今日の女王サマ

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『ゴールデンスランバー』-無様な姿をさらしても逃げろ

2010年02月14日 | 映画&本&音楽&TV
堺雅人主演の『ゴールデンスランバー』は伊坂幸太郎の小説をほぼ忠実に映画化しています。

主人公・青柳は人が良く、そこそこハンサムなんだけど、どちらかというと「どうでもいい人」。
その彼がなぜか首相暗殺犯に仕立てられ、追われる立場に。


彼に救いの手を差し伸べるのは、今まで関わりあった人たち。
直接的に間接的に。

ただ一人、気まぐれで助けてくれたのが、仙台市を騒がせている切り裂き魔キルオ。
(キルオは他の伊坂作品にも出ていたと思うけど、そのタイトルが思い出せない)

キルオ役の濱田岳(はまだ・がく)は『アヒルと鴨のコインロッカー』(これも伊坂作品)にも出ていますが、伊坂さんは濱田岳をイメージしてキルオを作り出したのだとか。

そう言われてみればキルオのイメージはピッタリです。容赦ない殺人犯なのに、どこかユーモラスで可愛げがある。とっても矛盾しているんだけど、それが伊坂幸太郎の味なんです。
でもこの『ゴールデンスランバー』以後はキルオにお目にかかることはなさそう。残念だな。

『ゴールデンスランバー』はミステリーかな?伏線がたくさん張られています。
何でもないようなセリフの一つ一つが映画の終盤でよみがえってきて、それがジンワリとした感動に変わる。

大学を卒業し、社会に出て数年。進んできた道はそれぞれ違ってしまったけど、絆はかすかに繋がっていた。でも、あの日々はもう永遠に戻ってこない。そのほろ苦さを噛みしめながら生きていくしかないのである。

別人として生きる青柳を「青柳クン」と認めた(気づいた)のは元恋人で今は人妻になっている樋口。
ホント、このシーンはほろ苦くて切なくて涙が出ました。


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