炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

「 自然農法 」考える その2 -合鴨農法の系譜-

2007-03-11 | エコロジー
 農薬・化学肥料を使わなくてすむ合鴨( Hybrid duck )を用いた稲作の由来と系譜について、その日本昔話的な展開を書きます。

 アイガモ農法は、1985年に富山県福光町の兼業農家 荒田清耕さんが初めて確立した農法です。荒田さんは水田の除草に、「 ドジョウ 」、「 カブトエビ 」、「 鯉 」と順番に試し、その後、地元農家から聞いた「 アイガモは草を食べる。」という話をヒントに、水田に応用したのが最初です。この年、テレビや新聞を通じて全国に報道され、全国に広まりました。以後、近隣の農家も荒田さんに習って、アイガモによる水田の除草をはじめ、1990年からは、「 アイガモ除草懇談会 」を立ち上げ、技術の普及と改良に取り組みました。
 ・ 参考 荒田清耕著 『 アイガモ農法 』 桂書房 1993年6月.

 こうした情報を元に、1992年12月、福岡県の専業農家の古野隆雄さんが、大手出版社から『 合鴨ばんざい 』を出版し、豊富な絵入りの解説で、その農法を分かりやすく伝えたため、全国的に普及しました。

 ところが、古野隆雄さんは、荒田清耕さんの業績をまったく紹介せずに、さも、自分が創始者でもあるかのように振まいました。古野隆雄さんは、名門九州大学の修士課程をご中退された方なのですが、大学院では人真似ではない、個性的な研究成果を要求されます。独創性こそが最重要な世界に身を置いた人が、他人の業績をさも、自分が築き上げたかのように振舞うのは、いささか奇妙な事です。彼の著作からは、アイガモ農法成立の経緯が、はっきりしません。他人の業績を隠して、さも自分が創始者然に振舞うのは、いかがなものでしょうか。
 富山の荒田さんたちグループの取り組みは、生命への深い愛情と、失われた故郷の環境への愛惜に端を発し、それを何とかして復元したいという動機に根ざしていた所に、たいへん意義深いものがあるのですが、古野隆雄さんの著作には、そうした理念は欠落しています。

 さて、その古野隆雄さんの第二作 『 無限に拡がるアイガモ水稲同時作 』では、外国産の窒素固定型の水草 アゾラを、合鴨の餌として推奨しました。アゾラは、空気中の窒素を吸収して増殖し、自分でたんぱく質を創る画期的な飼・肥料兼用の植物と言う触れ込みでしたが、残念ながら、環境に流出してしまい、在来生物に悪影響を与え、湖水や河川の水質悪化を増幅しようとしています。 
・ 古野隆雄『 無限に拡がるアイガモ水稲同時作 』 農文協 1997年

 これなども、他人の言う事を自分できちんと検証せず、珍しい物取りで、著作に載せてしまった、没個性的な行いが引き起した災いではないでしょうか。日本の伝統的な昔話のストーリーの「 花咲爺さん 」や、「 こぶ取り爺さん 」などのように、良いお爺さんが善良な行いから成功し、それをかいま見た悪い爺さんが、欲深い心から真似をしたら、ヒドイ目にあったという、典型的なお話によく似た展開となってきたではありませんか!

 今後、北米で流行している西ナイルウィルスが日本に上陸した場合、この外来アゾラが被害を、著しく増幅しかねない状況になりつつあります。外来アゾラの出所がはっきりしていますから、悪い爺さん達は、莫大な損害賠償を請求されても、おかしくありません。


-参考-
 渡辺 巌氏のHPより. (文字化けするので、[エンコード]を、日本語に調整してください.)

 「アゾラは、空気中の窒素を固定して、栄養源とするシダ科のウキクサである。その窒素固定能力は条件のよいところで1日 10アールあたり300-500グラムくらいになる。熱帯の記録では1年間に50-100キログラムにもなる。 条件良ければ、2ー3日で倍になる速度でどんどん増殖する。 水面をびっしりおおった時には、新鮮重は10アールあたり3ー8トン、乾物重で150ー400キログラム,窒素で5ー15キログラムに達する。 」
 
 日本の河川や湖沼の富栄養化に、拍車がかかることでしょう......


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2 コメント

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Unknown (sakura)
2007-03-13 23:20:17
こんばんは♪ご訪問カキコありがとうございました。
私も少しお百姓をしていますが、すごく色々詳しく書かれていますね (^^))((^^)v

私も瓢箪作った事がありプロフの写真可愛いですね
これからもよろしくお願いします。
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sakuraさん、ようこそ(^^)。 (Yuzou)
2007-03-14 13:03:59
コメントありがとうございます。
大阪のいろいろな話題、楽しいですね。こちらこそよろしくお願いします(^^)。
大阪の人たちは、東日本とちがって、本音で話しているなぁって感じます。なんかリラっクスして読めていいです。

ひょうたんの巣箱、本当は秋のうちに取り付けると、営巣率が良いそうです。地はいで植えると、草で邪魔されて、雌花がやや少ないです。棚作りが無難でしょう。
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