ROOM210-付録

10年ぶりブログ復活!

YAMAHA NS-10M STUDIOレストア 後編

2022年07月29日 | オーディオ
やっとですね。NS-10M STUDIOのレストアが完了しました。
エンクロージャーは元々完璧だし、ウーファーもそのまま使用してネットワークのコンデンサーを交換するだけだったはずですが・・・・

ネットワークの様子

例のU-CON電解コンデンサーがまた劣化してます。
まぁ3μFちょいなので良い方なのですが。。
それでもクロスオーバー周波数は狂ってるし、耐圧も下がってるはずです。
今回もフィルムに交換してケーブルも新しくしました。

後はエッジ軟化剤を塗って終わりだったはずなんですが!!!
コーンに軟化剤が付いてシミになってしまいました。(号泣)
軟化剤を塗るときは気をつけましょう。。


結局シミが落ちないのでやりたく無かったのですが漂白する事に。
1回目漂白の様子です。
ムラが出て漂白前よりかなり酷くなっています。

結局3回漂白しました。
もう一回漂白すれば綺麗になるとは思うのですが、コーン紙にダメージも有るのでこの辺で

こんな感じ
結構綺麗になりました。
レストア前はNS-10M Proと結構音が違ってチープな感じでしたが、レストア後はほぼNS-10M Proと一緒になりました。


NS-10Mに関するまとめを製作しました
      ↓(下をクリック!)
NS-10Mまとめ
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機材紹介でも・・・

2022年06月21日 | オーディオ
そういえばオーディオカテゴリーが有りながら機材紹介なんてのやってなかったなと。
最近なにかと時間なくてレストア作業も止まってますので、機材紹介でまたもやお茶濁しておきます。

まぁ私の場合オーディオマニアと言うにはあまりにも薄っぺらいので、紹介する程の立派な機材は無いのですが。。。
他にもっともっとお金かかる趣味やってますので、オーディオの方はお金かけず細々やってます。
このオーディオカテゴリーも「PCスピーカーを探す旅」から始まって、いつの間にか修理屋やってるという・・・これだけでまともなオーディオマニアでは無い事がおわかり頂けると思います。

なんせですね。
オーディオマニアに必須であるリスニングルームが無い!! これは致命的です。。
見ての通りあくまでも机上のPCスピーカーなんですよね。
この置き方ではB&W707が悲しいほどうまく鳴ってくれません。
スピーカーを逆さまにしたり、ダクトを完全塞いだり、吸音材を背面と左側に貼り付けたり苦労してますが、まだまだ全然駄目です。
ただしスピーカーの間に頭を突っ込んでヘッドフォンのような超近接で聴くとこれが良いんですよ!
まるで箱庭のような音場が目の前に広がり、夜の遅い時間でも小音量で結構聴けます。

NS-10Mの方は頭を突っ込んでも箱庭が広がってくれません。。
ボーカルの艶感も解像度もB&W707には全くかないませんが、B&Wより難しさが全く無いのでこんな配置でもバランス良く鳴ってくれます。
ただ厳密に言うと、同じNS-10Mでも上の段に置くのと、下の段に置くのでは高域の伸びと広がりが違うんです。
難しいです。。。

NS-10MとB&W707の使い分けはソースによります。
音源によってはNS-10Mはきつい事もありますし、B&W707はもっさりする事も有ります。
まぁ正反対のキャラのスピーカーが有ればいろんな音源に対応出来ます。

パワーアンプはPanasonic SE-TX100
これ結構な大型で、以前のPioneerアンプが入っていたラックに収まりきらず机の下に置いてます。(号泣)
プリアンプ兼DACがLOCJIE D30。
アンプ類はこんだけです。。
まぁCD類はPCのHDDの中なんですけど、わたくし家では殆どCD音源を聴く事が有りません。
聴いているのは99.99%YoutubeやYoutube Musicなんです。
主に素人演奏や、日本じゃ販売されていない音源や、ライブ音源などを聴いてます。
YoutubeMusicの良いところは自分の好みの音楽を適当に見繕って流してくれる所と、世界中の音楽が聴けるんですよね。
たまにドストライクの音楽が流れてきた時には嬉しいもんです。

あ、気に入ったらCD買うかダウンロードしますよ。(買える音源なら)
でも買った物は車用ですね。。

ちなみにここ数年で一番気に入ってるPVはこれ。
Doja Catの「Say So」です。
アンプを修理している横で女の子がうねうね誘惑・・・素晴らしい。


これはサブウーファー

今は無きONKYOのSKW-320で、NS-10Mを聴く時は必需品です。
これは20cmウーファーを対向配置した密閉型の珍しいサブウーファーです。
今までいろんなサブウーファーを買いましたが、これは音の遅れも少なくNS-10Mとのつながりもばっちりで気に入ってます。


これは以前使ってたSOUNDAVOのDACです。
真空管を両面テープでくっつけて下からオレンジLEDで照らしたらこれ結構良い雰囲気なんですよ。
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YAMAHA NS-10M 9号機予告・・・

2022年06月06日 | オーディオ
blog放置してすみません。。。
何かと忙しいのもありますが、とうとう恐ろしい物に手を出してしまい四苦八苦しております。
作業が全然進んでないので、とりあえず「予告」という事でお茶を濁しておきます。
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YAMAHA NS-10M STUDIO 前編

2022年04月24日 | オーディオ
もうですね。。
NS-10Mは卒業したはずだったのですが・・・
とうとう12台目のNS-10M。
しかもSTUDIOが我が家にやって来ました!
バカです・・・
10Mシリーズコンプリート記念にレストア前の画像アップしておきます。
最近は自転車の改造に労力と場所を取られていますので、このSTUDIOがレストアされるのはちょい後回しになりそうですが。

残念ながら右側ウーファーのセンターキャップに凹みが有りますが、それ以外は程度が凄く良いです。
特にエンクロージャーは奇蹟的な綺麗さで、音もまぁまぁ。
レストアですが、センターキャップ吸い出しとコンデンサー交換とエッジ軟化ぐらいにとどめておこうかと思います。

NS-10M PROと並べてみました。
違いはウーファーの向きとサランネットが無いだけなんですけど、何故かSTUDIOの方が人気高いんですよね。

この状態での音ですが、レストアされたPROに比べると薄っぺらい音です。
まぁレイアウトの差による所もありますが、おそらくコンデンサーとエッジでしょう。
(何故か上の段に置くと高音が盛り上がって音が左右に広がるんです。リスニングルーム欲しい。。号泣)
つづく・・
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NS-10M レストア エンクロージャー編

2022年04月12日 | オーディオ
NS-10Mレストアエンクロージャー編です。
これもそんなにノウハウは無いし、あまり写真も残ってないのですが、とりあえずアップします。

まずはNS-10Mのエンクロージャーを解説。
今時のエンクロージャーの殆どは木に木目調などのシートを貼り付けた物が殆どですが、NS-10Mはなんと本物突き板+黒色塗装なんです。
今では高級スピーカーにしか使用されていない突き板を当時こんな安価なスピーカーに使用していたなんてすげ~贅沢です。
今まで私が所有したスピーカーの中で突き板仕様はこのNS-10MとB&WのCDM1だけでした。
JBL 4312は黒色シートでしたが、あれはあれで業務用っぽくて良かったです。

しかしですね。
木目を生かす為かもしれませんが塗装が薄い!
使っているとすぐ禿げるんです。。
年老いたNS-10Mの殆どはこんな感じ。


レストアは古い塗装を落として新しく塗るだけです。
車や楽器の塗装と比べて、目止めやプライマーやプラサフやクリアーなんて必要ないですから簡単!

殆どの個体は底面、天板、側面の4面を塗れば綺麗になりますが、酷い物は前面も塗ります。
4面の場合は前面、背面にマスキングをします。
5面の場合はさらにスピーカー部分と「YAMAHA」銘板もマスキングします。

凹んだ所にはパテを盛ります。
浅い部分はペースト状のパテが使いやすいですが、深い傷や欠落した部分には練るタイプのエポキシパテがカチカチに堅くなるので便利です。
乾いたらカッターナイフで大まかに整形します。


マスキングが終わると紙やすりで古い塗装を取り除きます。
元の塗装が残らないぐらい取り除いた方が仕上がりが良い気がします。
軽くサンディングも行いましたが、木目が消えてしまう事が有りましたので、木目が出てくるぐらい取り除いた方が良さそうです。
正面は銘板が有りますのであまり深くはサンディング出来ません。


サンディングが終わると塗装です。
私は下処理無しでそのまま塗ってました。
塗料はラッカータイプです。
楽器なんかは音の響きが良いとかでラッカーが最適とされていますが、私の場合は単に耐久性と、薄く仕上げる事が出来るので木目を生かすには最適かと。
出来れば暖かい時に塗装した方が木目が出やすいと思います。
また厚く塗りすぎると木目が無くなりますので、塗りすぎに注意!

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YAMAHA NS-10M レストア ツイーター編

2022年03月26日 | オーディオ
ちょいと色々有りましてblogの更新が止まってました・・<(_ _)>
今回はツイーターのレストアです。

まぁツイーターに関してはあまりノウハウ無いんですけど、とりあえず参考までに。
ツイーターのレストアで一番大変なのが金網の取り外し。
下手をするとすぐ変形してしまいます。

まずは金網のまわりのゴムを取り除きます。
プラスチックに傷を付けないように・・・



ピンセットを突っ込み、少しずつ金網を浮かせていきます。
一気に持ち上げると金網が変形しますので、少しずつです。。

差し込むピンの数が少ないと、一カ所に力が集中して金網が変形してしまいますので、複数のピンセットを差し込んだ方が良いかもです。

金網が外れたらマイナスの精密ドライバーで溝に残った接着剤を取り除きます。
あとはホコリを軽く払ってアーマーオールで綺麗にします。

こんな状態が

こんな綺麗に

アーマーオールを塗布した直後は塗れた感じになりますが、時間が経てばなじんで綺麗になります。
このアーマーオール ゴムや樹脂部品を新品のように綺麗にしてくれますので、レストアには必需品です。
エッジに塗って軟化させる事も出来ますので是非1本・・

ドーム部分と金網がはまっていた溝の掃除をしたら、セメダインスーパーXを少量流し込んで外した部品を接着します。



これで終了。
ウーファーに比べると結構楽です。
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YAMAHA NS-10M レストアまとめ ウーファー編

2022年02月24日 | オーディオ
レストアまとめ ウーファー編です。
純白のウーファーに憧れたNS-10M・・・・・残念ながら殆どの個体のウーファーは黄色くなり、シミの酷い個体も少なくありません。
人もスピーカーも歳には勝てないと言う事で・・・・号泣
そこで誰もが純白のコーン紙にレストアしたいはず。
しかし私はあえて言います。 やめときなはれ!
少々黄色い程度のウーファーでしたらそのまま使った方が絶対良いです。
いや、でも黄バミの酷いウーファーのNS-10MなんてNS-10Mじゃない!!
と言われる方は是非ダメ元で頑張って頂きたいです。
そんな人の為に私が14台購入して経験した事をアップ致します。
コーンを白くする方法は
  ・漂白
  ・着色
の二通り有ります。 それぞれのメリット、デメリットは
漂白のメリットは
・ナチュラルな仕上がり。
 うまく行くと何も施してない純正かと思う程自然な仕上がりになります。
・ローコスト!
漂白のデメリットは
・なかなか簡単には白くなりません。。
・失敗すると黄色のムラが出来る
・エッジ軟化剤と反応して黒くなる事が有る
・コーン紙が変形する場合あり
着色のメリットは
・真っ白になる! 漂白より遙かに白い!
・コーン紙が変形しにくい
着色のデメリットは
・専用塗料が容量の割に結構なお値段
・ハケの塗り筋(刷毛目)が残る
・黒い塗装部との塗り分けが大変・・・・
・遠目で見ると最高ですが、近くで見ると厚化粧バレバレ塗った感満載。
・コーンの状態によっては時間がたつとコーンの汚れが表面に浮き出る場合あり。

結局、私なら黄ばみの少ない個体は漂白し、黄ばみの酷い個体は軽く漂白後に着色するかもです。

では漂白についてノウハウを
1,漂白剤は金属に悪影響の無い酸素系を!
  塩素系の方が強力なんですけど、金属部への影響を考えたら酸素系ですね。

2,エッジ軟化剤を塗る前に漂白します。
  エッジ軟化剤を先に塗ると漂白剤が反応して黒くなる事が有るので注意!
  エッジは堅い方がコーン紙が歪みにくいので、軟化剤は後から!

3,スピーカーにラップを巻いてコーンの所だけくりぬいてマスキングをします。
  漂白剤は20cmぐらい離して均一に吹きかけます。
  近距離で吹きかけるとマスキングは不要ですが、ムラが出てマダラになります。。。

4,溜まった漂白剤は注射器かスポイトで吸い取ります。
  真水を霧吹きで吹いて漂白剤を中和します。
  コーンの裏側に黄色いマダラ模様が出来る事が有ります。
  マダラ模様が出来たらコーンの裏側から水の霧吹きで汚れを取り除いてください。
5,黄ばみが多いと一度で綺麗になりません。
  黄ばみが残っているようでも乾くと綺麗になる事が有りますので、一旦乾かして下さい。
  乾かしてもまだ黄ばみの有る場合は二度目の漂白を行います。
  黄ばみが酷い場合は3~4回繰り返します。
  ちなみに寒い既設よりは暖かい季節の方が漂白力が強い気がします。
6,コーン紙はデリケートですので、ゴシゴシこすってはいけません!
  こするとすぐ毛羽立ちます

7,漂白はコーンの歪みとの戦い。
  とにかく塗らすとコーンはふにゃふにゃになります。
  漂白を繰り返すと歪みも多くなります。

  通常は裏返して乾燥させればそんなに歪みは生じませんが、半乾きの時にコーン紙を斜め横から見て歪んでいるようでしたら補正します。
酷い場合は凹んだエッジの裏側に綿棒を立ててエッジの補正をします。
  コーンが出っ張っている場合はマグネットシートを丸めて上に置く手も有ります。

 

  下の写真は元々綺麗な固体だったのですが、軽く漂白・・・と接近して吹いたらこんな事に。
  悪い見本例です。。。
  マスキングがめんどくさかったので、マスキングせず接近して漂白剤吹いたら激しくムラになりました。
  しかも先にエッジ軟化剤を塗っていたので、周辺が黒くなっています。
  元々まぁまぁ綺麗な個体だっただけに、やらなければ良かったパターン。
  はっきり言って漂白は難しいです。

着色についてノウハウを
私が使用した着色剤はヤフオクに出品されているymsa3511さんの着色剤です。
商品説明は
■本着色剤は、乾燥後、コーン紙の重さをなるべく変化さない様質量が軽い
染料主成分カーボン系をベース。
調合にミネラル分をろ過した純水を使用、乾燥後の質量変化は、ほぼないに等しく、同時にコーン紙を硬化もしくは軟化させるような特性もありません。
よって、音質に与える影響もほぼありません。
とあります。
専用のハケ2本や脱脂用アルコール付き脱脂綿、綿棒なども付属しています。
1,脱脂
この塗料は水性なので、脂分があると塗料を弾いてしまいます。
私は無水エタノールで脱脂しました。
軽く漂白させて脱脂するのも良いかもです。

2,重ね塗り
コーン紙の黄ばみが酷い場合、一度では黄ばみが隠れないので重ね塗りする事になりますが、この重ね塗りが難しい・・・
2回目を塗ると、1回目の塗料が溶けて下地が見えてしまいます。
下地がえぐり取られる感じなので、ポンポンと叩くように塗ると厚塗り出来るのですが、塗装面がデコボコに。。
塗料を薄めて塗るとせっかく塗った下地が溶けるし。
難しいです。




3,黒色塗装部分
センターキャップの接着や、リード線の保護用に塗られている黒色塗料部分もついつい白色に塗ってしまうんです。。
良く乾いてから爪楊枝でゴシゴシ白色塗料を落とすか、黒色ペンキで塗るかしなくてはいけません。
これ結構めんどくさいです。

4,サンドペーパーかけ
刷毛目のデコボコを目立たなくする為に1000番程度のサンドペーパーをかけます。
酷い場合は600番で良いかも。
これも大変な作業なのである程度刷毛目が目立たなくなるともういいや!ってなります。
センターキャップが凹んでいる場合
センターキャップを少し湿らせて掃除機で吸います。
いきなりフルパワーで吸うと悲惨な事になりそうですので、「弱」から様子を見ながら吸ってみて下さい。
完璧には戻りませんが、目立たなく出来ます。

コーンが破れている場合
コーンが薄いので結構破れている事が有るんですよ。
最初に買った1台は買って到着後に破れている事を知り、結構がっかりしました。
変色しにくい障子用糊を薄めて傷口に裏表から塗ればとりあえず空気が漏れたりビビったりする事も無くなります。
エッジ軟化剤
1,軟化剤
ブレーキフルードの流用です。
私が使っているのは(株)デイトナ社製DOT-4(100mL)です。
これ
https://www.daytona.co.jp/products/single-78023-genre
鉱物系、シリコーン系、グリコールエーテル系とか色々有りますが、私が使って効果が出たのはグリコールエーテル系です。(他のは使ってないので効果不明)

2,塗る順番
エッジ軟化剤は最後の処置です。
上に書いたように漂白剤と反応して黒くなるので、最後に行う方が良いです。

3,塗布方法
綿棒に染みこませ、エッジの裏側にまんべんなく塗布します。
塗りむらが有ると、エッジが変形してしまいます。
コーン紙や塗装部分には絶対に塗らないようにして下さい。
悲しいシミが出来てしまいます。。
塗布後3~4日経てば(寒い時期)エッジはふにゃふにゃになります。

とまぁこんな感じで、色々失敗しながらレストアしてきた訳なんです。号泣・・
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YAMAHA NS-10Mレストアまとめ ネットワーク編

2022年02月07日 | オーディオ
さていよいよレストアのまとめに入ります。
第一弾はネットワーク。
ちなみに言っておきますが、「チューン」ではなく「レストア」ですのでお間違えなく。。。

レストア内容はコンデンサーと端子です。
例のクソ電解コンデンサーだけは交換した方が良いし、あのショボい端子もあり得ないですから。。
ただしPROやSTUDIOや10MXや10MTは元々良い端子が付いているので交換する必要は無いと思います。

まずネットワークの取り外しですが、スピーカーを外してリード線を外します。
ケーブルを交換するのであれば切断すれば良いのですが、ケーブルをそのまま使うのであれば半田を吸い取って切断せずに外します。

何故かと言うと、古いケーブルを切断して再び半田付けしようと思っても、被覆をむくと芯線が見ての通り錆びてます。。
この状態ですと新しい半田が付きにくいので新しいケーブルに交換して下さい。


グラスウールを引っぱり出す時は必ずビニールの手袋をして作業をして下さい。
結構チクチク来ます!

ネットワークを固定している6個のM4ナットを外してネットワークを取り出します。
ツイーター用電解コンデンサーのリード線を切断してテスターで容量を測定してみて下さい。
古い機種だと多い容量を示すと思います。
測定器によって示す値はバラバラですが、容量専用測定器でもかなり多めを示します。。
接続
回路はこの通り12db/oct クロスオーバー2KHzです。


端子交換
端子の取り外しですが、接着剤の裏にM4ビスの頭が隠れていますので、接着剤を除去してネジを外せば簡単に取り外し出来ます。


新しい端子は同じくM4ネジタイプにすれば無改造で取り付け出来ます。



問題のコンデンサー交換!
コンデンサーはリード線を切断し、ビニールの被覆カバーをカッターで切断して中身を取り出します。
後から接着されたカバーを引きはがします。


コンデンサーはフィルムまたはバイポーラ(両極性)の電解コンデンサーを使用します。
ツイーター用は2.7μFを2個並列で5.4μFとして使用していますが、2.7μFのバイポーラだなんて滅多に売られていないと思われますので、自分は2.2μF+2.2μF+1.0μFの合成で5.4μFにしました。
後半のレストアでは4.7μF+0.68μF=5.38μFにしました。
誤差が有りますが、電解コンデンサーなんて誤差10%~20%が普通ですので、問題は無いと思います。(元々が酷い誤差ですから・・・)

フィルムコンデンサーと電解コンデンサーの選択肢が有りますが、価格とサイズ以外はすべての項目に関してフィルムコンデンサーの方が優秀です。
但し電気的特性が良い方が音が良いのかと言われると・・・不明??
この辺は両方を比べて見れば良いのですが、私はやっていません。
とりあえず私は電気的特性に優れたフィルムを使用しました。

コンデンサーの耐圧ですが、50Vも有れば電気的には問題無いと思うのですが、耐圧の大きい方がESRが低くダンピングファクターの点で有利になりますので、200V以上を使った方が良いです。
ちなみにツイーター用U-CON製コンデンサー(標準の物)は耐圧160Vです。
ウーファー用が50Vです。
私は630Vと400Vを使用しました。
まぁダンピングファクターが大きいとNS-10Mの音が良くなるのかと言われると??ですが。。

出来上がり
シズキとpanasonicのフィルム

こんなバージョンも

4.7μF+0.68μF=5.38μF時代
新しいコンデンサーは接着剤で固定する事も忘れないように!
RとLを間違えないように取り付けて下さい!!
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YAMAHA NS-10M まとめ

2022年01月21日 | オーディオ
という事で、NS-10Mシリーズにドはまりしてあれよあれよと言う間に14台も買ってしまいました・・・
そろそろレストアも飽きてきましたし、家族の目が厳しいのでこの辺でまとめたいと思います。
長くなるのでNS-10Mの基本的な特徴は他のサイトを見て下さい。

・NS-10Mにはまった理由
最初に聴いた時は「なんじゃこりゃ!?」な酷い音でした。
低音も高音も出ないし、なんせ拡声器臭が酷い。。
ところがレストアして聴くと結構好きな感じになりました。
明るく乾いてスピード感の有る音・・・以前使用していたJBL 4312Aにも似たキャラなんです。
(そういえば4312Aもモニタースピーカーだよなぁ・・)
私は基本的にDTMなどで製作されたコンピューターミュージックというかダンスミュージックが大好きで、とにかく音の立ち上がりと言うかアタック音が気持ち良い人なのでNS-10Mが合うんでしょうね。
低域の締まりが特徴的な80年代シティポップもNS-10Mに合うと思います。

メインで使ってるB&W 707S2とは真逆なキャラなので、ソースによって使い分ける事にしました。
NS-10Mは低音が出ない欠点は有りますがサブウーファーとの相性はバッチリで、能率高い系の音にサブウーファーは実につながりが宜しいです。
オーディオ的にはB&W 707S2の方が良い音なんですけど、NS-10Mの方が音楽を気持ち良く聞かせてくれます。
とはいえ同じスピーカーばかり14台も必要ない訳で。。
結局レストアが楽しい機器だったと言う事でした。

・NS-10Mの欠点
古いNS-10Mの音は劣化による音のバラツキが酷いんです。
一番の原因はツイーター用U-CON製電解コンデンサーの劣化が酷い事です。
定格は2.7μFですが、古くなるにつれて容量が上昇し14μFにもなる個体が有ります。
さらに酷い物は漏れ電流が多く測定器で測定不能な物が2台有りました。
比較的新しい後期物でも容量40%アップでしたので、電界コンデンサーとしてはアウトです。
ちなみに極初期製の物にはニチコンの電解コンデンサーが使用されているので問題ありません。
電解コンデンサーと言うと普通は液漏れによる容量抜け(容量が少なくなる)が多いのですが、このU-CONコンデンサーはすべて容量アップしています。
調べてみると容量アップする事も有るそうです。
コンデンサーの容量CはC=εS/dなので、電解液が抜けてディスタンスdが小さくなってCが増えると言う事なのかな??
証拠に直流電圧を印加していくと、定格より遙かに低い電圧でショートモードになります。
おそらくクリアランスが少なくなり耐圧が下がったものと思われます。

下の写真がその状態。
見る人が見ればわかると思いますが、3.1Vかけたら電流が流れてカレントリミット状態になってます。
トホホ・・・こりゃツイーター直結状態ですな。

まぁこのコンデンサーはESRも小さくNS-10Mのキャラクターを作った要因のひとつでしょうが、あまりにも劣化が酷いのでレストアでは真っ先に交換しなくてはいけない部品です。
ちなみにオープンリールデッキを修理した時に壊れていた部品もインダクションモーター進相用のU-CON製コンデンサでした。。。

テスターの抵抗レンジでコンデンサーを当たると何故か抵抗が出る。 もはやこれはコンデンサーの特性ではありません。

ついでに周波数特性を測ってみたり

いろんな測定器も使ってみたけどやはりまともな値は示しません


他には
ウーファーのコーンが黄色くなる。
ケーブルを接続する端子がショボい

エンクロージャーは本物突き板仕様なので豪華なのですが、塗装が薄いので傷つきやすく殆どの古い個体は色が禿げたり傷が付いています。

「YAMAHA」の銘板が斜めになっている事が有る。最初からなのかは不明。

ウーファーのクロスエッジが堅くなっている物が多い
ネジが緩んでいる物も多い。
ウーファーのコーンが歪んでいる事が有る。
最初は漂白の失敗かと思いましたが、古くなると経年で歪むんでしょうね。
まぁ音にはあまり関係ないみたいです。


・NS-10Mの兄弟は?
NS-10Mの兄弟には次の物があります
① NS-10M(基本的な物)
② NS-10M Pro
③ NS-10M Studio
④ NS-10MC
⑤ NS-10MX
⑥ NS-10MT
詳しいスペックは他のサイトを見て下さい。
私が持っているのは10MC以外すべてです。
10Studio、10Pro、MCは取り付けの差とかサランネットの有る無しなので音的には殆ど一緒です。
10MXは防磁型になり、ツイーターのフレームが大きくなりましたが振動板は同じ物に見えます。ウーファーも振動板は一緒です。
10MTはバスレフ型になり、エンクロージャーもユニットもネットワークもすべて違います。
はっきり言って10MPro、10Studio、10MXの差は私の耳ではわかりませんでした・・・
ただスピーカーセレクターで瞬時に切り替えるとノーマル10MよりPro、10Studio、10MXの中高音がスッキリしているのがわかります。

10MTも10Mシリーズのキャラクターを引き継いでいますが、バスレフで容量が大きいぶん、ボーカルなど全体的に厚みが有ります。
かといって低音がズンズン出るわけでもありません。
まぁこの辺は好みですね・・・

古いNS-10Mを購入する時の注意点

エンクロージャーの傷は埋めたり塗ったりで何とかなります。
端子も簡単に交換ができます。
特に初期の物は音の個体差が大きいので、コンデンサー交換は必須。
(極初期のニチコン電解コンデンサー仕様なら交換不要)
内部に湿気が溜まりやすいので、外から見て錆の多い物は内部はもっと酷い事に。
(結構カビも多いです)

とにかくウーファーの状態ですね。
あまりにも黄色いのは大変です。
センターキャップのへこみ程度なら問題有りません。
糊で塞げる事の出来る程度の傷なら修復可能。奥が見える穴は無理。
コーンを押して動かないのはマグネットずれ。 修理超大変
音の出ないのは絶望的

やっぱ何もしなくて良い状態が一番!

各部のレストアをまとめましたので興味ある方は下記のリンクをクリックしてみて下さい
ウーファーレストアまとめ
ツイーターレストアまとめ
ネットワークレストアまとめ
エンクロージャーレストアまとめ

コメント (3)
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YAMAHA NS-10M 8号機レストア

2022年01月14日 | オーディオ
もうですね。。。
私自身も飽きてきましたがNS-10M 8号機買ってしまいました。
もうそろそろ家族から何か言われそうです。
こんな状態・・・もう止めにします!


今回はSerNo30万台のかなり後期モデル。
程度もまぁまぁです。

しかしこれ、2台共にYAMAHAの銘板が斜めに貼り付けられています。
しかも斜めに貼って有るスピーカーはこれで2組目の所有ですよ。
ネットでも斜めに貼られた個体を見た事も有りますし何なんでしょうね??
経年でずれたようには見えないし・・・

今回の個体は
 ・最終モデル
 ・ボディ 凹み スレ多数。
 ・ツイーター まぁまぁ綺麗
 ・ウーファー まぁまぁ綺麗。 
  ちょっと黄色いので漂白するか、オリジナルのままにするか・・・悩
  エッジは固め
 ・音 さすがに後期モデル。結構普通。 


いつものようにバラして問題のツイーター用電解コンデンサー(正規2.7μF)を測定します。
 1個目 3.8μF
 2個目  3.6μF
 3個目  3.8μF
 4個目  3.3μF


後期モデルだけあって劣化度も低め。
ただし40%も容量が違うのでコンデンサーとしては全く駄目ですね。
これもフィルムに交換です。
いつものように端子も新品に交換


エンクロージャーは上下左右の4面をサンディングして塗装。
これもまた7号機同様、寒い時期に塗ったのが悪かったのか、塗装がうまくなじまず木目が埋まってしまいました。
塗装30点

ツイーターは綺麗でしたが、分解のコツを覚えたのでバラして綺麗にしました。

ウーファーはこのままでも良いかと思いましたがやはり軽く漂白しました。
エッジはブレーキフルードで軟化

完成!!
上は1号機で、下が8号機です。

結構良くなりました。
音はいつものNS-10Mの音です。
ビフォー

アフター

(毎回書きますが、周波数特性測定は無響音室では無いので200Hz以下は意味を持ちません。10KHz以上も・・)

NS-10Mに関するまとめを製作しました
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NS-10Mまとめ
コメント (2)
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