築32年経ったお稲荷さん、横に咲く紫陽花。無垢材の底力!知って損のない話など。

2008年07月09日 | ものづくり 家づくり

紫陽花と、お稲荷さん。
けなげに、庭に咲く紫陽花が可愛くて投稿です。この時期にしか見れないと思うと、つい今朝方デジカメのシャッターを・・・ 来年また会いましょうと声をかけてあげました。このお稲荷さんは32年前、古い民家を解体したときに大黒柱、差し鴨居等を「ケヤキ」製材して再利用したものです。母屋の建て替え時にほとんど使ってしまい、お施主様の了解を得て残りの材料でお稲荷さんをつくることができたのです。(当時、私の大工経験は8年でした。)無垢材は腐りさえしなければ何度でも利用できるところがすばらしいですね。この欅は伐採して100年はとっくに経っていると思います。現在も腐りは全く見られません。


少しオーバーな言い方かも知れませんが、自然環境:エコロジーを考えて実践していた我が家の初代棟梁、
古谷末吉爺さん。大黒柱や差し鴨居を挽くには植林して少なくとも100~150年はかかる。無垢材は何年経っても無垢は無垢、自然の木材を無駄にしてはならない、と、これからもその教えを大切にしたいと思います。
「特にケヤキは時が経てば経つほどその赤身は増し、木目や柾目がはっきり出てとてもきれいです。」古民家再生を手がけている大工さんは古い欅を一鉋かければこんなに美しい木目が出た、なんてことで感動した大工さんも少なからずいると思いますね。この一瞬の感動と感激は大工でしか味わえないことかも知れません。いつまでも心に残る貴重な体験です。(写真は大正10年撮影)

こんなこと書いて本当かな?と、思われる方もいるでしょうね。
なんでもそこらにある古くて黒ずんでる木端を見つけて少し削ってみてください、そうすると回りは(外側)真っ黒なのに中は白くて自然の木の美しさに驚くことでしょう。そうです。その木は外側が黒いだけで腐ってないんです。
特に、スギ、ヒノキ、ケヤキは見事な美しさが蘇ります。それが無垢の良さなんです。

話のついでにもう少しお付き合いください。
杉の赤身の部分、特に “芯もち” がとても強いという事は皆さんご存知でしょうか。アルミサッシが普及する以前のお話になりますが、昭和30~40年代初め頃、温室をやっている「営んでいる」農家では、その頃の温室はほとんど木造でした。軽量鉄骨で合掌を作りそれに合わせて(勾配)タル木~天窓を取り付け、タル木と天窓にガラスシャクリを入れてペンキを塗り、ガラスを軒先から順番に並べてコーキング、パテ、などでガラスを固定して温室をつくっていたんです。(温室の勾配は5寸5分勾配と決まっていました)米松や他の外材でつくった温室は何年も長持ちしませんでしたが杉の赤身の部分、特に “芯もち”だけはアルミに代わる最近まで腐りもせず時々の修理程度で原形を保ってます。木で出来た温室は少なくなりましたが、現在も働いてます。
(温室で主に栽培してるのはマスクメロン、スイートピー、シクラメン)などです。上の写真が木造の温室、左側に少し見えてるのもそうです。下の写真がアルミ製。木の温室は築40年位い経ちますが、現役バリバリです。

このように杉の赤い身の部分(幹)強いことから、このサイトに来てくださっている皆さんがリフォーム又は、新築を、と考えのある方は参考にして頂ければと思います。
私が今まで経験した中で特に、“屋根野地”が問題です。軒先部分傷みが最も早く、できれば野地板はコンパネ(合板)ではなく杉板を使う事をお勧めします。(施工例
でも、工事コストのほうが心配と誰しも思うのは当然です。最寄りの信用のある工務店、大工さんに相談してください。コンパネ(合板)と杉板の差額の見積りを出していただけると思います。差額ですからそんなにビックリするような金額にはなりません。長い目で見ると杉板を使用したほうが結局は良い結果に繋がるのだと思います。
「この ページ 杉の野地板が写ってます。」☜お稲荷さんの左側に写っている温室が杉の「赤身」芯もちで出来ている温室です。

木造建築:建物のことで気がついたことをこれからも、お話していきたいと思います。今日はここまでです。またのご訪問お待ちしております。ありがとうございました。
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K.Furuya



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onlyone
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2 コメント

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Unknown (シーラカンス)
2008-07-09 21:14:18
お久しぶりです。今日から復活しますのでまたよろしくお願いします。御煎餅のほうお口に合っていれば幸いです。
これは見事な紫陽花ですね。夏の風物詩のひとつでもあり夏を感じさせられますね。
だんだん暑くなってきましたのでお仕事のほう頑張ってください。
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コメントありがとうございます。 (古谷です)
2008-07-11 02:26:03
お早うございます。に、なってしまいました。

この投稿はブログのタイトルには関係ないかも?と思われるかも知れませんが、建築に携わる一人として、
自然を大切にしなければと思います。文明が進みすぎて怖いなと思う今日この頃です。
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