■ アフリカが変わった?! |
今大会、初のアフリカ勢の登場でした。私は、初めてコートジボワールのサッカーを見たのですが、非常に素晴らしいサッカーをしていました。欧州の組織的な部分とアフリカ人の身体能力をフルに生かしたスピーディーなサッカーに感動しました。
90年W杯、カメルーンが登場した時の衝撃は、当時のサッカー界に“アフリカの時代”を予感させました。ところが、その後10年間、前回のセネガルのベスト8など検討した部分はありましたが、常連国であったカメルーン、ナイジェリアですら大きなインパクトを与えることはありませんでした。そして、今大会、チュニジア以外は、W杯初出場国です。いわゆる“ブラックアフリカン”のチームが4チーム。フィジカルだけのチームなのか?それともコートジボワールのように組織も整っているのか?注目してみたいと思っています。
■ ナイーブ過ぎたコートジボワール |
アルゼンチンに前半の内に2失点を許しました。アルゼンチンの攻撃は、“アルゼンチンらしさ”が前面に出ていました。私は、事前の予想では、若返りを図ったペケルマン監督(アルゼンチン)が守備での経験値などで、裏目に出るのではないか?と思っていました。ところが、チームとして攻守の切り替えの意識が高かった。(細かい部分の指摘はさておき)
一方のコートジボワールの守備は、1失点目のセットプレー、2失点目のDFラインの裏を取られたプレーとある意味「失点パターン集」のような形でした。特に、2失点目は、一瞬キレイに並んだDFラインの裏へのスルーパス。攻撃では、ドログバを中心にまとまっていましたが、逆に守備の面でナイーブさが出たように感じられた試合でした。しかし、可能性は感じました。第2戦オランダ、第3戦セルビア・モンテネグロからコートジボワールが“勝ち点3”を取ることも十分にあり得ます。
■ ロッペンの為の大会? |
お馴染み4-3-3のシステムでした。
左ウィングにロッペン、中央にファンニステルローイ、右ウィングにファンベルシー。試合を通じて、「ロッペンとファンニステルローイが攻撃の起点」となっていました。前半18分、DFラインの裏を取り、先制ゴール。
実は、この少し前(前半12分)、セルビア・モンテネグロ(以下セルビア)が左サイドから切れ込み、この試合初のゴールを感じさせるプレーがありました。この後に“色気づいた”セルビアの全体が前掛かりになった瞬間を狙われゴールを奪われました。その後もロッペンに切り刻まれたセルビアは、前半40分に選手交代をしてポジションチェンジを行いロッペン封じを行いました。
ロナウジーニョの大会と言われていますが、もしかしたら、ロッペンの大会になるかも?なんてことを感じさせるようなプレーを繰り広げていました。
■ オランダ攻撃の薄さ・・・ |
オランダ3トップ | 4-4-2の2トップの例 |
◆3トップと2トップの中央の攻撃の厚みについて
図解は、4-3-3の3トップ(オランダ)と典型的な4-4-2の攻撃時の中央の厚みの比較です。
オランダのようにワイドに配置された3トップの場合、前線の起点が増えますが、MFのオーバーラップがないと中央の攻撃に厚みが出ません。しかし、4-4-2の場合だと、2トップ+攻撃的MFで中央の厚みが出ます。(反面、前線の起点やワイドの攻撃に乏しくなる。その為にFWがサイドに流れたりと前線の起点に幅を作る)
さらに、両フォーメーション共に4バックということで両方ともSBの攻撃参加があり、この位置からアーリークロスなど典型的な攻撃の形の一つです。
私が以前観た対オーストラリア戦の時のように、コク、ファンボメルが上がったりすることが少なかったのです。スナイデルが時折上がってきていたのですが、それでも攻撃が“単発”で物足りない印象が強かったのです。あえて両サイドが中央に絞ったり広がったりと攻撃の形に幅を持たせてもいいかなぁ~って思いました。
実際、後半23分にファンニステルローイがカイトと交代した後などは、中央に起点すらを感じなくなり、ロッペンの個人技(ドリブル→シュート)というくらいでした。オランダには、期待していたからかもしれませんが、どうしても“サイド一辺倒”の厚みのない攻撃に不安が募りました。この点が今後のオランダの攻撃力(得点力)に影響するような気がします。『2つのオレンジ軍団』もしかしたら、サプライズが起きるかもしれませんね・・・
≪追記≫ついに今夜、我らが日本代表の試合です。今日は、一日落ち着かないだろうなぁ~
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[改訂版:06年秋 - オランダのサイド攻撃について追記]
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