昭和41年からの使者

今回ご紹介する神姫は、前回の天使型“アーンヴァル”の対となる神姫、悪魔型“ストラーフ”です。


アーンヴァルも背中にデカい翼を背負っていましたが、ストラーフの場合はミクロマンのスコールを彷彿とさせる巨大な
サブアームを装備しています。アーンヴァル同様に脚部にもユニットを装備していますが、アーンヴァルがブーツ状
パーツだったのに対しストラーフは巨大な機械の足そのものとなっています。そして背中にある蝙蝠の翼状に構成された
大小の刃もあり、怪物的な雰囲気を醸し出しています。そしてサブアーム＆レッグパーツとそれぞれが派手でありながらも
実にバランスよく纏まっていて、非常に完成度の高いデザインと言えるのではないでしょうか？
そのせいか、武装神姫シリーズでは一番人気アイテムとなっています。


そして素体状態、ブラックの基本色の中に青味掛かったグレーが良い
アクセントとなっています。しかしよく見ると、アーンヴァルの素体
とカラーリングこそ違えど色の配置はほとんど同じですね。


ご尊顔拝見。アーンヴァルはロングヘア＆ショートカットでしたが、
ストラーフは現在ギャルヲタに大人気のツインテールです。
ストラーフがシリーズ一番人気なのは、これも理由の一つなのでしょう
きっと。アーンヴァルとは肌の色も違い、どちらかと言うと色黒ですね。

バトルロンドでは、所謂ツンデレのボクっ娘。
これは個人的嗜好なんですが、どうも私は昔っからボクっ娘やオレ女と
いうのが肌に合わなくて…ゲーム「魔導物語」＆「ぷよぷよ」の主人公
アルルとか、私の好きなゲーム「バロック」のアリスとか、一人称が
ボクだった為に気に入っているのにどうも入れ込む事が出来なかったん
ですよね。それに近年は、究極の大駄作特撮「仮面ライダーカブト」の
日下部ひよりという、禁断の実写ボクっ娘なんてのもいましたしねぇ
（あ、ひよりを演じた里中唯に恨みはありませんよ）。
まぁ実際、一人称をボクだのオレだの言うのはヲタ女しかいないという
印象がありますけど私は。


ツインテールは神姫ジョイントで接続されており、根本から回転可動させられます。それにより、動きのある表情付けが可能となります…まぁ今時の可動フィギュアでは常識みたいなもん
ですけどね。尚、接続に神姫ジョイントが用いられているだけに、ツインテールパーツ以外のパーツを付ける事も出来ます。


ストラーフの基本装備、モデルPHCハンドガン・ヴズルイフ。
アーンヴァルのアルヴォLP4同様のハンドガンですが、こちらはリボルバー式の実銃に近い無骨なデザイン。
そしてアルヴォより一回り大きいので、こちらの方が好みです。

バトルロンドでは…アルヴォLP4は命中率重視の性能でしたがヴズルイフは攻撃力重視のステータスで、その分
アルヴォより命中率は劣ります。どっちにしろ腐ってもハンドガン、あまり威力は期待できないのでせいぜい牽制用
ですかね。そして「ラビットドッグトラップ」という反撃スキルを備えているらしいですが、ウチの子は何故か今まで
一回も使わないので私は見た事がありません。


ストラーフ唯一の大型火器、シュラム・リボルビンググレネードランチャー。レーザーライフルより小型ですがその分取り回しは良好、片手保持も楽々出来ます。そしてレーザーライフルには無かった
フォアグリップが標準装備、しかも銃身から360度回転する…つまり使う時だけ真横に出せるので邪魔にならなくて◎。

バトルロンドでは、威力はあるんですがスキルが無い上に命中率が-100されると、元々ストラーフタイプは遠距離戦が得意ではないので、よほど命中率を上げておかないとまず避けられます。
ハイ、ウチの子は今まで一回も命中させられた試しがありませんよ…今じゃエリオンにあげちゃってます（こっちは当てます）。


ストラーフの怪物性を最も強く演出している、そしてストラーフの象徴であるのがこのDTリアユニットplus　GA4アーム。迫力があるのはいいのですが、脇に可動軸が無いので脇を開けないのはマイナスポイント。
そして肩から下はGA4“チーグル”アームパーツという名称が付いており、部分的に違う名称となっているのがちとややこしいです。このパーツは肩と素体上腕部と同じ径のジョイントで接続されており、その気に
なれば素体の腕と交換する事も可能です。そして、表情のついた手首なんかも付けてくれるのは有難い。これで脇が開けば文句無しだったんですがねぇ。

バトルロンドでは、見かけ通りの重量があり回避率と機動力がダウンしますが、その分防御力が100アップするので、本来防御向けのステータスを持つストラーフとの相性は抜群です。そしてこれは攻撃にも使用
でき、右画像の状態で強力な打撃武器として使用したり、一撃で1200前後ダメージのストラーフ最強の近接スキル「デモニッシュクロー」を繰り出したりと、アーンヴァルのレーザーライフル同様にストラーフを象徴
しているパーツと言えるでしょう。しかし、DTリアユニットplus　GA4アームとGA4“チーグル”アームパーツはゲーム中では別パーツ扱いとなっており、前者だけだと通常攻撃不能、後者だけだと防御力も上がらず
スキルも使えなくなります。ですから、攻撃とスキルの両方が欲しい時は両方を装備する必要があります…ただ逆を言うと、“チーグルは装備しなくてもデモニッシュクローは使える”って事になりますね。
これは色々と利用出来るカスタマイズなので、覚えておくと便利ですよ。


そしてこの手首パーツ、手の平に神姫ジョイントがあるので凸ジョイントのある武器に限り手に持たせる事が出来ます。
これは中々に気の利いた配慮です。


GA2　“サバーガ”レッグパーツ。一見自由度は低そうですが、実は二重関節なのでポージングの際にはそれほど不自由はしないかと。そしてアーンヴァルのランディングギア同様に相変わらず足首の設置面積は低いですが、こちらは意外に自立出来ます…そこそこは。

バトルロンドでは、普通にステータスがアップするだけどこれといったスキルはありません。これで蹴り技とか出せたらなぁ。


ストラーフ第二の近接武器、それがこのグリップの歪曲が大きな特徴の剣、アングルグレードです。
そのせいで、持たせた時に若干クセがあるのが難点。ジャケットイラストでは、何故かツインテールを取り付けるのに
使うジョイントに接続されています…これをやるとツインテールが余るんですけど、何でこんなトコに配置したのやら…
他にも空いているジョイントはいくらでもあるのに。尚、ウチではツインテールが変形してアングルブレードになるという
オレ設定を用意しました。え？画像ではツインテールが付いてる？まぁ見た目重視で変形機能を持たないダミーパーツ
って事で一つ。。

バトルロンドでは…威力も命中率もそこそこあるのですがスキルが無いので、なーんか地味な武器となっています。
しかもウチの子、これ滅多に使ってくれないから益々印象が薄いです。


ストラーフタイプもう一つの剣、それがこのフルストゥ・グフロートゥ。
グリップがやや太い事を考えると、チーグルに取り付ける事を前提に設計された様ですが、なんとか素体の手にも
握らせられます。デザイナーの島田フミカネ氏は蝙蝠の羽をイメージしたとコメントしていますが、実際は蛮刀に
近い武器なんでしょうねきっと。

バトルロンドでは、リーチも短い威力も弱いと本当に使えない武器です。事実、同じ剣のアングルブレードと
ステータスを見比べてみると、勝っている点が重量が軽い事しか無いのはどういう事か。しかもスキルすら無い
もんだから、重量制限等と言った特別な理由でもない限り、十人中十人がアングルブレードを選んでいる事でしょう。
主に装飾用パーツとして割り切った方がいいかもしれません。


ストラーフ最後の飛び道具フルストゥ・クレイン、こちらも見たまんまですね。
グフロートゥと違い小さいので、素体に持たせるナイフ状武器と言った所でしょうか？

これはヴズルイフやグレネードランチャーと違い、手裏剣の様に相手に投げつける唯一の投擲武器となっています。
ウチの子は何故かこの武器が大好きらしく、メイン武器として使用していますね…まぁ威力もそこそこあるし飛び道具
なので別に気にしていませんが。そしてこの武器にはスキル「ピアスドナイトメア」が備わっており、相手に攻撃を命中
させた後に追加攻撃を仕掛けます。こういう追加攻撃は便利ですが、ガード可能技な上に威力もあまり高くないのが
特徴です（例外有り）。そしてピアスドナイトメアは、武器として装備するフルストゥ・クレイン以外にも最大八つまで各部に
装着させる事で、威力をさらに上げる事が出来ます。


総評としては、アーンヴァルではあまり触れられなかった有形ブロック構想に基づくカスタマイズ、これに重きを置いた
設計となっています。本当、ストラーフは普通に遊ぶだけでもあちこち神姫ジョイントを使用したカスタマイズをする事
になりますので、遊び甲斐がありますよ


エリオン：で、この娘には一体何て名前を付けるんですか父様？…やっぱりこの呼び方、慣れませんよぉ。

はっはっは、そう言うな。習うより慣れろと言うだろう？

エリオン：それ、言葉の使い方間違ってます。


ストラーフ：そんな事どーでもいいから、早く私に名前付けてよ！

エリオン：あら？ボクッ娘だった筈じゃ？

だからそういうの肌に合わないから、少し設定を変更しておいたんだ。


ストラーフ：お父さんってば！いつまでもななしのゴンベエはイヤよ！

分かった分かった。今、可愛い名前を付けてあげるから…そうだな…。

エリオン：ま、大体想像がつきますけどね…。


じゃ悪魔型だから悪魔…。

エリオン：やっぱりアクマコとか付けるつもりなんですね？まったく父様ったら…ま、この子にはお似合いですかね？

ストラーフ：じょ、じょーだんじゃないわよッ!?それにあんた!さっきから私に喧嘩売ってるワケ!?


エリオン：もう！さっきから五月蠅いですよ！大体、新入りのくせに生意気なんです！

ストラーフ：だ、だってしょーがないじゃん、悪魔なんだし、お行儀よくする訳にもいかないのよぉ…。

うんうん、少しだけ押しの弱い性格設定にしておいたが、上手く反映されている様だな…。


…ってそうじゃない、エリオン、余計な事を言うんじゃない。それに、私はそんな名前を付けるつもりはないぞ？

エリオン：え？でも今、悪魔がどうとか…。

ストラーフ：そうそう!確かに言ってたわよ!?


私はこう言おうとしたんだ、悪魔型だから悪魔っこから始めて…。

ストラーフ：悪魔っこって何？


悪魔っこと言うのは…まだテレビがモノクロだった時代に放送していた伝説の特撮番組
「ウルトラQ」というのがあってな、その中のエピソードの一つだ。

エリオン：それがどうかしたんですか？


うむ、良い質問だ。このエピソードは、サーカスの一員である催眠術師の父を持つ少女の物語だ。
サーカスの出し物の一つにこの二人の催眠術があって、少女はその影響で父の催眠術を使わないと眠れない
体質になってしまったのだ。その為に、眠る度に父から催眠術を掛けられる日々が続いたのだが、それを繰り返す
内に睡眠中の少女の肉体から精神が分離、夜な夜な徘徊するようになった。精神体は少女の意志とは無関係に
動き、最初は他愛のないいたずら程度の行動しか起こさなかったのだが、心に潜む子供の持つ邪悪さがどんどん
増大し、遂に少女の精神体は殺人を犯してしまった。精神体が単独で活動していられるのは、肉体が睡眠中の間
だけだ。何故なら、精神体が分離していてもそれは一時的なもので、実際にはまだ肉体と繋がっており完全に肉体
と分離出来ていなかったのだ。そして暴走した精神体は、完全な自由を得る為に少女の肉体を抹殺しようとし始めた…。

ストラーフ：あー、もう良いわよ！
お父さんが特撮好きなのも、それを由来に名前を付けてくれるのも分かったから！

エリオン：じゃ、その少女の名前を？


そう、それが君の名前になる…“リリー”だ。

ストラーフ：リリー…？


ストラーフ：それいい！なんか可愛いし薄幸の美少女って感じだし！お父さんありがとー！

エリオン：私もいい名前だと思います、呼びやすいし。でも…。

ん？


エリオン：私の時最初は変な名前付けようとしたくせに、随分と扱いが違いませんか!?

銃を向けるのはやめなさいっての!?それに、私だって反省したんだよ!?

リリー：ちょ、ちょっとあんた！やめなさいよ！


エリオン：文句あるんですか？

リリー：あ…ああ…あるから言ってるのよ…！私にだって…私にだって…！


リリー：こういうのがあるんだから！ナ、ナメられてたまるもんか！

エリオン：あら、随分といい度胸ですねぇ新入りの分際で！こうなったら、先輩への礼儀を教えてあげないといけませんね！


やめなさい二人とも！
それに、その内に準備が整ったら思う存分闘ってもらうんだから、それまで喧嘩はやめるんだ！いいね！
でないとリセットするぞ…！

エリオン：そ、それだけは…わかりました、続きはそれまでお預けにしておきます。

リリー：私はただ、お父さんの味方してあげようとしたのにぃ…。


かくして、我が家に新たな神姫が増えました。バトルロンドでお会いしたら、その時はよろしくお願いします。

リリー：お父さんにいいトコ見せたいの…だから負けてくれるわよね♪


言い忘れていたが、君のリングネームは「昭和41年からの使者」で行くから。

リリー：しょ、昭和41年!?なんでよ!?

エリオン：多分、そのウルトラQとか言うのの放送年月じゃないですか？