好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

少女は謎を解き、そして新たな謎を紡ぐ。

2017-08-07 | その他ミステリ
『隻眼の少女』(by麻耶雄嵩)、読了。

雪の降る奥深い琴折(ことさき)村を束ねる琴折家。
彼らは代々、スガル様という現人神を祀り、崇めていた。
そんな因縁深い一族に起きた殺人事件に居合わせた大学生・種田静馬は、
和装の美少女探偵「御陵(みささぎ)みかげ」に危機から救われた。
静馬とみかげは果敢に事件に挑み、残酷な真相を突き止めた。
事態は収束したかに見えたが、18年後、再び悲劇の幕は上がった……。

こう紹介すると、まさか麻耶作品の設定と思えないが、
断じて嘘は書いてない。
日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞のダブル受賞、
という触れ込みは伊達ではなかった。

麻耶初心者には強くオススメしたいが、
ミステリ初心者には薦めたくないというジレンマ。
古典ミステリの有名どころをある程度読んで慣れてからの方が、
間違いなく驚けるからだ。

最後に。ネタバレしない程度に、いわゆる真実の赤字で誓っておこう。

【真犯人は唯一にして具体的人物です】
【フーダニット・ハウダニット・ホワイダニットは明確に描かれています】
【完全なバッドエンドでなく、僅かながら希望があります】


それでは。また次回。