監督: ウェイン・ブレア
出演: クリス・オダウド 、デボラ・メイルマン 、ジェシカ・マーボイ 、シャリ・セベンズ 、ミランダ・タプセル 、トリー・キトルズ 、エカ・ダービル
試写会場: 一ツ橋ホール
映画『ソウルガールズ』 公式サイトはこちら。
オーストラリアの先住民族アボリジニの4人組女性ボーカルグループ「サファイアズ」の実録ドラマ。1960年代末のオーストラリアで、人種差別などの壁を乗り越えながら音楽シーンで活躍していくサファイアズの姿を描いた。アボリジニ居住区に暮らすゲイル、シンシア、ジュリーの3姉妹といとこのケイは音楽好きで、カントリーミュージックのスター歌手になることを夢見ていた。しかし、世間にはいまだ差別意識が根強く残っており、コンテストに出場してもあえなく落選。そんな矢先に出会った自称ミュージシャンのデイヴからソウルミュージックを叩き込まれ、彼女たちの運命は大きく変わっていく。(映画.comより)
久しぶりに一ツ橋での試写が当選。仕事が新しくなってからはなかなか試写に行けない環境になっていましたからね。


当日は上映前にイベントが入ることがわかる。これは12月22日に行われるイベントの告知も兼ねたもので、ザ・サファイアズの日本版ミュージカルがあったらしい。
出演者7名が登壇、うち4名はザ・サファイアズの役で、赤いドレスに身を包んで3曲熱唱。
ただ・・・。 どうも日本人にソウルというジャンルの音楽は向かないんでしょうか。懸命に雰囲気を出しておられるのはわかるんですが、ソウルミュージックのコンセプトからしてピンと来ないだけに、これを日本人がするのはかなり厳しそう。まして今回は試写に来たお客さんなので、演じている側と鑑賞する側の温度差がどうしても出てしまう感は否めなかったような。
白豪主義が具体的に映画で紹介されることが珍しく、たぶんアボリジニ関連の映画というのも本当に少ないので、それだけでも貴重な歴史作品の要素を兼ねている。大体、白豪主義という言葉しか日本人はわかってはいないのではないだろうか。内容をやったとしても、さらっと歴史の時間にやったきりだと思いますので。
白豪主義 wiki
入植者による迫害・虐殺といった悲劇を経てきたアボリジニ。そして白人と同化させるために子どもを親から引き離すという凄まじいことも起こっていて、このエピソードがザ・サファイアズにも関わっている。そしてこんな音楽ユニットがあったとは全く知らなかった。
上映前の日本人キャストも歌っていて、映画の冒頭でも出てくる曲(曲名は忘れちゃったんですが、アボリジニに伝わる伝統的な曲でした)、そしてカントリー、ベトナムに行って本格的にソウル・ミュージックへと挑戦していく彼女たちの軌跡。当時のアボリジニに対しての目線も露骨に再現されて、彼女たちが受けるべき恩恵が横取りされたりとその苦労は並大抵ではないけど、そこから這い上がって名声を獲得していくサクセスストーリーでした。
アボリジニは白人からは差別されてもいたけど、その人種間の垣根を超えるというのも大変な苦労があり、しかもそれだけではなくてアボリジニ対黒人になってくるとまた別のニュアンスが生まれて来てしまうというのも初めてわかることで、とても一言では言い表せない複雑な関係が窺える。
またベトナム戦争にオーストラリアも参加していたのも、日本にとってはマイナーな歴史で、当時のオーストラリアのベトナム戦争に対してのスタンスなども知ることができ、歴史的にも参考になる作品。
ジュリー役の歌手ジェシカ・マーボイの歌が秀逸、映画に文字通りソウルを吹き込んでいる。
しかしながら話がサクセスストーリー、音楽、恋愛、家族の絆、人種問題と非常に盛りだくさん。多岐に渡り過ぎてしまって本筋であるべきの音楽に関してもうひと押し欲しかったという印象は否めない。伝えたいことはたぶん山ほどあって、その想いはとても溢れていたように思うんですが、どれが印象に残ったと問われると難しいかも。ただし非常にあたたかみがある作品で万人受けしやすく、貴重な歴史を映像化したものとして評価する人も多いように思う。
★★★ 3/5点
わたしは、2~2.5点かな。
おっしゃるとおり中途半端だったと思います。
アボリジニの歌はNgarra Burra Ferra。
読み方がわからないけど。
映画製作に関してはまだまだこれからな国なのかな?
内容としては2点台かもですが、歴史的な観点で評価しました・・・
って、それって映画としての評価じゃないよね。「いい作品」なので告げるのは酷ですが。
確かにあったかみがあって良かったです。
でもその分、ちょっとゆるくて、がつんと胸にくるものがなかったですねー
温かい作品なだけに、何を映画として伝えたいかがしっかりしてなかったのが残念でした。