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明日ママ論争が終わって・ 2  慈恵病院 赤ちゃんポスト開設7年 & 「明日ママ」問題

2014-05-30 01:10:48 | 「身の程」人生

 

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┃ 赤ちゃんポスト開設7年 相談件数過去最多に 熊本市の慈恵病院
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 親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を設置・運営する慈恵病院の蓮田太二理事長は,5月9日の記者会見で,2013年度の病院への妊娠・出産に関する相談が1445件と,2007年の運用開始以来最多だったと明らかにした。 一方、ゆりかごに預けられた子どもは2010年度18人、2011年度8人、2012年度9人と減少している。
 蓮田理事長は,「事前相談で(子どもの)預け入れを思いとどまるケースが増えた。相談員の育成に努めたい」と,今後の対応姿勢を示した。


 慈恵病院はゆりかごの運用開始と同時に「新生児相談室」を開設し、保健師や助産師らが24時間体制で電話や来所による相談に応じている。13年度の相談件数は前年度(千件)の1・4倍で、熊本県外からの相談が8割強を占めた。民放ドラマ「こうのとりのゆりかご」が放映された昨秋から急増したという。これを受けて4月から、専任の相談役を置き,相談への受け付け体制を強化している。


   ※出典  西日本新聞朝刊電子版他 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kumamoto/article/87262 

 

 長野県上田市にまい降りたコウノトリ ・ 撮影 安藤和義氏



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 「明日、ママがいない」-慈恵病院からBPOへの審議の申し立て受理されず
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児童養護施設を舞台にした日本テレビ系のドラマ「明日、ママがいない」について,熊本県の慈恵病院 http://jikei-hp.or.jp/ から,放送倫理・番組向上機構BPOへの放送人権委員会への審議の申し立ては,「委員会運営規則第5条の苦情の取り扱い基準に照らして、審理対象外」と判断され,受理されなかった。
                        ※第五条 http://www.bpo.gr.jp/?page_id=1141#h_03


  放送倫理・番組向上機構(BPO)は,審理対象としない理由を“「児童養護施設関連ドラマへの申立て」審理対象外と判断” http://www.bpo.gr.jp/?p=7612&meta_key=2014 とし示している。その要点は,以下の点にある。

1)番組の問題部分が児童養護施設入所中の子ども、里子や施設職員の名誉を侵害するという点について、個別具体的な子どもや里子、施設職員個人の特定がなされていないため個別具体的な名誉侵害の有無を判断することができない。

2)児童養護施設の子どもが学校等で非人格的なあだ名等で呼称され、からかわれるという点についても、個別具体的な子どもが特定できないし、著しい不利益の内容も明らかでないため、取り扱うべき事案であるか否かを判断することができない。

3)申立を行った病院は、病院の名誉やその他の権利侵害等を主張するために申し立てを行ったのではなく、あくまで児童養護施設入所中の子ども等の名誉等を問題とする、と説明している。しかし、申し立てを行うことができるのは「その放送により権利の侵害を受けた個人またはその直接の利害関係人を原則とする」と規定されているため、申し立てを行った病院と、侵害を受けた当事者との利害関係を認定することはできなかった、
                     ※参考 JjCASTニュース http://www.j-cast.com/2014/05/22205469.html
      

>>>放送倫理・番組向上機構(BPO) 青少年委員会 (正式名称:放送と青少年に関する委員会)

青少年が視聴するには問題がある、あるいは、青少年の出演者の扱いが不適切だなどと視聴者意見などで指摘された番組について審議を行い「見解」を公表したり、制作者との意見交換を行う。また、放送と青少年の関わりを研究、調査している。

・委員長:汐見 稔幸(しおみとしゆき)白梅学園大学学長
・副委員長:加藤 理(かとうおさむ)文教大学教授
・委員:小田桐 誠(おだぎりまこと)ジャーナリスト,川端 裕人(かわばたひろと),
作家,最相 葉月(さいしょうはづき)ノンフィクションライター ,萩原 滋(はぎわらしげる)立教女学院短期大学特任教授,渡邊 淳子(わたなべじゅんこ)弁護士



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 【慈恵病院の見解】  http://jikei-hp.or.jp/tv_mama/
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 1月29日,熊本の慈恵病院は、ホームページ上で,日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」について「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与え、人権侵害だ」として放送中止を申し入れたことについて、同病院の見解 http://jikei-hp.or.jp/tv_mama/ を改めて示した。

  声明文の冒頭で「日本テレビによる『明日、ママがいない』放送に当たりまして当院のお願いが一種の論争を引き起こす形となったにも関わらず、皆様に十分な 情報が伝わりにくくなっていることに対し、深くお詫び申し上げます」と謝罪した上で,「ご理解いただければと、私たちの考えをホームページ上に掲載させて 頂くことに致しました」と趣旨を説明した。

>>>日本テレビ ドラマ「明日、ママがいない」放送終了に当たりまして
                 http://jikei-hp.or.jp/tv_mama2/

▶ホームページ公開の経緯 http://jikei-hp.or.jp/tv_mama2/

3月12日にドラマは最終回を迎えました。

第1回、第2回放送内容は児童養護施設の子どもをはじめとして多くの関係者を傷つける内容でした。しかし、その後の放送分については次第に差別的な表現がなくなりました。あだ名の設定は最後まで変わりませんでしたが、それ以外については大きく問題になる内容ではないと受け止めています。

また、感動的な部分、考えさせられる部分もあり、制作に携われた方々が子どもへの影響に配慮なさりつつ、メッセージ性のある作品を目指されたことがうかがえました。関係の皆さまのご努力に感謝と敬意を表します。

一方で、「最初は過激で抗議を受けたが、その後はいいドラマになって感動した」という評価に落ち着いているようにも見えます。社会はそのように見ても、傷ついてしまった施設の子どもや関係者からは、「こんなことなら、そっとしておいて欲しかった」という声が漏れてきます。

 
「テレビ局は視聴率のために私たちを利用しているだけで、私たちを理解してくれない」

「児童養護施設をドラマにすれば、関係者から抗議を受けてスポンサーも降りてしまう。リスクのある領域なので近寄らない方が無難」

両者の間にこのような認識が残ったように思います。

 
今回の問題は社会的養護について、当事者と一般社会との認識の乖離(かいり)を浮き彫りにもしました。

「施設の子を守りすぎると『過保護な子』になってしまい、問題です。そのような育て方をすると強い人間になれません」

このようなお声もいただきましたが、施設現場には「社会の無理解」と映ります。

被虐待児が6割を占め、病的精神状態にも対処しなければならないのが実情ですから。

 
何が問題だったかの「整理」と「確認」を行わなければ、溝を埋めることはできません。

また、例え日本テレビや制作関係の方々が問題を理解されても、その他の方たちの理解を得られなければ、別のドラマで同じ問題が再発する可能性があります。BPO(放送倫理・番組向上機構)の青少年委員会は、審議入りしない決定を行いました。理由は未公開ですが、放送業界がこの問題に正面から向き合うことを願っています。この問題への対処は、誰が悪いとか誰が罰を受けるという事を決めるものではありません。

“社会的養護”という重く難しいテーマをどのように社会に伝え、理解していくべきかの最低限のガイドライン作りにあると思います。

 
ドラマに限らず、メディアで社会的養護を取り上げていただく事は重要です。社会がその実情を理解し、問題を認識することで、社会も国も改善へ動き出します。

しかし、取り上げていただく際に準備や配慮が必要であることをお考えいただきたく、私たちの見解を述べたいと思います。

・ドラマの問題点について  
・ なぜ、このような問題点が生じたのでしょうか?
・後半が感動的なら、許されるのでしょうか?
・児童養護施設出身の皆さまへ
・児童養護施設、被虐待児の現実を知ってください


>>>日本テレビ ドラマ「明日、ママがいない」放送に当たりまして
                     http://jikei-hp.or.jp/tv_mama/

・第1回放送分の問題点について
・「フィクションだから、いいのでは?」
・取材して頂きたかった
・「児童養護施設内での虐待など、施設のマイナス部分を出してはいけないのか」
・「児童養護施設出身者は問題ないと言っている」
・「テレビ局や俳優を傷つけている」「放送中止は、やり過ぎでは?」
・「名誉毀損で訴えるべきでは?」
・「売名行為では?」
・今後のお願い
・【追記1】 フラッシュバック回避のためのお願い
・【追記2】 被虐待児への理解と応援を

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  「明日、ママがいない」…BPO・青少年委,審議入り...

 

   
       
  「こうのとりのゆりかご」を見つめて (熊日新書)   揺れるいのち―赤ちゃんポストからのメッセージ   こうのとりのゆりかご検証会議・最終報告「こうのとりのゆりかご」が問いかけるもの―いのちのあり方と子どもの権利―   こうのとりのゆりかご」は問いかける―子どもの幸せのために (熊日新書)

 

僕は運命を信じない―不滅のボクサー坂本博之物語
幼少時に両親が離婚。親類に預けられたがそこでの生活は極貧を極め、弟と一緒にザリガニを捕まえ食したこともあると語っている。その後預けられた福岡市東区の養護施設『和白青松園』のテレビでボクシングの試合を見たことがきっかけで、プロボクサーを志すようになる。
西日本新聞社

 
表現の自由 1 ?状況へ 表現の自由 2 ?状況から 図書館と表現の自由
表現の自由をとりまく環境は時々刻々と変化し,表現の自由自体も変貌を遂げ,裾野を広げる。表現の自由に関する議論を,時間的・空間的に変化し続ける「状況」の内と外から,改めて捉え直すことを試みた企画。第I巻では表現の自由の「理論」の最先端を行く研究者達が,代表的な基本概念・理論的課題の解明により「現場」の状況へと語りかける。
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