Nice One!! @goo

観たい映画だけしか観てません。今忙しいんでいろいろ放置

【TIFF_2012】『オアシスからの最後通告』 (2011) / アメリカ

2012-10-20 | 洋画(あ行)


原題: Last Call at the Oasis
監督: ジェシカ・ユー
出演: エリン・ブロコビッチ

"Last Call at the Oasis" サイトはこちら(英語)

第25回東京国際映画祭『オアシスからの最後通告』ページはこちら。





今年もTIFFが始まりました。
今年からはチケットの販売方法が大幅に変わり、電子チケットになったことで、どうなることかと思いましたが、蓋を開けてみると(自分的には)大きな混乱もなく、希望のものはほぼ購入出来ています。
例年のように、コンペ、World Cinema、 natural TIFFメインに観賞します。










今年の1本目はこちら。実はこの日は観たいのがこれ1本だけだったんで、迷って後から買い足した分なんですが、環境系はやっぱり貴重な作品だと思いましたので行くことに。



本作は、地球上で不足が必至とされている水資源を取り上げたドキュメンタリー。
世界では水資源が枯渇している地域が多数ある一方、水道の蛇口を捻ればいくらでも水が出てくるにも関わらずボトル飲料水しか飲まない国もある。
このアンバランスを放置すれば、そう遠くない将来、水を巡って紛争が起こるだろうと言われている。地球規模の気候変動、環境汚染、地下資源の減少、人口増加などが水資源を減らす原因となっている。

内容としてはいくつかのパートに分かれている。それぞれ盛りだくさんな内容となっており、どれも水資源問題が共通項となっているが、1つ1つの内容は濃い目のため、ともするとどれもが映画のメインとしても使えてしまいそうなボリュームでもある。
しかしそれは、そのどれもが水資源を枯渇させないために必要だから盛り込まれている。問題解決の糸口は一元的な問題ではなくなっているのだ。

エリン・ブロコビッチについてはもはや説明は不要だけど、彼女がここで登場してくると途端にインパクトが増す。それだけ水資源保護が重要なことを訴えているし、そうでもしないと関心を持ってもらえないのかもしれない。アメリカで遊興地に噴水が惜しげもなく使われ、人々は水で遊び、申し合わせたようにペットボトルの水を飲む。その生活では水資源は守れないが、残念なことに水をふんだんに使う生活に慣れた人はこの習慣が変えられない。

使用可能な水の量よりも消費する水の量が多いということは必然的に資源が枯渇する訳で、それに対しての抜本的な対策を考えた時に当然として出てくるのは節水だけど、それでは追いつかない。そこで出てきたのが「再生飲料水」。これは宇宙ステーションでも行われていることで、端的に言えば尿を再生した飲料水のことである。
もちろん再生飲料水自体は清潔なものだけど、由来を聞けば避ける人が出てきても無理はない。が、しかし、これを取り入れないと水資源が守れないのだ。
心理学的見地から、イメージによって人はある物事に触れようかそうでないかを決めるし、触れる回数が多いほど受け入れられるようになって行くという説を出し、それでは再生飲料水に対してのイメージをよくしよう、というところからプロジェクトは始まって行く。誰にでも好かれ、信頼のおけるこの人(→ネタばれなのでクリックは自己責任で)をイメージキャラクターに持ってきたのには笑えた。こういう戦略が上手いですね。水が不足しているからここまでする訳で、では自分たちは何ができるかという視点。

そしてこの事実には他に、グローバル企業による水質汚染や世界の異常気象など、大規模に解決しなければならない問題が付いて回る。その中で印象的だったのは「水を巡る団結」、イスラエル・ヨルダン・パレスチナからプロジェクトに参加した人たちが将来を憂いて協力していく姿勢には頭が下がる。
どんなに時代が破壊に向かおうとも、それを引き止めたい力は必ず存在している。水に関してはかなり自由に消費可能な日本人にも参考になる作品だろう。


★★★☆ 3.5/5点






最新の画像もっと見る

4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは☆ (ひろちゃん)
2012-10-24 23:55:40
先日はありがとうございました^^
愚痴ってすみませんでした(苦笑)

忙しい中、ご覧になったこの作品、ドキュメンタリーとのことですが、きちんち感想書かれてるから、睡魔は来なかったのかな?(笑)
ドキュメンタリー苦手な私なら、うとうとしちゃうかも(汗)

この人が気になって見てみたら・・・なるほど、誰にでも好かれるし、信頼もおけますね^^

3.5ってことは映画としての面白さは、普通だけど
感想記事から考えると、観て良かったってことですね。

確かに、水に関しては、日本って恵まれていますもんね。

映画中に残念な対応って言うのはこの日じゃないんですよね?
返信する
ひろちゃん (rose_chocolat)
2012-10-25 00:12:10
いえいえ、お話できて楽しかったですよ~。
またご飯しましょう!

一応ちゃんと観れましたよ。がんばった(笑)
「この人」、サプライズで出てきたんだけど、とってもいい起用の仕方で面白かったです。

何で★3.5かというと、映画としてはいいのですが少々詰め込み過ぎの部分があったことですね。割といっぱいトピックがあってね。
どれも大事なことなんで入れていると思うから、さーっと見るのは必要だと思うけど・・・。
これはアメリカの話だけど、日本も相当水に関しては無頓着というか、気にしないでどんどん使うでしょう?参考になると思いました。

残念な対応は22日でした(苦笑)気が向いたら書きます。
返信する
 (とらねこ)
2012-10-28 10:30:12
へー、水に関するドキュメンタリーなんですね。
ちゃんと面白そうな内容のNatural TIFFをご覧になっているんですね。
水って、生活する上で無くてはならないものですもんね。電気・ガスの無いところも、まず水道から引くし。
尿を再生って聞くとやっぱりエッと思っちゃう私がいましたが。こんなところも、無知な我々に、少しづつでも理解を促さなければいけない理由、なんですよね。
返信する
とらねこさん (rose_chocolat)
2012-10-30 16:14:36
natural TIFF部門は前から結構好きでしてね。こういう真面目ーな話は好きです。
実際、ここでしか観れない作品が多いしね。そういう意味じゃすごく貴重。
これもテーマが「水」。みんなに知っておいてほしい内容ばかりでしたね。
返信する

post a comment