレスを仕掛け、そして、バプチスタ、ロビーニョらの個人技でローマを苦しめます。

前半の15分くらいまでにCKやローマゴール付近でのセットプレーのチャンスを数多く得ます。ここまでの時間は完全にマドリーペースだったと言えます。

◆ 両GKのファイン・セーブに興奮
そんな前半の序盤、興奮したプレーは両チームのGK、ドニ(ローマ)とカシージャス(レアル・マドリー)です。

前半15 PA(ペナルティ・エリア)ほぼ中央の位置でマドリーがFKのチャンスを得ます。ローマの壁は8~9人。そしてマドリーの選手の間に挟まる。

グティが足の裏でちょんと出したボールをバプチスタが強烈なシュート。
ローマの壁に当たりボールの方向が変わったものの、GKドニが左へ反応し横へ弾き出します。ボールの威力、弾道などを考えるとドニは良く反応しました。

前半17 すると今度はカシージャスが見せます。
右サイドでボールを運び、シシーニョからボールを受けたアクラーニが30~40mからロングシュート。GKカシージャスが反応するものの触れず、ゴールポスト角に直撃。
そして、そのこぼれ球をマンシーニが拾い中央へドリブル。
右サイド寄りから央へ絞って来ていたアクラーニにパス。
すると、今度は、低い弾頭の強烈なミドルシュート。
カシージャスは、自分の左隅にスライドしながら飛んで来たボールを左手で弾き出した。

でも、それ以上にアクラーニもすげぇミドル持っているな。非常に良い選手だなと・・・

その後もマドリー優勢で試合は進みバプチスタのシュートをメクセスがつま先でブロックし事なきを得る。ローマもカウンターで攻めるもののなかなかゴールを決めれず前半終了。データ上ではローマの方がシュート数は上回っているのですが、印象としてややマドリーが優位だったと感じました。あと、サポーターの歓声がすごい!
ローマにとっては、まさに“アウェイ”という雰囲気でした。

■ 個と組織

◆ 激闘
後半3分 バプチスタがFK。前半のような強烈なストレート系ではなく、カーブをかけてきた。ローマの壁を越えたボールはゴールポストに直撃。1点が遠いレアル・マドリー・・・

後半10分くらいから両チーム共、徐々に激しくなってきた・・・

基本的にマドリーは個の能力をベースとして攻撃を仕掛けます。
一方のローマは組織をベースに攻撃を仕掛けます。

しかし、組織を形成するのは、他ならぬ「個」でありこの試合のローマは個の集合体である組織が完璧に機能していた。

例えば、攻撃時のパス一つ取り上げても異なる。
 マドリーは、選手が動いて足元へパスが出て来る。だから、中央に手数掛けてもゴールにならず。
 ローマは、スペースを意識してパスが出てそこへ選手が走り込む。

それでも組織を形成する個の能力ではマドリーの方が上だった。ローマがぎりぎりの所で封じながらも攻撃を仕掛ける。めまぐるしく攻守の入れ替わるそんな攻防が続いた。

【選手交代】
後半15分 ディアラ → ドレンテ(レアル・マドリー)
後半19分 サルガド → ミゲル・トーレス(レアル・マドリー)
後半20分 マンシーニ → ブチニッチ(ローマ)
サルガドが負傷交代。いまいち精細を欠いていたマンシーニに代えてブチニッチ。この交代が利いた。

後半32分 ペロッタ → ピサロ(ローマ)
後半40分 バプチスタ → ソルダド(レアル・マドリー)
後半42分 シシーニョ → パヌッチ(ローマ)

■ これぞ、チャンピオンズリーグ

◆ ローマ左サイド、ブチニッチを軸に・・・均衡を破る
ブチニッチが入るとローマの攻撃は圧倒的に左サイドが多くなってきた。この辺は、ローマ監督スパレッティの指示があったと思われる。

後半20分 トネットからのパスをブチニッチがシュート。無常にもゴール・バーを叩く。


すると、再びブチニッチがこの試合における重要なプレーをする。

後半26分 マドリー陣内右サイドの深い位置まで走り込みパスを受けるとゴールライン際をドリブルで仕掛ける。
プレッシャーを掛けにきたぺぺが抜かれ際にブチニッチを手で止める。

これがペペ2枚目のイエローカードとなり退場。

ホームのレアル・マドリーは一人少ない状態に。それもCB・・・これが仇となる。
一人少なくなったマドリーは適宜4バックにするものの基本的に3バック状態で後方を固め前線のアタッカー陣に望みを託す。ところが、ブチニッチ投入後からローマのリズムになった試合、さらに、一人欠くマドリー。ついに、この試合の均衡が破れる。

◆ ローマ先制!
(この時マドリーのゴール前は3人のDF)ゴール前へ放り込んだボールが流れタッチラインを割る瞬間にブチニッチがぎりぎりの所でボールをトネットへ繋ぐ。
トネットがゴール前へクロスを放り込む。
トッティがカンナバーロを引き付ける。
ペロッタがエインセの前からニアに動くもののボールの軌道と合わず。
エインセが落ち着いてクリアしようと思っていた所に・・・
背後からタディがエインセの正面に飛び込み、ヘディングでコースを変え。
ボールはゴール右上隅に突き刺さる。一歩も動けないカシージャス。


ところが・・・!!
◆ ラウルの同点ゴール
後半30分 ローマがついに先制したのも束の間。マドリーが同点に追い付く。
しかし、このプレー、ローマのCB(メクセス、ジュアン)は、完全にラウルをオフサイドに取ったと思っていたはずである。特にマークに付いていたメクセスは身体でラウルとのポジショニングは把握していたはずである。半歩戻るラウル・・・副審もサンチャゴ・ベルナベウの歓声に圧されフラッグを上げられなかったのかもしれない。


ローマとしたらやっと奪った1点。しかし、それを同点にされたことにより精神的な重圧はかなり大きかっただろう。一方のレアル・マドリーは、同点としこの勢いのまま2点目を奪い、延長戦以降も考慮しつつ、とにかく勝つことに意識を集中していたと思う。
(実際に、監督のシュスターは延長まで視野に入れ、最後の交代のカードを後半40分まで取っておいたのだと思われる)

しかし、マドリーにとってはまだ同点。トータルスコアで3-2と最低でも1点足りない。勝利する為にはあと2点奪わなければならない。試合の勢い、ホームという地の利を生かしてのムードは完全にマドリーに傾いているものの、現実的な数字ではまだ、ローマの方に優位があることには変わりなかった。


全3ゴール
◆ ブチニッチのとどめの一撃
後半30分に同点としたレアル・マドリーだが、なかなかもう一点が遠かった。しぶといローマの攻守に焦りと不安が、時間の経過と共に大きくなった。そして、ロスタイム・・・

シシーニョに代わって入ったパヌッチからのクロスがゴール前へ放り込まれる。カンナバーロがクリアしようとするものの頭の上を超え、飛び込むカシージャス。しかし、その両者の間にブチニッチが飛び込みとどめの一撃を食らわした。立ち尽くすマドリーの選手達。
その後、残りわずかの時間が経過し、ローマがトータルスコア4-2として、ベスト8を決めた。

昨日の「ACミランvsアーセナル」と同様、いやそれ以上にエキサイティングした試合でした。久し振りに、サッカーを純粋に楽しめましたね。ローマは、同じイタリアのACミラン、インテルと比べると資金力で劣ると思うのです。それでもこれほどのクオリティのサッカーをした。トッティをはじめ全ての選手がチーム一丸となって戦っている。

対象的にレアル・マドリーは、どこかチーム(組織)となりきれていない印象でした。決してチャンスがなかった訳ではない。個の能力はローマよりは上かもしれません。
しかし、ペペ一人退場になった後の失点を防ぎきれなかった点、さらに、2試合で4失点したという事実、そして、ロビーニョのような超卓越した個人技をどのようにチームにフィットさせるのか?多少の運・不運はあったものの欧州戦線で戦う上でこの辺の組織としてのバランスは、修正すべきでしょう。ただ、ローマに欠点がなかった訳ではありません。いくつか気になった問題点などありましたので、この辺のローマのシステムは、(忘れてなかったら)ベスト8の組み合わせが決まったくらいにでも書きたいと思います。

最後まで読んで下さって、ありがとうございます。
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あっ、CLの仲間外れにされた、インテルとリバプールですが、リバプールは未消化試合ウェストハムに4-0と勝利しました。
この内容は、週末までに頑張って書きたいと思います。

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6 コメント

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Unknown (yohan)
2008-03-07 10:29:17
あぁ、レアル。。。
今期はやってくれると期待していました。

まさかトッティ以外ロクな選手いないじゃん(失礼。デロッシは好きですよ。)wwという勝手なイメージのあるローマに。。。


日本もローマみたいに前田の0トップ+その他で良いんじゃないの?優勝はさすがに無理だけど、ベスト8か16は目指せるみたいなチーム目指せば。


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 (ガッちゃん)
2008-03-07 11:34:56
はじめまして。
ローマの勝利は嬉しい限りです♪
ローマはイタリアらしい戦い方で見事な勝利をもぎ取りましたねー。そしてヴチニッチも素晴らしかった!
あとは、有利な立場に立ったときに攻撃が雑になるのをもう少し丁寧にしてくれれば最後の時間帯をもう少しラクにできたんですけど、、、まぁ、それがローマらしいと言えば、そうなんですが。
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Unknown (shimada)
2008-03-07 22:56:18
ローマは昨季よりも選手層もアップし、かなり期待できそうですね。レアルはもう少しやるかと思ったので残念です。
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コメントのお返事 (コージ)
2008-03-07 23:44:47
yohanさん

こんばんは。
もしかしてレアルファンですか?!
私は、あまりレアル好きでないかも…^^;
今のローマはかなり興味あるんですけどね。
返信する
コメントのお返事 (コージ)
2008-03-07 23:47:45
ガッちゃんさん

こんばんは、はじめまして。
雑さは、まぁ、しょうがないのかな・・・^^;
でも、今後は、レアル戦のような先制した後のすぐに失点という形はなくさなければ、ベスト8、4という壁は越えれないと思うんですよね。
極論、決勝まで行ってしまえば、一発勝負なので、UEFAカップレベルのチームでも何かやれる可能性はあると思うのです。でも、ベスト8~4に合計4試合に関しては露骨に力の差、経験の差など出ると思うのです。

個人的には、ローマvsアーセナルを観たいですね。
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コメントのお返事 (コージ)
2008-03-07 23:49:24
shimadaさん

こんばんは。
そう言えば、ローマ、ジュリっていましたよね?
どうしたんだろう??でも、選手層は今後重要でしょうね。セリエAもあるし。
ただ、攻守のバランスって意味では、攻撃的に傾いた時の守備に多少危険な感じはあるかなと思います。
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