生活政治学研究所

福岡市議会議員「外井(とい)京子」の
 ひとりごと、政策提案、活動報告
  日常の中から「生活って政治」を発信!

日本で唯一の、紙オムツリサイクル工場を視察

2005-07-08 00:15:55 | 環境
 ふくおかネットワークの議員や運営委員など20人で、日本で唯一の紙オムツリサイクル工場を視察しました。
 高齢社会の進行により、要介護者が増加するとともに、紙オムツの使用量も、今後も増えていきます。2000年の使用済み紙オムツの排出量300万トン、これが2025年には、550万トンを越えると予測されています。
 大牟田市のエコタウン内にある紙オムツリサイクル工場は、平成16年8月から操業を開始しました。現在、福岡県内と熊本県・佐賀県の一部(いずれも車で一時間以内の圏内)の病院・施設から紙オムツを回収しています。
 紙オムツの成分は、ビニールとパルプ、高分子ポリマー。
 水で洗うことにより、し尿とビニール、上質パルプ、低質パルプ(高分子ポリマーを含む)を分けます。
 ビニールはRDF燃料に、上質パルプは再生紙オムツ、パルプモールド、スラグ石膏版などに再生され、低質パルプと排水処理施設の汚泥は土壌改良剤になります。
 現在、使用済み紙オムツの処理については、自治体によってその扱いが違うとのことです。福岡市や北九州市などでは、一般廃棄物、燃えるゴミとして焼却処理されています。しかし、産業廃棄物として処理しなければならないとされている自治体もあり、そういうところでは処理費用が高いので、ゴミとして処理するよりは、同じ処理費用でリサイクルにまわそう、ということに賛同した病院・施設が、この紙オムツリサイクルに参加しているとのこと。
 紙オムツの使用量は、病院や施設は3割で、7割が家庭での使用であるとのこと。
 今後も高齢社会が進み、紙オムツ使用量が増えていくことを考えると、これをただゴミとして焼却(または埋立て)処理することは、問題です。
 紙オムツのリサイクルを広げるには、福岡市や北九州市のように人口の多い自治体は、当然当該自治体内にリサイクル施設をつくる必要があります。
 いくつか課題があることもわかりましたが、実現に向けて、具体的な検討を始めなければならないと思います。



暑さ対策に「緑のカーテン」を

2005-06-29 14:44:53 | 環境
 毎日、暑いですね。重ねて、四国や九州北部は異常な少雨。6月のうちから真夏日、熱帯夜はキツイですね。

 地球温暖化現象、そして都市部ではヒートアイランドな現象などによって、日本の年平均地上気温は、上昇しています。クーラー設備のない小中学校の教室などでも、昨年は夏休み前後の7月・9月など、暑さでとても学習に集中できるような状態でない日も多かったとのことです。
 そこで、この6月の福岡市議会で、私は「教室などの暑さ対策に、緑のカーテンを」という提案をしました。
教室の暑さの実態調査を
 ある中学校教諭によれば、教室内が34度を超えると、いつもは活発なクラスでも、子どもたちは暑さでぐったりし、無反応になるのだそうです。
 福岡市教育委員会は、今年初めて、市内の18校で、教室等の温度調査を実施するとのことですが、単に室温を測るというだけでなく、室温の変化が、子どもたちにどのような影響を与えるのかについても、きちんと観察して集約することを求めました。
「緑のカーテン」で教室を涼しく
 「緑のカーテン」とは、ベランダや窓辺につる性の植物を這わせるもの。
 東京都足立区や板橋区の小学校などでは、地表から3階建ての校舎の屋上までネットを張り、そこにヘチマ、インゲン、ゴーヤ、きゅうり、朝顔などのつるを這わせています。植物によってできた日陰と気化熱で、緑のカーテンの内側の気温は5度以上下がるそうです。光を遮る効果やどれだけ水を吸うかなどの観測、作物を給食で食べるなど、活きた環境教育の教材としても活用しています。
 福岡市にでも、今年度の温度調査の結果を見て、早急に対策が必要な学校から、まずはモデル的に、緑のカーテンなどいくつかの方法を来年度から実施できるよう、予算化をすることを求めたところ、「緑のカーテンは環境教育の生きた教材であると認識している。日よけ、扇風機の活用等いくつかの対策を今後、検討していきたい」との教育長の前向きの答弁を得ました。
全市をあげて「まちのエコスタイル」をつくり、夏場の福岡を冷やそう
 「緑のカーテン」は、室温の上昇を抑える効果があり、真夏のエアコンの使用を20~30%程度減らすことができることから、一般家庭や集合住宅でも取り組まれ始めています。都市部で問題となっているヒートアイランド現象の緩和には、排熱対策つまりクーラーの使用を減らすことと、まちの緑化の推進が効果的です。
 福岡市でも、あらゆる方面から、様々な涼しくする工夫に取り組むことを求めたところ、「緑のカーテンはいい提案だと思う。風の道の整備や打ち水大作戦などの市民活動への支援など、区役所などでの協力も含め、進めていきたい。」と、私たちの提案に対してはめずらしく、市長の前向きな答弁を得ました。 

ご家庭でも取り組んでみませんか
 板橋第七小学校のホームページ「いたしちっこ」、足立区立中島根小学校PTAのホームページなどで、写真入の詳細な生育記録などが公開されています。
 NPOのホームページやブログなどで、緑のカーテンについて、様々な情報提供もされていますので、関心のあるかたは「緑のカーテン」で検索してみてください。 

雨よ降れ
 過去に何度か大渇水を経験している福岡市。一般家庭でもその他の施設でも、水道の蛇口に「節水コマ」を取り付けて、一度にじゃーっと水が出ないようにするのは、あたりまえ。
 市内中心部には中水道も整備され、節水推進条例もあります。
 しかし、こう雨が降らないと、緑のカーテンのみならず、庭木の水遣りもままなりません。
 一昨年の6月に、節水推進条例が提案された際、家庭用の雨水貯留タンクの設置に対する助成制度をつくることを提案したところ、今年やっと、この助成制度がスタートしました。
 しかし、せっかくタンクを設置しても、雨が降らないとねえ・・・
 県内では、田植えを断念したところもあるとのこと。しかもJAの保険制度では、天候によって、作付けしたけれど収穫できなかった場合の保障制度はあっても、作付けできなかったことに対する保障制度はないとのこと。
 自然相手の農林水産業に対しては、様々な人智をつくしての支援が必要ですね。それはいろいろな意味で、「生きる」という営みに直結することですからね。
             



有害化学物質に囲まれて暮らす私たち

2005-04-13 23:27:44 | 環境
 今朝のテレビで、化学物質過敏症の子どもさんのことを特集していました。
 しばらく学校に行けないでいたけれど、始業式はがんばって行ってみた男の子。車でお母さんと校庭まで行ったけれど、人の多いところは防虫剤をはじめとしていろいろな化学物質が発散されているので、友達がいるところまでは近づけない。化学物質過敏症は神経が侵されるので、体の平衡感覚が保てず、まっすぐ立つことも歩くこともできず、お母さんと校長先生に両脇を抱えられて、校庭の隅で、始業式を見るだけの参加で精一杯の少年。この学校でも、一人でも困難を抱える子どもさんがいれば、学校に来られるように環境整備をしていきたいと思いいくつかの対策はとったが、身の回りで有毒な化学物質を揮発するものがあまりにも多く、学校単独の対策には限界もある、と校長先生も話されていました。
 2~3ヶ月前にも、日曜夜の11時台の30分番組でも化学物質化敏症を発症してしまった方々の暮らしの状況について特集していました。「よしよし」さんのブログでも、昨日は化学物質過敏症について書かれていましたね。
 化学物質過敏症というものがどういうものか、まだまだ知られていません。でもこうやってテレビなどで、具体的に市民に実態を知ってもらうことは重要だと思います。
 私も一昨年の議会質問でシックスクール・シックハウス対策について質問しました。化学物質過敏症対策は、発症予防と、発症してしまった方への支援策の両方が必要です。そして、両方に共通していえることは、とにかく、この世の中の化学物質を減らしていかなければ問題は解決しないということだと思います。
 国も、ホルムアルデヒドを含む建材の使用を制限する建築基準法の改正や、学校環境衛生の基準を改訂して、ホルムアルデヒドやトルエンなどの定期検査を行うよう、新たに規定するなど、取り組み始めていますが、さらに多くの化学物質の使用制限を法的に定めないと、実際には化学物質は減っていかないでしょう。 農薬や除草剤、防虫剤、家具の塗料や建材、パソコンからも、新聞や教科書をはじめとする印刷物のインクからも、有害化学物質が揮発し続ける中に、私たちは暮らしています。今、化学物質過敏症を発症していなくても、花粉症のように、来年突然発症するということだってあり得るのですから、誰にとっても人ごとではないはずです。
 福岡市でも、住宅建築の際の相談窓口で相談を受けたり、空気中の化学物質の測定器の貸し出しを行ったり、発症予防策として、行学校や保育園のワックスがけは、長期休暇中に行うとか、公民館等も含め、パラジクロルベンゼンのトイレボールは使わないなど、一定進めてきていることもあります。
 しかし、昨年視察で大阪に行った時、地下鉄のトイレに入ってびっくり!なんと10センチ×15センチ×厚さ3センチくらいの角型の巨大パラジクロルベンゼンが、洗面台の鏡の前に置いてあり、思わず絶句。まだこんなものを公共施設で使っているなんて!それほど、有害化学物質についての問題点が、一般化していないということだと思います。
 私たちみんなが健康に暮らしていくことのできる環境をつくっていくための問題として、これからも取り組んでいかなければ、と今朝のテレビを見てあらためて思いました。

やっぱり「ごみカレンダー」は必要です

2005-04-04 20:13:11 | 環境
 鹿児島大学に入学する次男の引越しの手伝いで、2日間、鹿児島市に行ってきました。
 つばめで博多から2時間20分、便利になりました。昨日は鹿児島中央駅に到着後すぐに駅前のダイエーに行き、当座の生活用品を買いました。ごみ袋のコーナーに行くと、透明な袋しか売っていないので、店員さんに聞いたところ、「分別はしなければいけませんが、入れるのはどれもこの透明の袋です」とのこと。
 次に、不動産屋さんに行き、契約を完了させて渡されたのは、カギと「ごみ出しカレンダー」。
 鹿児島市のごみ分別は、
 ①燃やせるごみ(生ゴミ・紙くず・ハギレ・雑巾・落ち葉・木切れ・紙オムツなど)、
 ②燃やせないごみ(おもちゃ・カセットテープなどのプラスチック類・皮革類・せともの・金属類・ガラス製品・小型電気製品・その他)、
 ③新聞、チラシ、段ボール(品目ごとにひもで束ねる)、
 ④紙箱・包装紙、雑誌類、紙パック、衣類(品目ごとにひもで束ねる。衣類は透明ビニール袋)、
 ⑤電球・蛍光灯、乾電池(それぞれ透明ビニール袋で)、
 ⑥缶・びん、ペットボトル(それぞれ透明ビニール袋で。つぶさない。プラスチック製のふたはプラスチック容器類へ、金属製のふたは燃やせないゴミへ)、
 ⑦プラスチック容器類(トレイ・発泡スチロール・シャンプー等の容器・レジ袋・卵パック・米やスナックなどの袋。きれいに洗って出す)、
 ⑧粗大ゴミ(電話申し込み)、の8種類。
 引越しのときは、大量のゴミがでます。特に新生活を始める時には、新しく買ったものは、ビニール袋に包まれ、緩衝材も含め、段ボールや紙箱に入っています。ゴミはその場で分別していかないと後が面倒なので、引越し荷物を開ける時には、手元にごみカレンダーがあって、それを見ながら荷物を開けつつ、ゴミを分別していくことが必要です。
 福岡市は、「人口が多いし、学生など単身者が多い」などいろいろな理由をつけて、分別の種類も増やさないし、紙ゴミの収集もしない。ゴミカレンダーの作成も「何種類も作らなければならないから」といって実施しません。行政が手間とお金を惜しんでいるだけ!
 まさに「生活って政治」(我がFネットのスローガン)を実感した一日でした。
 不動産屋さんからもらった「ゴミ出しカレンダー」は息子の日々の生活に必要なので、今朝私は鹿児島市役所まで行って、もう一部ゴミ出しカレンダーをもらってきました。とても見やすいので、福岡のみんなにも見せたいと思って。
 でも、休みの日まで仕事がらみで行動してしまう自分に対して、ちょっと複雑な気持ち。