好事家の世迷言。

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事件0『ジェットコースター殺人事件』(第1巻)考察。

2009-10-04 | 『名探偵コナン』原作考察
この事件の説明は、一言で足りる。

「『金田一少年の事件簿』のパターンのパロディである」と。

主人公は、探偵としての推理力を誇る17歳男子、高校2年生。
当然、刑事とも仲が良かったりする。
同い年で幼なじみでクラスメイトの女の子とも仲が良かったりする。

そんな主人公と幼なじみが、出先で殺人事件に巻きこまれる。
主人公は刑事と協力して事件を華麗に解き明かす。

と、ここまで類型的・典型的な設定である事には理由がある(と思う)。
何せ、主人公はこの殺人事件の後、空前絶後のトラブルに遭うわけだから。
(始まりこそ、物凄く小じんまりとしてますが)
そんな彼の背景は、逆に分かりやすく描かれるのが自然なのだ。

けれども。そんな主人公である工藤新一の性格が、
フツーのミステリ世界から相当にぶっ飛んでるというのもまた事実。

例えば、逃げる犯人を捕らえるためとは言え、
地球儀を使って取りあえず蹴り倒すって行動はいかがなものかと。
探偵以前に人として(汗)。

探偵をやる目的も、この時点では、正義や真実のためでない。
自分の名声や興味のためと言いきってる様は、見ていていっそ清々しいほど。
正統派主人公というより、ダークヒーロー一歩手前だ。(←ほめてます)

そんな主人公に対抗する、相方の蘭だって負けてない。
笑顔で電柱破砕ですから。器物損壊ですから。
「可愛い顔して力持ち」の言葉が相応しい、
このアンバランスな描写に、当時は逆にリアリティを感じた。
(連載が進むにつれて、か弱い優しい部分がどんどん強調されていきますが)

なお、肝心の殺人事件のトリックは、後の作風とは似ても似つかぬ豪快な物。
あんな雑技団も顔負けの芸を見せてくれた犯人は、体操よりも、
アクロバットサーカスなどの道を目指してくれないかと思ったものである。

それでは。また次回。

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