Dear You

Seriously:fou you

天秤

2019-12-04 | 
ベッドから転落した人は
両足が痛くなって思うように動けなくなる
まして、80歳を過ぎれば治りは遅く痛みは続く
それでも
自分の食べることと
トイレに行くこと
お風呂に入ることは何とか自分でして
それ以外は極力安静にして寝ていた
そうして一人で暮らせていることは
その人の力であり運でもあった

寝たきりと云えば寝たきりかもしれない
寝たきりでないと云えば寝たきりではない

そんな微妙な不運と幸いの混ぜ合わせを
世の中の殆どは青天の霹靂のように思い
不運を重視することが幸いのように思っている

ベッドから転落した人の中にも
神は存在していて
ほんとうは寝たきりではないと
その人の代わりに叫んでいる
だから、その人は何とか自分で
身の周りのことをして
いつもの場所で静かに
暮らしたいと願っていても

それを苦に思う人の中の神が
いつものように動けないことは寝たきりであり
寝たきりが進まないように
その人が望んではいない
大げさな対処を選んでしまう
そのためには寝たきりではないという見解に
風船を割るように針を刺してしまう

正しいと言えば正しい
正しくないと言えば正しくない

地球の天秤の悲しさは
Aを信じる人が天秤にかけたら
Aに傾き
Bを信じる人が天秤にかけたら
Bに傾くこと
その真実は地球の人間には
知らされてはいないこと

人にとって起こっては困ることが
これからも起きていく
臭いものに蓋をするような対処では
繰り返し何度も起きてしまう
それは
地球の天秤の不正確さに
人々が気づくためだろう

治らない病気もあるが
治らないように見せかけた傷もあることに
人々が気づけるようになるまで
アクシデントは繰り返される
そうして、
宇宙の感覚が磨かれていく人には
トンネルの出口が見え
宇宙の天秤が舞い降りてくる
きっと、必ず



しあわせ

2019-11-27 | ショートポエム
しあわせになるために
生まれてきたのではなく

しあわせに気づくために
人は生まれてきたのだと思う

どんなことも
しあわせが生まれるように

人生は
解釈次第で
しあわせを見つけることが
できると思っていたい

住むところに困り
お金に困り
仕事に困り
家族に困り
他人に困り
社会に困り

たくさんの困りごとの中で
懸命に生きている人は
名誉や権力を手に入れた人よりも
大いなるものの源へと
還る道が開かれているのかもしれない

ほんとうは遥か彼方の
神の欠片を持っているほど
困難な人生を選択して
窮地の中から
しあわせを見つけられたら
眠っている神が目覚め
人は、自分で自分を
救えるようになるのだろう


てんとう虫

2019-11-27 | 
七つ星のてんとう虫の夢を見ると
それは幸福のサインであると
言われている

数日前、黒の2つ星
てんとう虫が窓に止まる
窓を開けてベランダに出てみると
黒いてんとう虫が3匹
壁に止まっては飛び
止まっては飛び
手の中に入ってきた

しばらくすると
赤の12星てんとう虫ダマシも
やってきた
赤の12星てんとう虫ダマシは
植物を食べるため
害虫と言われている
それも手の中に入ってきた

明日は
きっと良いことも悪いことも
あるのだろう
黒のてんとう虫は幸運で
赤のてんとう虫ダマシは
注意をせよ、と
言っているのかもしれない

そして、翌日、わたしは
大きくて楕円形の
七つ星の赤いてんとう虫の夢を見た
その日、わたしは
知らなくてもいい真実を
知ってしまう

だけど、
真実は、知って良かったのではと
解釈をして
てんとう虫と
てんとう虫ダマシのことを
思い出す

認めたくない真実と自分で
解釈したくなっているのは
自分の弱さで
憐みの心があれば
もっと心地よい方向に
改善できたかもしれない
と思いつつ

正直に弱い自分を庇って
何かに怒りをぶつけたい気持ちを
どうすれば克服できるのか
まだまだ葛藤を
乗り越えてはいない自分を知る

てんとう虫と
てんとう虫ダマシと
てんとう虫の夢が
わたしにくれた大事なギフトとは
憐みの欠片をつなぎ合せてみよという
メッセージだったのか

環境でもなく
仕事の多さでもなく
誰のせいでもなく
自分以外のものとのトラブルを引き寄せて
思いあがった自分の心のブロックを
自分で解除するための
チャンスを無意識に
作っていたのかもしれない

明日は、取り戻そう
ほんとうの自分
どれだけ仕事をしても
取りに足らない存在だと謙虚になって
憐みの心が隙間なく溢れていて
メッセージをくれた
あなたに逢いに行く

今度、てんとう虫と
逢えたなら
もっと、心を通い合わせてみる
ありがとうと言って
心に焼き付けるだろう
空高く飛んでいく君を





琴座 リラ

2019-11-24 | 
大いなるものが
琴座のプリズムを通過して
個々の意識が生まれ
それぞれが自覚を持つ存在となった

遥かな遥かな過去のこと
琴座に「リラ」という星があったと聞く
地球のように
わたしたちのような生命体が暮らしていた
けれど
「リラ」という星は
生命体の争いの果て
核戦争が起こり、星は消滅した

りらという名で詩を書き始めたのは
もう十年くらい前のこと
思いつきのチャネリングで
りらという名が浮かんできたのは
単なる偶然ではなく
琴座「リラ」とわたしが
深い関係にあることを
大いなるものが
わたしに伝えたかったからかもしれない

琴座「リラ」
あなたは星をして消滅したかもしれないが
この宇宙のどこかで別の生命体となって
生きているのかもしれない
そんなあなたを探すために
わたしは生まれてきたのかもしれない

もしかしたら
地球(テラ)が
リラ星のように消滅してはならないと
この地球に愛を伝える
多くの先導者を
宇宙の多次元から送り込み
この地球を守りたいと
願っていたのは
あなたの意志だったのか

もう今は亡き星、琴座「リラ」
地球の風と水の澱んだ欠片から
あなたが流した涙が
太陽に照らされて
愛だけが美しく輝いてみえる

例えば、人が人を心から
支えたいと思って行動したとき
真実のリラの魂を見つけたような気がして
うれしくて涙があふれてくる
ほんとうは、とっても
よく知っていたあなたを忘れて
人のぬくもりに触れるたびに
あなたが微笑んでいたことに
気がつきもせずに

星であることを
あなたは辞めてしまったけれど
あなたは愛になって
地球を包んでいる
地球はあなたの奏でる竪琴の音色が
ところどころに鳴り響き

わたしは思い出す
愛ではないものを
愛に還るための旅路であったことを






忘却

2014-03-05 | 
いのちの終わりに蘇るものは

忘却だと あなたは囁く

みんな心の奥底に忘却を潜在させて

真っ白になって生まれてくる

転生を繰り返すほど

その忘却は積み重なり

心の成長と共に忘却は

いつも呼びかけている

忘却の抽斗から溢れだすものが

心の創造者であるあなたの声



ほとばしる魔法の言葉を

あなたによりわたしに吹き込まれて

詩が創作される

創作とは

あなたという忘却を秘めた

宇宙の扉を開くこと

一体化したあなたとわたしから

忘却は紐解かれてゆく

創作は忘却を活性化させていた



無数の忘却のなかから

幸運のかけらを伝えてくれる

星々のようにつなぎ合せたメルヘンは

遥かな遥かなわたしの過去に

起こった真実なのだと

あなたの囁きは未来の未知に

響き渡る鍵になる



詩を綴るたびに忘却を引き出して

あなたの記憶のすべてが愛だったと

想いだしてゆく

あなたという愛を抱き

あなたとわたしはひとつの命になって

何度も見失い間違いや人違いをしながら

摩擦を起こし目覚める忘却は

あなたの指し示す信号であり道標であり

あなたの愛する宇宙へとたどり着く



いのちの終わりにすべての忘却が

あなたから手渡される

もう二度とあなたを忘却してまで

ひとつの命にはならないと

魂の源になりあなたとわたしは愛し合う

すべての記憶を積み重なる輝きにして

あなたとわたしは愛し合う










来夢来人

2014-01-03 | 
水のない河に水を注ぐ
そして流れるためにあなたが息を吹くと
河の水は流れて
あなたの辿る指先の方角に
辿り着こうとしている
そうして、あなたは水になり
河というひとつの夢を形象にして
すべての瞳に水の流れを映すとき
あなたはやってくる夢になる
瞳の数だけあなたは夢になり
まばたきの数だけあなたは瀬音になり
流れる調べになり
見つめたものを映す鏡になり
止む無く流れて
時間を持たない夢に流れることで
水面は時間を刻んでいる
あなたはやってくる夢になりながら
愛を久遠にするために
時間を創造していた
だから水のない河に水を注ぐ輪廻を繰り返す
それは見たことのない輝きを求めて
えがいたことのない輝きになって
水面に映る輝きと
果てしなく繰り返し愛し合う
あなたという魂の源は
形になって形をなくし
夢になって泡沫を繋ぎ合わせて
更なる超越を果たそうと
完成されても新たな未完成を探求して
やはり、夢は終焉のない完成を
連れてやってくる
生まれてくるものはいつもプロセスで
水は何度も完成を体験しながら
プロセスの旅を無数に試みる
それは未完成を愛しているあなただから
かならず辿り着く
輝き溢れた泉の始まりにふたたび出逢う
そうして究極の愛になり結ばれる
すべての泉のひと雫に煌く虹を映して
あなたは流れる水のように創造する
来る夢、来る人を





(2013.11月作成)






無限角

2014-01-02 | 
遥かな高次から舞い降りてくる
美しい夢は星々の明滅のように
清らかな無から創造されたもの
煌めく雫の刹那に零れ落ちては
光の木霊を奏でて無意識を伝う
そうして、少しずつ、少しずつ
宇宙の無限との一体化のために
顕在した意識の中でふくらんで
夢は美なるものだけを実現する
それ以外の偽りは夢とは異なる
儚い幻でしかなく瞬きに溶けて
泡沫という跡形だけを残し去る
夢とは輝き、幻とは明滅の幻影
なぜなら夢とは時を必要とせず
幻とは時に制限された噴霧の角
実現には計り知れない夢を束ね
超意識を選び無限角を創造する

果てしない無限でさえも
それを包む無限に護られて
美しい夢は透きとおる心に宿り
夢は見るものなのか 
夢に見られるものなのか 
孤独で背負わなければならないものなのか 
孤独で背負うから夢なのか 
夢の創造者のなかで与えられた
孤独を超えて遥かなあなたに気づく時
幻から目覚めて夢になる
誰しもが遥かなあなたのなかで生きている
夢と幻の明暗の狭間を知ることもなく
知らされることもなく
それでも遥かな無限を愛したくて信じたくて
あなたに辿り着こうとする
夢の在り処はいつも源を求めているのだろう

創造された夢のひと粒の全ては
生まれてきた愛の原点を記憶している
その愛と愛し合いたくて
真実を実現しようとする
あの星々の明滅は夢の呼吸
有形で夢の証を伝えようとする
愛の無限角





           (2013.11月作成)







霧の祈り

2014-01-01 | 
分からなくなると霧が舞い降りてくる
感情はいつも真実のものを伝えているのに
迷いを選びたくなる
それは、輪郭を超えた場所に輪郭という枠を
捨ててしまわなければならないことへの
ためらいからなのだろう
覆われた白い薄闇の中で
光を探してみたくなるのは
過去世の記憶を辿っているのだと
あなたはわたしに伝えている
ほんとうは分かっているのだけど
分からないという体験をしたくて
精一杯の選択が迷い子だった
さよならなんて言いながら
離れることができないのは
あなたの創造するわたしでいたかったから
あなたの指し示す道標と信号でなければ
納得をして生きてはいけないのに
分からないという幻想の選択に霧が立ち込める
感情の奥底ではいつもあなたの魔法がかかり
幻の玉手箱が開かれて一面に広がる霧は
迷い子を護るための真実の祈りが篭められていた
それはためらいを鮮明にしないために
迷いという休止符が記されていた
霧に漂うあなたの祈りに耳を澄ます
霧に見守られて霧に彷徨う感情がわたしだった
あなたを愛したくてあなたの霧の中にいる
分からなくても大丈夫とわたしに伝えるあなたは
いつも無償の愛だった
それでも寂寞の境界を感じて
わたしの欠片はずっと記憶した霧の中で
迷いが晴れてゆくことを待っている
欠片以外のわたしはきっと分かっている
宇宙にはあってはならないこの現世の黒煙を
あなたの願いが真っ白な真実に変えてゆくと
包まれた霧の中で信じている




   (2013.11月作成)

とうめいな異変

2013-12-30 | 
背骨がひん曲がり背ビレのない魚たち
巨大化し大量に発生する
悪意を流し込まれた海の生き物たちは
異変することで叫んでいる
魚たちだけではない
そこらじゅうで自然は奇形に変容しながら
地上を濁らせている人間の思念を拒んでいる
それでも感じることを捨てた者たちには
彼らの異変さえも透明なモノとしか映らない
人間が不透明になっていくほど
彼らの奇形は透明になり
彼らの異変は人間から身を隠す
異変だけが見えない処で進行していても
誰にも介入できなくなっていく
気づいた時には手遅れという現象が
罅割れた時間の欠片を未来に跳ね返す

毒を流した者は
流されたもののことを顧みず
わが身だけの有益に先走るほど
物質の喪失に侵襲されて目が眩み
錆びた金貨を手に入れようとする
その金貨には百年後の命のことは刻まれていない
隠された過ちだけを心に閉じ込めると
過ちはその者の心を牢獄として
膨張しながら心の牢獄の鍵を破壊したくなる
過ちとして起こらなければならなかった事実に
過ちそのものの怒りは逆上する
過ちを起こした要因が、いくら白を切っても
閉じ込められた過ちは牢獄の鍵を破壊して
明るみに出ようとするのだ
感じることを捨てた人間には
自らの心の牢獄から温かい涙を奪われていても
それに気がつく感覚を宇宙から取り上げられて
気づきは遮断され、光から見放された意識が
積み重なるほど、償いから逃れようとする

そして、地球上の自然界の異変は
耳には届かぬ叫びをあげて
人間にはますます気づかれないように
汚染や劣化、腐敗の進行は速度を増し
荒廃を選択する精神を拒絶する
人間が得たいものなんて彼らは欲しくはなくて
人間の傲慢で得た物のほとんどは
人間を欲の沼底に沈めながら
心貧しい裕福へと凋落させてゆくものだった
人間だけが命を彎曲させる宝庫に執心し
彼らからは愛されなくなっていくのだった


偽りの富に依存することに執着する
心の弱さはその者の中では
弱さとしては自覚されずに更に弱くなる
欲に溺れてゆくほど
阿漕な自画像は正確には描けずに
歪みを歪みと感じられなくて
高次の感性からはますます遠ざかる
人間のなかの不透明な異変は
自然界のとうめいな異変と比例して膨満する
蔓延る病巣と遺伝子の欠落を助長して
このまま地球に放置されれば
未来はすべてを取り去っていくだろう
悪意の使者に演じさせられていることに
気づかせてはもらえずに
くすむ命は死に切れず
魂を裏切り続けなければならない鎖が
がんじがらめの暗黒へと誘引する
純粋を愛しながらも純粋を葬って
まやかしの甘い汁に逆上せては
なお、やさしいふりをして


奇形に産まれても魚たちは泳ぎ続けている
見抜く目を持たない者たちの偽善の神話に
抗う言葉を持たなくても
身を奇形にしてまでのとうめいな異変は
見える形となり訴えている
海も空気も地面も植物も動物も
あらゆる生命が訴える
それは人間が都合よく隠すことのすべてを
千里眼で眺めることのできる
この宇宙の創生者の哀しい涙の化身
生命とは貧汚を拒む勇気を持つために
創造されたことに人間だけが気づかない
そんな者たちを拒みながら
自然現象はその者たちの澱みを映す鏡になる
それは、地球に起こる異変のすべて
嘘をつくことを知らない自然の力に
偽りだらけの人間が敵うはずはなく
自然現象の全ては創生者の意思であり
神の力であることを信じずに
自然科学の理屈で否定していると
創生者の慈悲の声は届かない
それは裏切りの選択をした顛末
世紀末を迎える流れは
全ての生命の真相を真実に塗り替える
人間のふりをした人間でない人間は
有り余る物質に囲まれながらも
それに触れるほど物質は消えてゆく
その真実が訪れた末法は、解決の手立てもなく
心の牢獄がその者の世界を奈落へと塗り潰す

創生者は呼びかけている
それは救済の声で
全てのものに純粋であった源の記憶に話しかけている
その声を聴き、その声に忠実に生きるものは
心に牢獄は作らない
地球人の世紀末が奈落であったとしても
地位や名誉やくだらないシガラミを
愛のために捨てた者は奈落には染まらない
無償で与えていける自らを祝福できるから
それは神のぬくもりに触れる人
とうめいな異変は純愛の行為を護り抜く
全ての現象は純粋を共有する神から創造されたもの
全ての現象は神である創生者の顕れであり
この不透明な混沌の危惧を告知する
とうめいな、全ての異変
魂の源である、神の声を伝えている




      (2013.11月作成)

ひとひらの銀河

2013-12-29 | 
雪の舞い散る夜空の 
白い蛍のように踊る雪明かり
その小さな結晶は闇夜を点しては消えてゆく 
ひとひらの銀河になる
賑わう街のネオンに砕け散り
君の瞳を濡らしている
白い吐息に指をあたため合うほど
落ちては溶ける 雪の粒
君の声に耳を澄ましていると
溶けてゆく雪の一瞬が
もっとも美しい瞬間だったと目が覚める
華のような結晶の形は
雪として生まれた時から
捨てるためのものだったことを雪は知り 
イミテーションの輝きよりも美しい一瞬の 
ひとひらの銀河を地上に鏤めて 
一夜でひろがる銀世界
こんなに神秘的な君の涙の魔法よりも
この地球ではイミテーションが美しいと求められ 
競い合うように イミテーションばかりが造られて
この雪の織り成す ひとひらの銀河を見失う
君の声ではない言葉ばかりが人に歌われて
君の声を聴く木霊の唄は人には聴き流されていた
それでも君は彼方から音も無く涙を流す
木枯らしが君の涙を雪にして
いくつもの結晶が雫になって
僕の手のひらから零れ落ちては消えてゆく
数え切れない ひとひらの銀河
闇の空を見上げると 絶え間なく
誰にも唄われなくても 輝く言葉を話している
あたたかさに溶けてゆく雪の
何のためらいもなく形を崩す選択は
あたたかいと感じたことの感性に 
忠実な現象であり それは君の深い愛の顕れ 
かけがえのない ひとひらの銀河の瞬間を
つなぎ合せて 僕は君を抱きしめていた
華やぐイルミネ―ションが
蛍のような雪明かりを飲み込んでしまう
この地球の片隅で
君の声を聴く木霊の唄を僕は口ずさむ
この地球の誰もが歌わなくても
ひとひらの銀河を僕に贈ってくれた宇宙だけが
耳を澄ましてくれているから
舞い散る雪のなか 手のひらに消えてゆく
きみの涙 銀世界の静寂に沈黙を囁く
ひとひらの銀河 宇宙に滲む永遠に







(2013.12.28作成)



港の翼

2013-11-12 | 
海の見える小さな町 この町の港は入り江の翼のようだ 鶴が飛び立つように出航する 白船黒船 むかしの人はこの湾岸から 飛べない船を見ていたのかもしれない 入り江の湾の形状が 鶴の舞う姿に見えたため 舞鶴と地名を名づけた人には きっと神が宿っていたのだろう 

この町に 飛べない船が無い羽根を休めに帰ってくること 波止場はそれを迎え入れ 埠頭は 青海原を揺られて独り立ちする 船の旅立ちを見送っている 巡り廻る船の現在のために この町の地名は予言のように 神により吹き込まれ 舞鶴という呼び名が与えられてから この地はずっと その加護を受けてきたのだろう

鶴のいない素朴な田舎町を 鶴によく似た地形は守護しているかのように 翼のない船舶の往来を傍観している それがこの港の宿命なのかもしれない 停泊している船舶の無き翼を引き止め続けることができないからだ

もしも この港のように寡黙に生きることを運命とされていたなら 翼のある真実の鶴はどこかで決心をして 現世を手放して飛び立っただろう もう二度と戻らぬために 船には書き残した手紙だけを置いて 主護神に届けようとしただろう

この小さな町の誰にも気づかれずに 主護神と愛し合った白い熾天使は その想い出を書き綴る 遠くに映る舞鶴クレインブリッジは鶴の翼 愛してしまったあなた(主護神)と繋がって あの橋から眺めた太陽と紺碧の空と海 大きな翼を広げて踊る二羽の鶴となり この地から悠久へと羽ばたくため 誓いの言霊を此処に記し 港から天空へと舞い上がる 







海の瞳

2013-11-12 | 散文
まだ浅い歳月は巻物にもならず、扇を開いたように潮騒を扇いでいた。十年がひと昔と呼ばれる時代は抽斗から取り出せば、写真を必要とはしなかった。なぜなら、この町での写真にわたしが写るには、あまりにも人が幻想であったからだ。
 小さな港町の埠頭を昼も夜も歩きながら、もっとも心を許せたのは、果てしない空と底知れぬ海の顕在意識のような波、そして、湾を取り囲む緑の山並みと、海から吹き寄せる物言わぬ風神だった。すべての自然現象に宿る精霊の存在を教えてくれていた。彼らの厳かなる壮麗な姿との対話を交わし続けることの神秘さと神聖さは、わたしに潜在している超意識から伝え続けられていた。
 おそらく、この小さな港町に来ていなければすべての魂に潜在している威厳さに出逢うことはなかっただろう。そう、顕在している波に運ばれる船舶を無事に港に手繰り寄せているのは、見知らぬ海底の潜在意識の奥深くの超意識なのだから。時には嵐となって顕在意識が荒れ狂っていたとしても、海の魂の源の意思は人間には計り知れないものだった。
 今、伝えられている情報の事実だって、真実なのか?それは分からない。人間の手により都合のいいように書き換えられた偽りの英雄も数知れず。すべては魔神が人間に憑依して、愛の宇宙とは逆廻りの意思に侵襲されているのがこの地球。魂の強さとは、超意識の神から伝えられた知恵との一体化により、無極の美の創作と創生を育むことができるため、表沙汰にできない虚構への執着とは無に等しいからだ。波に煌く太陽の光のすべてが海の瞳であると、超意識の貴方が伝えてくれていた。空の太陽を瞳に入れて、波止場は静寂を愛していた。

光の源

2013-11-10 | 
其処にはいつも、あなたがいて
計り知れない歳月をかけて
あなたになるわたしを待っていた
起こりうるすべてのことは
あなたが、わたしのなかのあなたを
呼び覚ますための必然であり
あなたになったわたしとあなたが
出逢うためだけの導きだった
すべてのものは
あなたから生まれてきたものであり
すべてのものは、あなたの輝きが
より強くなるために
あなたの囁きを必要としていた
すべてのものは
あなたによって満たされて
あなたによって潤って
あなたによって光を想い出していく
それは、手をにぎりしめると
手のひらに湧いてくる
ちいさな温もりを愛しく想う
そんなやさしさを伝えている
あなたは光の源
愛し合うことができるのは
あなたがすべてのものになって
包みこむ言伝を流星のように
降り注いでくれているからだった
忘却という大きな試練を背負って
人は生まれてくる
あなたの創造した悪意なら
それは罪ではなく幻の泡沫にしか
過ぎなかったのだろう
それよりも悲しまずにはいらない
過ちからの偽りで創造された悪意を
泡沫にはしないと決めたあなたの光は
あなたの源をいっそう美しくしていた
たったひとつの真実を護るために
あなたはわたしを照らしていた
あなたからわたしが生まれてから
ずっと、そうして与えられてきたものは
偉大な純粋だったと
計り知れない時間のなかで
やっと、気づいたけれど、ほんとうは
まだまだ気づいていないことがあるのだろう
なぜなら、愛とは
壮大な気づきのための叡智でもあったから
そして、そのすべてはあなたから生まれてきたもの
宇宙とは光であり、神そのものであり
魂の源だった








とおりゃんせ とおりゃんせ

2013-11-08 | 
じゃりみちの
りょうはしにならんだ
あらかんぞう
手をのばし
むかいのあらかんぞうの
ゆびのあいだにゆびをいれ
門をつくっている

  ここはどこのほそみちじゃ
  てんじんさまのほそみちじゃ

耳をふさぐと聴こえてくる
てのひらに押しもどされた
風のように

  ちょっととおしてくだしゃんせ
  ごようのないものとおしゃせぬ

どこを通れば
生まれてゆけるのかと
あらかんさまに尋ねていた
おそれおおくも あらかんさまに
洗いながしてもらった
つぐなうための荷物を背負う
まあたらしくなった
わすれものといっしょに
産道をくぐりぬけてゆく
にんげんに生まれたら
きっと、なにかに
差し止められているかのように
想い出すことのないものでも
記憶と呼ばせてほしくて
此岸のどろぬまのなか
彼岸のほそみちを探してゆくのだろう

てんじんさまのほそみちを
あらかんさまのほそみちと、そう唄えば
おそらく嘘だといって、だれもが信じない
ほんとうのことを観たことはないから
見えないものに疑いぶかくなる
ふたしかなのか、たしかなのか
五感いがいの直観の知るところ

  このこのななつのおいわいに
  おふだをおさめにまいります

生まれ落ちるうんめいを
買いもとめることのできるおふだを
手にしたものが、空と地上をつなぐ
産道をあたまでひらき
つきすすみ、かいてんする
産道をとおりそびれても
だれしもが いびつな圧迫に耐えしのび
はじめてのくうきを吸い込みながら
だいじな約束は忘却に沈ませる
天の声からはぐれるものは
濁る意識の自覚を失くし影は薄くなる
天の声の聴こえるものは
天帝の願いの叶う光を授かることが
約束だった

いきはよいよい
かえりはこわい

はじめての産声から
かたみちきっぷをにぎりしめ
生きぬくことは帰り道
呼吸が止まるまで昏い道にほんろうする
うらづけられる理由より
うらづけられない愛のかたちを
見つけたくても
この仮装の幻想では見つからなくて 
壊れやすいかたちは愛ではないと
判る出逢いに出会うまで
炎のみずうみと針の山にぶちあたり
見えない動かし手に
護られる幸福を感じるために
思い通りにならない跳ね返りを選び
思い上がりを天にかち割られると
傷口が痛みだし
思い上がりを自らでかち割ると
傷口は幻だったと天の声がする
天帝の願う感情を捨てたものたちの
うらぎりには背を向けていても
だれかのためになにかをしたくなる
ほどこしを知り
生まれる前から愛していた
天帝の願いと一体化して
もとのところにかえっていく

見えないところから見つめている
あらかんさまの真実は

  こわいながらも
  とおりゃんせ








潮騒

2013-11-04 | 
海を、眺めていた、春の。潮水に湿る砂浜の足跡は、今だに波音を追いかけてしまう。凭れていた背中を手離せずに、低めに照らす太陽までの道のりを、なびき縺れて、傷んだ髪は揺れていた。

愛しているの?潮騒の問いかけに、愛していないと答えていた。潮騒とおなじものを愛してしまったわたしはそう答えるしかなかった。咄嗟の偽りに騒ぎたつ不協和音。だけど、ちっぽけな型紙を捨てて、潮騒との共有を選択しようとした。それは、潮騒の瞳に映るわたしの影に気づいたから。砂に秘めた貝殻の破片を、押し寄せる波形が行方不明にしていた。

花に吹く風は花風となり、夜に吹く夜風になる。雨に吹く雨風になり、風は、あらゆるものに吹き抜け、あらゆる薫りの化身になり、あらゆるものの形へと、変容を譲る魔術師。何処からか吹いてきて、何処かへ吹き去り、ふたたび何処からか吹いてくる。

彼は風から生まれた
風の申し子だった(わたしの愛する貴方)

潮風に逢いたくて、ふたたび海に来る。波音の沈黙に立ち込める磯の薫り。進むべき印のない景色に、海が横たわる。ワンクリックで削除できるものなど何ひとつとしてないのに、容易に削除できる方法だけを知っているから厄介なんだ。見えない海底があることを知っていても海を渉る蝶は、海底を見ることなく飛び続け、知らない異国にたどり着く。

寄せては還る繰り返し。創世記から変わらずにいたクロニクルの陳腐を、夢の仮面を壊すたびに斬新な白紙に書き変えていた、風の貴方。「ねぇ、一度でいいから、わたしと人間を忘れてみない?」海から生まれ続けて、海に消えていく輪廻も悪くはないでしょう。そうして出逢い続けていく。引き裂かれた別れの痛みの分だけ、わたしたちは言霊になり幾度も出逢う。潮騒とおなじ貴方を愛したわたし。

潮騒は魔法をかけられた貴方の分身だった。