好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

20世紀の「異世界転送」。(その1)

2016-10-28 | 物語全般
『黄金拍車 1』(by王領寺静)、読了。

『ルナ・ヴァルガー』シリーズを読んでいた子供の頃、
広告で見かけて気になっていた作品の一つ。
長い時を超え、図書館で借りて読み始めた。
因みに1988年作。

第一印象は、まさに当時思っていた「ラノベ」の典型。
ワンセンテンスごとに行替えされる独特のテンポ。

主人公は、サッカー得意の高校生・カズマ。
物語は、彼がファンタジーめいた異世界に召喚されるところから始まる。
一見は、今時の「なろう小説」などに溢れる「異世界転送もの」だが、
この作品は説得力が違う。

カズマが召喚された場面以外、魔法も魔物も出てこない。
言語も勉強して覚える。
告白してくれた女の子のいる元の世界に一刻も早く帰りたいと努力する。
これこそ私の思う、本来の「異世界転送もの」の感覚だ。

そんなカズマが騎士を目指して属した国では、
大公と王太子が対立中。
その緊張状態の中心となるスパイの正体には、思わずヒザを叩いて唸った。
読み返すと確かに序盤に伏線あったし。やられた。

全5巻なら読むのも速いと思う。しばらく楽しめそうだ。

それでは。また次回。