福岡市議会定例会が、6月13日~21日まで開かれ、14件の議案が提案されました。ネットは、人工島仮護岸築造工事請負契約議案1件に反対しました。
オリンピック招致とそれに伴う須崎埠頭開発計画案については、議案として扱われることも、市民にその是非を問うことも無く、市長の独断で進められようとしています。
オリンピック招致とそれに伴う開発は、税金の無駄使い!
―13万筆を超える市民の意志を、市長は尊重すべきです―
5月・6月議会には、複数の市民団体から「オリンピックはやめて」という請願が提出されました。合計13万筆を超える署名は、市民の意志を示しています。
福岡市が、無作為抽出した市民5000人に対して5月に実施したアンケート調査では、回収率はわずか26%。須崎埠頭再開発などを盛り込んだ競技場配置計画について、共感できないが46.4%、共感できるが47.1%と拮抗しました。
福岡市が市民向けに作成したパンフレットでは、地下鉄や人工島の市債償還が計画通りに進んでいないことや、実質公債費比率でみた財政状況は、「全国最悪」である事実などは隠されています。それでもアンケートに答えた市民の48%が「健全な財政運営が維持できるか疑問」と考えていることもわかりました。
市長は今議会で、11月の市長選への3選出馬を表明。8月末に決定するオリンピック国内候補地の選考にもれても、須崎埠頭開発は行うと明言しました。
須崎埠頭開発は総事業費2740億円。民間主体で進めるとはいうものの「須崎埠頭開発が計画通りに進まなかった場合にも、税金をつぎ込むことはないと約束できるか?」との議会質問に、担当局長は「今は約束できない」と答弁しました。地元金融機関や大手企業などの財界トップからも、事業の採算性に疑問を呈する声が上がっています。
市長は、納税者である市民の意見を尊重し、後世に大きな負の遺産を残す、オリンピック招致と須崎埠頭開発はやめるべきです。
市長の暴走を許さない! 議員提案で条例策定
須崎埠頭開発は、平成15年に策定された市の「基本計画」にもまったく上がっていなかったもの。市長の私的諮問機関によって最近まとめられた「新都心構想」も議会には十分な報告や審議の機会もなく、今後の中心部都市計画の方向性が決められつつあり、議会は危機感を持つに至りました。
そこで、市の独断を許さず、議会の行政監視機能を強化するために、市政に関わる重要な計画の策定・変更などの際には、市当局や市長に対し、議会の議決や報告などを義務付ける条例案を、議員提案で策定し、可決しました。
これは、超党派での「議員提案条例勉強会」での検討によって上程にまでこぎつけたものです。策定過程では、「市長の権限を侵すものである」として市長部局はかなりの抵抗を示しました。「今後は議会にもきちんと説明をするよう、各部局に指示するから、条例で規定する範囲を縮小してほしい」と言われましたが、そのように言われれば言われるほど、市長の暴走を許さない決まりが必要だとの思いを強くしました。
条例化するということは、市長や担当者が変わっても、守らなければならない決まりとするということ。今後は、報告や説明を受けて、きちんと審議する責任が議会にも求められることになります。
私達議員の仕事は増えるけれど、そこをきちんとやらなければ、市民の望むまちづくりはできない
との思いが、党派を超えて一致した結果の、議員発議条例の策定となりました。
福岡市議会では、ほかにも、全会派の代表によって構成する「議会活性化推進会議」で、具体的な改革を次々と進めています。