好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

事件11『山荘包帯男殺人事件』(第5巻)考察。

2009-12-20 | 『名探偵コナン』原作考察
この事件は、挙げるべきポイントが多い。

1.伏線の質と量
この事件は、純粋にミステリとして高水準である。
物語の序盤、それも第1話の時点で、幾つもの伏線が仕込まれている。
クライマックスの謎解きで、山荘に着いたばかりの蘭による「え?」という一瞬こそが、
最重要の場面だったと知らされた時は、ニヤリとさせられたものだ。

2.凄惨な死体描写
この事件は、連続殺人でこそないが、その代わり、死体描写が最強の破壊力を誇っている。
青山氏のデフォルメされている絵柄だと、リアリスティックな趣のバラバラ死体が逆に怖い。
更に特筆すべきは、なぜ死体が切断されたのか、(トリック上の)理由があったという点。
無闇に読者を怖がらせるだけの残酷描写ではないのだ。

3.園子の初登場
蘭&新一のクラスメイトで、お金持ちのお嬢様。
好奇心旺盛のため、流行好きの恋愛好き。
そんな彼女は、『コナン』という物語を動かす装置としても最高のキャラクターの一人だ。
どんな時でも陽気で気さくな性格。接していて好感を持てるタイプである。

4.(新一でなく)コナンと蘭との関係進展
他の男性に言い寄られた蘭を守るため、森の茂みを突き破って駆けつけるコナン。
一人で眠れないため、コナンを頼ってベッドを共にする(!?)蘭。
純粋に相手を思い合う姿は、見ていて微笑ましい。

5.犯人を断罪するコナン
この時点でのコナンは(園子の声で)、自殺しようとする犯人に
「死にたきゃ勝手に死にやがれ」と怒鳴りつける。
ややもすると犯人をいっそう追いつめかねない暴言だが、
一直線に熱く叫ぶ彼の姿は、貴重な物だと言えよう。

それでは。また次回。

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