我が家のマウンテンサイクルから数年ぶりに発掘した画像のビッグコンボイ、それが箱に入れる前に直射日光に晒され
ていて、しかも経年劣化により箱から出していたら思いっきり黄ばんでいたと書きました。で、→こちらのサイトによると
酸素系漂白剤に漬け込めば黄ばみが落とせる、そう聞いたので試してみようと決意したのが前回までの流れ。
詳しくは→こちら。
まず漬け込む為には、各パーツを分解しなくてはなりません。取りあえず、黄ばんでいるホワイトで成形されているパーツ
だけを取り出します。ネジやピンも一緒に漬け込んだら、酸素系漂白剤だけに錆びたら嫌だし。画像に映っている物が、今
回黄ばんでしまったパーツ各種です。尚、右上にあるパーツはビッグコンボイの武器“ビッグキャノン”の銃口ですが、これ
接着されている個所なので最初は外す事を諦めていました。しかし経年劣化が良い方向に働くことも有りまして、その接
着剤が効果を失いある日ポロっと力無く外れたのです。こいつはラッキー。左上に茶色いパーツが有りますが、これについ
ては後述。
本当はこのガワの内側パーツ(上画像には入っていません)も黄ばんでいるのですが、ここは金属ピンを使用していて
漂白剤に漬けてサビたら困る、でもピンが抜けません。でもよく考えたらガワの内側故に目立たないので、漂白はしな
くても問題無さそう。そう思っていました…こちらも詳しくは後述。
これは二番目の画像と同じものですが、今回漬け込むパーツを赤線で囲っています。何分初めての試みなので、漂白
剤で塗装が溶けでもしたら困ります。聞いた話だとその心配は無いそうですが、念には念を入れてまずは塗装されてい
ないパーツ、そして塗装が落ちても目立たないパーツを一緒に漬け込む事にしたのです。で、それで様子を見て成功し
たら、今回除外しておいた塗装されているパーツを第二陣として漂白剤漬けにすると。で、せっかくだから漂白剤に金属
を錆びさせる効果が有るかの実験として、パーツと一緒に釘を一本入れておきました。ネットで調べてみたのですが、錆
びる錆びないの両方の答えが出てきたもので、どうもはっきりしなかったのです。で、漬け込む期間は大体3日~6日と上
記サイトに掛かれていたので、まずは6日漬け込んでみました。すると…?
漂白前のパーツと、漂白後のパーツで比較してみました。するとどうでしょう、確かに黄ばみが落ちています!これは
凄いぞ!あのビッグコンボイの、清潔感溢れる美しいホワイトが戻っている!行ける、これなら行けるぞ!尚、釘は多
少錆びた程度で、こすれば剥がれる程度でした。なんか思ったより錆びてなかったです。
で、これが先程の茶色いパーツ。これはビーストモードのガワパーツで、右下腕部パーツにピンで接続されています。
当然、左腕にも同じパーツが有ります。現時点では漂白剤でピンが錆びるか錆びないか分からない状態なので、念に
は念を入れてピンを引き抜こうと考えていました。
しかしここで予想外の事態が発生しまして、このピンがペンチ等で摘まんでも回りはするんですが引き抜けません!
ネット検索した所、ドライバーを当ててハンマーで叩いて引き抜く方法も知りましたがこの方法でも駄目!画像での右方
向、左方向、どちらからやってもビクともしない!まさに押しても駄目、引いても駄目な状態でした。さてどうしたものか?
ここは一か八か、このままでガワごと一緒に漬け込むか?いやでも、それやってガワパーツが漂白剤で変色したらどうな
る?そこだけ色が違ってはとてもみっともないぞ?うーん…どうしたものか…?
コンボイ司令官:うむ!私にいい考えがある!
ピンが抜けないのなら上画像右側のピン受けをを切り取り、“パーツからピンを引き抜く”のでは
無く、“ピンからパーツを引き抜く”んだ!
おお!貴方は!数年ぶりになりますか、
私の脳内にお住いのコンボイ司令官ではありませんか!お久しぶりです!
つまりこう言う事です。この切り取った部分は組み立てる際に画像の腕パーツともう反対側の腕パーツで挟み込むので、
切り落としても再び取り付ける事は充分可能な筈です。心配なら接着しても良いですし。それに、ここはガワパーツの内
側になるので、外側からは目立たない筈です。これなら行けそうだ!
で、これは先程の“ピンも抜けないし、内側だから目立たないし漂白しない”予定だったパーツ。でも今は、先程コンボイ
司令官が“いい考え”を授けて下さいましたので…。その前に、もう一度このパーツの問題点をお浚いします。
ここはピンそのものはスムーズに動くのですが、パーツ形状が原因で完全に引き抜けないのです。もう少しのところまでは行くんですが、
あと一歩の所で引っかかって抜けない。なんとも意地悪…しかし同じ手を使えば、ここもピンを外す事は可能な筈!で、画像中央の四角
い部分、ピンの覗いている部分を右画像の赤い線に沿って切り取り、ピン除去に成功しました(すいません、撮影するの忘れました)。
漂白に成功したら、再び接着して元に戻します。ま、上記の通りここはガワの裏側なので、切り落とした跡が有っても目立たないでしょう。
準備も完了したので、漂白作戦第二弾開始!スーパーの惣菜でお馴染みの透明トレイにパーツを入れ、中に漂白剤を
注ぎ込み蓋をします。ゴミとか入ったら嫌ですし、漂白剤が蒸発するのも嫌です。左側の味噌の入れ物は、ビッグコンボ
イの胸部パーツが思ったより厚みが有り、透明トレイに入らなかったので急遽用意したものです。そして前回の釘をもう一
度漬け込んだのですが、それと一緒にTFに使われているネジと同じもの(正しくは余ってるEZコレクションから抜いたネジ)
を用意しまして、それをパーツのネジ穴に取り付けて一緒に漬け込みました…黄ばんでいる面を上に向ける為の重石でも
あるのです。もしネジが錆びなかったなら、今後の漂白作戦でパーツを細かく分解する手間も最小限で済む筈です。
大体こんな感じに入っています。塗装されているパーツは前回やった第一弾より少ないので、少し間隔が空いてます。
この状態にして、天気のいい日にベランダで直射日光に晒します。
で、前回は6日間は全く経過を見なかったのですが、今回は毎日経過を観察していました。すると、2日後くらいにはもう最初に6日漬け込んでおいたパーツに近いレベルのホワイトに戻っていました。で、前回のパーツの中には漂白剤の影響か、色が多少薄くなっている部分もあったので、今回は3日で取り出す事にしました。で、その取り出したパーツがコレ!
バッチリやん!漬け込むなら3日で充分みたいです…もしもう少し漂白したいなら、もう一度漬け込めばいいんですしね。
釘とネジはどうなったかと言うと、やっぱり錆びました。釘は合計9日間漬け込んだのでこれ位錆びましたが、ネジの方は
たった三日で結構錆びてます。しかも、パーツのネジ穴に入っていてもこれだけ錆びますね。錆の進行具合は、やはり材
質によるものでしょうか…?と言う訳で、漂白剤で黄ばみを落とす際はネジやピン類は絶対に抜いておくこと!後でどうな
っても知らんぞ!
画像ではレッドの塗装面が白く濁った感じになってますが、これは漂白剤の影響ではありません。むしろ漂白剤から取り
出した際は全く塗装剥がれが無かったので、漂白剤に塗装を剥がす力は無い、それは立証されました。漂白剤は石鹸み
たいにヌルヌルしたり泡立ったりするものですから、乾かす前に一度洗浄しなきゃいけません。それに水道から出るお湯を
使用したのですが、どうやらそれがマズかったらしく塗装が変色してしまいました。幸いその事に途中で気付いたので、変
色したパーツは最小限で済みました。しかしこのままってのも…。
そこで、幸い我が家にガンダムマーカーの在庫が有りましたので、それのレッドでペタペタと…おお、これなら行けるぞ!
で、変色したパーツの中で一番の大物がコレ。特に全体が塗装されているので、お湯による変色で見るも無残な姿に。
上画像での成功に気を良くした私は、早速ガンダムマーカーでケアします。
洗濯バサミで関節パーツを挟んで固定し、ガンダムマーカーで全体を塗り上げます。多少はみ出た所は、乾いてから
シンナーを染み込ませた極細綿棒で拭き取ります。これだけ赤さが戻れば充分でしょう。いやしかし、黄ばみ以外にも
ケアしなきゃならないとは思いませんでしたよ…。錆に続く教訓その2。漂白剤はお湯では無く水で洗い流しましょう。
さて、漂白するに当たり最大の難関だったこの腕パーツ。この状態にして漂白剤漬けにしたわけですが、漂白剤による
錆びが立証されたことで、やはりこの判断は正しかったのです。では、漂白の終わったパーツを再び組み付けます。
まず漂白した白い腕パーツを茶色いガワパーツに残ったピンに差し込み、その後に切り取った部分の根元にエポキシ
パテ(黄色い部分です)を適量盛り、その直後に切り取ったピンの受けパーツを配置します。こうする事で、鋸で切り落
としたそれぞれの部分を、硬化したエポキシパテが繋げてくれると言う訳です。そこだけ色が違いますけど、ガワの内側
だからキニスンナ。
これは先ほど触れた、
もう一つのピンが抜けなかった箇所です。ここの件について、私の行った行程そして対処法を簡単な略図で詳しく解説します。
これがその該当箇所の略図。まず左から真ん中、縦方向に鋸で切りおとしそのまんま漂白。次に右端、切り落とした
部分にエポキシパテを盛って繋げる…やっている事自体はさっきの腕と同じです。ですが、この部分が腕よりも負荷が
掛かりやすいのか、エポキシパテと瞬間接着剤程度ではすぐに剥がれてしまいました。仮にもう一回接着したとしても、
結果は同じでしょう。うむ、どうすれば…?
コンボイ司令官:うむ!私にいい考えが有る!プラリペアで補強するんだ!
再び、私の脳内にお住いのコンボイ司令官のアドバイスです。なるほど、プラリペアか…。
でもあれ、あんまり使いたくないんだよなぁ。
これがそのプラリペアで、本来は割れたパーツなどを修復するのに使うものです。確かに、我が家の補修材の中でもその
強度は最高クラス。でもあんまり使いたくないのは、まず第一に値段も最高クラスだから…このセットで2000円近くします。
エポキシパテが一箱400円くらいなのに比べると…ベラボーに高いです。次に、これ使うたびに左側にある箱に入った溶剤
を、右側の容器に移し替えなきゃならない事。もちろん、使い終わった後はまた戻さなきゃなりません…やる事自体は大し
たこと無いんですが、これがまた毎回やるもんだから面倒。そして最後が、その溶剤が強力過ぎて最悪パーツを侵しかね
ない事。ラッカー系だったかな?TFにその塗料を使うとパーツが割れると聞きます(詳しくは各自ググって下さい)。だから、
プラリペアの溶剤もそうなったりしないかなぁ?と。しかしプラリペアを使うしか無いので、腹を括って封印を解きます。
まず、プラリペアと対になっている型取り材“型取りくん(別売りです)”、これはゴムに近い質感の物で熱湯につけると
柔らかくなり、そうなったらすかさずパーツを表面に押し込んで型を取ります。画像は、件のパーツの型を取った状態です。
パーツを外すと、型取りくんの中にパーツ型の窪みが出来ているのが分かります。そして右画像、パーツをプラリペアで
補強したい箇所に当たる、赤丸で囲った部分に溶剤で溶かしたプラリペアを一滴ずつ垂らし、内壁に沿って延ばします。
プラリペアは硬化に必要な時間が15分前後と極めて短い上に、液体では無く粘体なので扱いに慣れが必要…ですから
この作業は手早くするのがコツ。よって撮影は出来ません。
それが出来たら、再びパーツを押し込みます。これを左右両方やります。そして15分が経過、型から取り出してみると…?
手前の黄色い部分が該当箇所です。白いパーツの中央に黄色い横線が入っていますね?この黄色い部分がエポキシ
パテ。これだけでは強度不足なので、そのエポキシパテの表面に先程のプラリペアを…よく見えないと思いますが、その
部分が薄いプラリペアの膜で覆われています。つまりエポキシパテで上下に切り離したパーツ同士を繋げ、その外側を固
いプラリペアの膜でコーティングする事で補強したと言う訳です。念の為、パーツが溶剤に侵され割れた時を考え、先程の
型は保管しておくことにします。
かくして、これで漂白したパーツ各種の準備は完了!いよいよ修理の最終段階です。組み立て開始!
思えばこの状態から始まったんだっけ…。諸事情により2週間以上も時間がかかってしまいましたが、さて結果は…?
お見事ぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!!!!!!!!!!!
漂白前の物と比較…
これ本当に同じものなの!?って言いたくなるくらい全然違いますね。もういっちょお見事ぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっ!!!!!!!!!!
ここが最後にご説明したプラリペア使用箇所ですが、ここだけ少し気になるのは致し方なし。一部の傷で全体の黄ばみ
が取れたんだから、取引としては安い物じゃないか。
しかし、組み立て直してから一つ気付いたことがあります。この肩パーツですが、よく考えたら前後(画像では左右)の
円形ディテールはゴールドで塗装されていたのを、私はすっかり忘れていたのです。
で、慌ててその部分を同じくガンダムマーカーで塗装し直しました。
一度円形ディテールの部分をシンナーで赤塗装を落とし、その上からペタペタと。これで漸く完成です。
以上、黄ばみ落とし法実践ルポでした。ビッグコンボイは非常にお気に入りだったので、今回思い切って黄ばみ落としを実践してみましたが、結果は予想以上でビックリ
でした。やっている最中、箱にしまう前に窓際で直射日光に晒されていたメガロコンボイの事を思い出し発掘したら、ビッグコンボイほどでは無いにせよやっぱり黄ばんでました。その内にこちらも漂白しようとは思っていますが、だったらついでに黄ばみまくったサターンパッドも一緒にやってみましょうか。もしも同じ方法で漂白を試そうと思った方は、このテキストを参考にして下さい。ただし、何が起きても自己責任でよろしく。注意点は三つ。
一つ、ネジやピンなどの金属パーツは、どんな手を使ってでも必ず外す事。
二つ、漂白する日数は様子を見て判断する事。
三つ、漂白剤の洗浄には必ず水を使う事…あんまり自信は無いですが、塗装が変色したのは多分お湯を使った事が原因です。
それにしても、ネットが無かったらこんな黄ばみ落とし法なんて、一生知らないままで終わったんでしょうなぁ。ビッグコンボイを救ってくれたネット時代の到来に乾杯。
ああでも、ビッグコンボイのレビューは少し休んでからにします。流石に疲れました。
追記
レビューは→こちらからどうぞ。
ネジのサビとかは今まであまり気にしていなかったです!ちょと古いやつはチェックしてみます!
しかもプラリペアってアイテムは知らなかったぁー!!これは良いですね!高いですが
この情報すごく為になりました!!ありがとうございました!(≧▽≦)
ただ、値段と扱いにくさが難点。硬化時間が早いって言うのは、待ち時間が短いのと同時に
チンタラやってたら固まってしまいますから。でも、押さえておいて損は無いですよ。
漂白の件は、物によってはプレスなどで取り付けられていて金属パーツが外せないもの
もありますが、そういった場合は切断して再接着などの力技が必要になる場合も有ります。
もし漂白をやろうと思った時、どのような方法で金属パーツを外すのかよく熟考すべし。
尚、黄ばみはホワイト成形色以外にも発生しますので要注意。
ホワイト以外も黄ばむんですか(°□°;)知らなかったです。
金属パーツの切断、再接着は技術がいりそうですねぇ~
金属パーツのはずし方ですが、金属パーツを切断するのでは無く、例えばピンを抜くとかの方法が主流です。
ただし、今回のビッグコンボイの様に外れない場合は、金属パーツの嵌っている“周辺のパーツを切断する”
場合も出てきます。本文にも出てくるメガロコンボイを先日漂白完了したのですが、あれは首が金属パーツ
のプレスなので外れない構造でした。だから、その周辺をくり抜いて取り外し、事前にくり抜く前の状態を
型取りしておいたので、その型を宛がって抜けている部分にプラリペアを流し込んで再接着しましたよ。
パーツを傷つけずに外す方法もあるかもしれませんが、私は知らないのでこんな方法を取らざるを得なかったのです。
または、錆び覚悟で金属パーツごと漬けこむか…お勧めはしませんけど。