原題 : Eva
監督 : キケ・マイジョ
出演 : クラウディア・ベガ、ダニエル・ブリュール、ルイス・オマール、アルベルト・アンマン
観賞劇場 : 横浜ブルク13
2012年ゴヤ賞(スペイン版アカデミー賞)にて、視覚効果賞ほか計3部門受賞
第9回ラテンビート映画祭『EVA < エヴァ >』 ページはこちら。
松竹「シッチェス映画祭」サイトはこちら。(2012年10月27日公開)
「シッチェス映画祭 ファンタスティック・セレクション」の6作品の中の1本として日本公開が決定している本作。
シッチェス映画祭とは、
「毎年10月に、スペイン・カタロニア地方で開催されているシッチェス映画祭。
SF、ホラーやサスペンスなどのジャンル映画を特化して扱う「世界三大ファンタスティック映画祭」の1つ」だそうである(公式サイトより)
その中から6本を選び、東京・大阪で1週間限定で上映されることになっている。
「スペイン産アンドロイドSF映画」ということですが、見た感じではそんなにホラー色は強くはない。むしろヒューマンドラマの要素が強いような気がする。
ダニエル・ブリュール演じるロボット・エンジニアが、実際彼が編み出したロボットや周囲の人間たちと交流していく中で、事実が明らかになって行く。
まずオープニングのCGが美しい。これはロボットの構造を視覚化したらしい?のだけど、他にも全体的に雪景色中心のこともあり、視覚に訴える映像が多い。
舞台としては近未来の2041年で、ロボットに関しては今よりもポピュラーになっているという前提だけど、自作ロボットに感情を入れるシーンに悪戦苦闘しているところが悩みどころなのだろう。感情のボリューム調整が難しいので、ともすると人間以上に感情のコントロールが効かなくなるけど、ロボットなりの着地点を見つけて居場所を確保する作業も彼らは行う。
そこまで普及してきているのに、ロボット自身が感情を支配していくにはまだまだ時間がかかるのだろう。
その証拠に「目を閉じたら何が見える?」がキーワードとなっている。ロボットなのにこんなに人間味あふれるセリフを耳元で聞いたら、びっくりして倒れてしまうのかもしれない。
このセリフは彼らができることの限界以上のことを要求されているからなのだろう。その意味では完全に人間にはなり切れてはいない。
ロボットそのものの開発に加えて、アレックスの過去とエヴァとの関連も加わってくる。繊細なアレックスとエヴァとの交流が始まっていく様はあくまで自然だ。彼らの周辺を取り巻く流れるような愛の話と、近未来のロボットの話との融合、ここはうまく考えている。
終わってみても違和感がなく、そんな未来があるのかもしれないと思わせると同時に、「ロボットであっても心がある」ことが当たり前になったら人間との愛も可能になるのか、そんなことを考えたりもする。
ダニエル・ブリュールくんはスペイン語が話せるので、これからも役を広げそうですね。
★★★★ 4/5点
ラストがえー?という感じだったので普通評価しちゃいましたけど、全体的な雰囲気は好きなほうです。
エヴァ役の女の子が作品の雰囲気に合ってて可愛かったですね。
そこに至るまでの、心のやり取りが好きな作品です。
エヴァちゃん、どんぴしゃでしたね。