robihei日記(将棋とか、GOLFとか、徒然に)

将棋ファン暦30余年、10年程前のNスペ「対決」を観て将棋ファン熱が更に高じ、以来ずっと棋界ウォッチャーに

週末将棋界展望:「一番長い日(1)」

2006-03-01 13:22:03 | 将棋な私
毎年恒例になっている「将棋界の一番長い日」の予習を兼ねてレビューをしたい。

「将棋界の一番長い日」というのは、将棋名人戦挑戦者リーグである「A級順位戦」最終局の一斉対局日のことである。

なんで一番長い日なのか、ちょっとだけ説明すると、

1.ともかく順位戦というのは長い、AM10時開始、昼と夕に食事休憩各50分、持時間各6時間、持ち時間を使い切ると1分将棋で決着するまで延々つづく。消費時間は分未満切捨てということもあり、順調に行って日付が変わるころ、持ち時間を使い切ってからが長ければ(あるいは手数が多ければ)1時過ぎまでなんてのもザラ。

2.将棋界の最高峰「名人位」につける可能性のある人間を選ぶ儀式でもある。A級は定員10名、順位の決定はシンプルで、
(その1)総当りで勝ち数が多いもの
(その2)同星の場合、前年順位の実績による
(その3)挑戦者決定に限り、同星(例えば8-1とか7-2とか)で複数名いる場合、パラマス方式(ソフトボールの決勝戦の方式と同じ、4位vs3位→勝者vs2位→勝者vs1位という方式)でプレーオフを行う。

3.毎年必ず2名降級する、その代わりに下位クラスであるB級1組の上位2名が入れ替わりで昇級する。「棋界最高峰の10名(+名人で11名ですが、実際は)」であるA級の肩書きを失う人間が2人出る日でもある。まあ、要は「他人の不幸は蜜の味」的な興味関心があるというのは否めない。実際盛り上がるのは挑戦者争いよりも降級にまつわる悲喜こもごもである事の方が例年多い。

そんななか、このような悲劇的結末を迎えることもある。毎年NHKBSで深夜までライブで見られるので僕は毎年見ているのだが、この年の郷田の結末は今でも印象に残っている。丁度解説が郷田の親友でもあり、将棋界一の語り部である先崎学だった。「負けて落ちるのは仕方ないんですよ、負ける自分が悪いんだから。でも勝って4-5の”勝ち落ち”は、、、、、、さすがにちょっと掛ける言葉が・・・・ないですねえ」という搾り出すようなコメントが今でも耳に残っている。

さて今年、星の偏りによっては最終局前に挑戦者も降級者もあらかた決まっていて「おいしくない状況」になる年もあるのだが、今年はなーんも決まっていない。これもすごいこと。

星取り状況は、このようになっている。将棋連盟の表示より関西連盟の表示の方がわかりやすいので僕は気に入ってます。

挑戦権争いは羽生と谷川の一騎打ち。降級の方は4名の中から2名。「負ければ即助からない」「負けても助かるかもしれない」と人によって状況は違うのだが、「生き残るには勝つしかない」方が勝負師的には有利だそうな。久保・鈴木は「勝てば助かる」と思って指す。森下が羽生と戦う、羽生なら絶対にやってくれると信じてしがみ付くのである。これが面白い、たまらない。5局並列でリアルタイムで画面を切替えつつ解説付で中継してくれる順位戦最終局、ともかくお勧めです。受信料払ってないBS2ですが(爆)、これだけPPVで500円取られても払います。

んあーーー、なんか将棋ネタは書き出したらとまらない。明日また5局の対局と展望を上げることにします。御清聴感謝、将棋語り部robiheiでした。